表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あべこべ転生!?~あべこべ世界での僕は新しい出会いに飢えている~  作者: あだち りる
第三章「未来ある小説家に出会いを求めて」
33/43

30「氷室さんがスランプ」

さらっと投稿再開。

side八重垣 椿


「時雨くん」


そっと、一枚の写真に触れた。

笑顔な君と、俯いているボク…この写真に触れていると、今にも思い出す。


幸せで、ただただ楽しい夢の毎日を。

キラキラと輝いてたあの日々は、ボクにとってなによりも掛け替えのない思い出だ。


あの日、あの時もし時雨くんに出会ってなかったら、ボクの人生は薄暗い暗闇へと変わっていたはずだ。

言うなれば彼は恩人なのだ、恩人であり、ボクの初恋の相手…ねぇ時雨くん…君は本当にボクの事を忘れてしまったのかな?


「答えてよっ…!時雨くん…!」


写真の前で蹲り、懇願する椿の姿はただ儚げだった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

side灰原 時雨


月曜日の放課後、文芸部にて。


「ん〜…」


「……」


「ん〜…!」


「……」


「ん〜!!」


「…はいばr」


「だああ!!」


「はひっ!?」


「おっと、ごめん氷室さん突然大きな声出して」


「シ、シンゾウトビデルカトオモッタ…!」


「ご、ごめんね?」


ついイライラに任せて大きな声を…氷室さんには申し訳ない事をしたな。


「何か…あったの?」


「いや別に…それよりか、小説の方は進んだ?」


話を逸らしたいが為に氷室さんの小説を盾にしてしまった。

信者としてあるまじき行為、だけれど不思議とこの事には触れて欲しくないと思った。


「そ、その事なんですが!!」


「はぃ!?」


突然氷室さんが僕の前に迫ってくる。

何ですか?ガチ恋距離過ぎるんですが?は?なにこれ?可愛過ぎるんですけど、もはや直視することも難しいんですけど。


たじたじになっている僕を見てか、それともこの世界特有の男性に対しての意識が性の方へ向いてしまったのか、どちらかはわからないが氷室さんは慌てて姿勢を正し、ちょこんと座る。


「その、ね?今少し小説で息詰まってる所があって」


「ほう、つまりそれはスランプと?」


「まぁはい…」


スランプかぁ…ん〜僕は経験した事がないから適当な事は言えないしな、どうした物か…協力するって言ったのは僕だしなぁ…何より氷室さんの小説をいち早く完成させて読みたい!


「ちなみに何処で悩んでるのかな?僕に出来ることだったら何でもするよ!」


そう問いかけると、氷室さんは何故か顔をぼっと赤くして顔を背ける。


「そ、そのぉ…き、き…」


「き?」


「キスシーン…です」


なーるほど…この世界の女の子達には確かに難題と言って良いかも知れない、この男が極端に少ない世界でキスと言う行為を経験したことない女の子と言うのはかなり多いはず、ならば氷室さんが手こずるのも無理はない…ないんだけど…僕今さっき何て言った?


そっと氷室さんを見てみる。


「な、なんでも…なんでも…」


小さくそう呟いてるのが聞こえてきた。

そうでしたね、あべこべ世界ですもんね。


これはいわゆる、ん?今何でもって言った?って奴ですね。


ふぅ……どうしよ。

いやどうしよじゃないな、一度言ってしまった事だ、責任はとる。


「あの、氷室さん」


「はひっ!」


おおっと、かなり緊張されてる模様…まぁ僕もなんですけど、悟られない様にしなければ、平静を保て、氷室さんを不安にさせちゃいけない。


「実践してようか」


「へ!?」


「キスシーンを実践してみよう!」


「は、はい!!!」


もはや勢いで押し切り、なんとか了承を得たぞ…あべこべ世界でなきゃただのセクハラだよこれ。

さぁもう後には引けないぞ、男になるんだ灰原時雨!


「そ、それじゃ」


そっと、氷室さんの肩に両手を置く、その瞬間びくん!と氷室さんの体が震え、緊張がこちらにまで伝わり不安を煽ってくる。


ふと氷室さんの瞳を見つめると、ゆっくりとその蒼い瞳を閉じる…その顔に僕の理性は既に保つのも危うい状態となっていた。


高鳴る鼓動、激しく揺れるお互いの心臓、ドクン!ドクン!と脈打ってるのがわかる。

体が段々と火照って行き、顔が赤くなる。

雪の様に白い頬に僕の手は触れ、彼女の唇を見つめた。


ほんのりと赤くなっている、その薄い柔らかそうな唇、聞こえてくる吐息…あぁもうダメだ…限界ーー


「はいッ!!終わり!!!」


「え!?」


「どう!?何か掴めたかな!?」


「えっと…な、なんか書けそうな気がします」


「そ、そっか、それなら良かった!」


あっぶね〜!!何やってるんだ僕、雰囲気に流されて本当にキスする所だったよ、完全に理性ぶっ飛んでた…なんとか抑えられて良かった。


その後、氷室さんはバリバリ小説を書き進めて行き最後に僕に笑顔でお礼を言って帰宅して行った。


「本当に、あの笑顔を守られて良かったよ」


帰り際、苦い笑みを浮かべた僕は拳を天に掲げて勝利を記したのだった。


三十路童貞の皆さん、Jkの唇の魅力と言うのは、恐ろしい物ですから、皆さんも気をつけてください。

皆様、お久しぶりです!作者です。

本当にひっさしぶりの投稿となります。

最近は休む暇のない毎日を過ごしておりますが、令和になっても小説投稿をやめる気はございません、これからもよろしくお願いいたします。


関係ないのですが久々に更新されてるかな?と思って見に行ったあべこべ小説があるのですが、消去されていました…悲しすぎる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ