38「まさかのお誘い」
学校に着けば、いつもと同じ窓際の席に座る。
周りをよくよく見てみると、いくつか既にグループが形成されており、みんなが朝の会話に花を咲かせていた。
…まさかこれ、僕、出遅れた?
やってしまった、完全に!高校生活に置いてグループ形成に遅れを取るなんて僕とした事が…!そう言えばここ最近は椿さんの事でずっと頭を悩まされていたからな…こうなるのも仕方ない…だが、僕にも友達は居るんだよ!
さぁカモンうのちゃん!
「それでさー」
「ええなにそれー!」
…どうやら別のお友達と楽しくて会話している様だ。
うん、まぁね、ちょっと予想はついてた。
あ、ちなみにうのちゃんとは、卯野原 柚子さん、例の僕と同類のアキバ系女子と言う奴だ。
親しみを込めてうのちゃん呼んでいる。
たまにアニメ話をする様な間柄さ!さて、頼みの綱のうのちゃんが別のお友達との会話中…あれ?僕積んでない?そう言えばこの高校に置いての僕の交友関係って皆無じゃない?
マジかよ。
そんか絶望の中、一筋の光がーー
「は、灰原くんおはよ!もう来てたんだ!早いね」
「おぉ女神よ」
「ふぇ!?なんで拝んでるの!?」
九重さん、ナイスタイミングだよ!
さぁ僕と楽しくお話ししようか!?
「よいしょ、よし」
あの、何で無言で小説を取り出して読んでいるんでしょうか?
いやそんなまさかね、そんな朝の挨拶を交わして終わるだけなんて有り得るわけないない。
「あ、あの〜九重さん?」
「んふ…ふふ」
聞こえてねぇ…クソ!返せよ!僕の期待を返せ!利子つきだぞ!?僕の涙のな!!!
見えない涙を拭う僕は、窓の外を眺める。
交友関係…広めなきゃなぁ…本当に最近は悩みが尽きてくれない。
その日の授業は、とくに何の変わりもなく、強いて言うなら少しばかりのテスト対策をしてくれと教授されたくらいだ。
本当に、なにも、なく!終わった。
あれ〜?おかしいぞ…高校生活で波乱万丈な青春を謳歌して悔いの残らない様と意気揚々とこの学校の門を潜り抜けたはずが、部活には入れず、交友関係もいまいち広がらない…突っかかってばっかだ。
もう少し、上手くやれると思ったんだが、どうや
それは僕が自身を評価しすぎていた様だ。
「はぁ…」
ため息をついて、僕が教室を出ようとした時、ふとこそこそと話し声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けてみると、女の子三人が僕を見ながら何かを相談している様だった。
微妙に距離が離れてる為、会話がうっすらとしか聞こえない、一体なんなんだ?ふむ、こういう時はやはり直接聞くに限るでしょ!まどろっこしいのは好きじゃないんでね!
僕はその三人に近づき、いつもの笑顔を披露する。
「僕に、何か用かな?」
「「「天使…」」」
…こう言う反応久々に見たけど…うん、無性に背中が痒い…直接言われるとやっぱり凄く恥ずかしい。
すると、ボーッと僕を眺めてた三人は意識を取り戻す様に髪の毛をささっとでで整えて、向き合う。
「その…灰原くん、私、久遠 佐月って言うんだけど」
「久遠さんね」
「それで、こっちの二人が」
「篠草 灯だよ!」
「相葉 桃香ね〜よろ」
「篠草さんに相葉さんね。うん覚えた」
紹介された三人の特徴を掻い摘んで説明すれば、久遠さんはゆるふわウェーブの髪の毛を靡かせた少し清楚ギャルっぽさのある子。
篠草さんはいかにも元気っ子って感じの子で、ショートの髪の毛をふんわりとさせていて、まるでシフォンケーキの様…な、なんか美味しそう。
そして相葉さんは、いかにもギャル!ピンクに染めた髪の毛をツインテールにまとめ上げ、目の下にはハートマークを強調したもようが浮かんでいる。
胸も大きくあけていて…そのとても視線の行き場に困る人だ。
思ったが、あべこべ世界なんだからギャルの容姿も変わっていてもおかしくないと思ったのだが、どうやらチャラ男とギャルの潜りはそう変わらない様だ。
さて、彼女らの自己紹介も終わった所でーー
「それで、僕に何か用があるんだよね?」
「う、うん」
久遠さんが返事をすると、何故か後ろの二人までもが何処か緊張した面持ちでこちらを見る。
一体これから僕は何を言われるだ…?変なお願いじゃなければいいんだけど…ん?でもこれは、交友関係を広めるチャンスなんじゃないのか?僕が彼女らの要件を飲めば問答無用で彼女らとの関係性は生まれる…そうだ、ここしかない!
さぁ言うんだ!即答してやる!
そして、久遠さんが言う。
「合コンに参加してくれないかな!?」
「はい喜んで!」
ん?今なんて?
読んでくださりありがとうございます!
やはり感想を貰えるとモチベって上がるなぁと改めて最近思いました!本当にいつも感想を書いてくださる方々!ありがとうございます!




