27「どうなるのこれ?」
お久しぶりです、作者です。
今回はヤンデレボクっ子語尾がかなかな系女子ちゃんが出ます、やっとです。
やっとこんなに出せたのに…名前まだです。
…oh
頭がふわふわする。
ここはどこだろうか?
周りを眺めてみると、そこは公園だった。
何処か見覚えのある、普通の、なんの変哲も無い公園。
滑り台や砂場、シーソーなど、公園になら必ずと言っていい程ある遊び場、ふとブランコの方へ目を向けると、そこには二人の子供が居た。
一人は男の子だ。
真っ白い髪に、青い瞳、その顔は幼いながらも美しく、綺麗だった。
あれは…僕か?
そして、もう一人は女の子だ。
黒い髪の毛を肩まで伸ばしている。
顔は、なぜかもやがかかっている様に見えない。
なんか体がムカムカする…この感じはなんだ…?
何処かであの子を見た気がする。
すると、その女の子は幼い僕の腕を掴んだ。
「ね、ねぇ時雨くん…」
「なーに?ーーーちゃん!」
幼い僕が返事をすると、何故かその女の子の名前が呼ばれているだろうと思われる所だけ聞こえなかった。
うっ…頭が痛い。
「時雨くん…そのね…わ、私達が大人になったらその…」
「ん?」
頭が痛い…。
「大人になったら、私と結婚して!!」
「いいよ!じゃあ僕とーーーちゃんの二人の約束だね!」
約束…?
約束…女の子…君はーー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
「ん…?」
ガンガンとする頭が、重く閉じていた瞼を開かせる。
その瞬間、僕の目の前に、人形があった。
いや、この場合だとあったと言うのは違う、正しくは、居た、と言うのが正しい。
何故ならそこに居たのは、人形の様に美しい女の子だったからだ。
その黒い瞳が僕の目を逃してはくれない。
離れられない、ずっと見ていたくなる様な瞳…その時だった。
その美しい少女は、ニンマリと笑った。
先程までの美しさが遠のく様に、その不気味な笑みは真っ黒く何処までも伸びている髪の毛が更にその不気味さを煽る。
「し〜ぐ〜れ〜く〜ん♡」
ぞくっとした。
その声に、甘くとろけそうな声に。
「時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん好き好き好き時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き大好き大好き大好き大好き大好き時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨くん時雨く〜ん♡」
何度僕の名前を呼ばれたろうか、何度好きと言われたろうか、そんなの数える暇などなかった。
何故なら僕は、その少女の狂気の渦へと吸い込まれていたからだ。
口を開く勇気が僕にはなかった。
ただ震えたのだ、彼女のその狂気に、彼女のその美しさに。
「時雨くん、やっと会えたのかな…ボクの時雨くん…」
やっと…?
「時雨くん、どうしたのかな?何でなにも言ってくれないのかな?ほら、ここにボクはいるよ?君の大好きなボクがいま居るんだよ?昔みたいにボクの事を呼んでくれないかな?」
そこで、やっと僕の意識が戻ってきた。
えっと、落ち着け僕、今この状況を冷静に整理しろ。
大丈夫だ、お前は出来る子だ。
まず、母さんとデパートへ、そしてスマホを入手した僕はトイレに行っている母さんを待つ為休憩、そこに笛口さん登場、笛口さんとなんやかんやあって別れた後…あれ?別れた後どうしたんだっけ!?
ヤバイ…覚えてないぞ?
て言うかここもどこ何だろ…まぁ間違いなくこの子の部屋ではあるのだが…ん?てかおい!なんですかこれ!?なんで、手足手錠で縛られてるんですかねぇ!?
もしやこれはあれか…?
ラノベとかに良くあるヤンデレ系ヒロインに捕まって監禁状態的な?リアルでもあるんですね。
とりあえずここは交渉を試みるとしよう。
「えっと…それよりこの手錠解いてもらえないかな?話はそれからーー」
「なんでかな?」
「え?」
「なんで名前を呼んでくれないのかな?」
あ、なんか嫌な予感がする。
「どうしてかな?どうして?かな?かな?ねぇ時雨くん、昔みたいに何で…?なん…で…?
「えっとそれは〜」
何か言い訳をと口を動かしたその時だった。
少女が四つん這いになりながらこちらに近づき、ピトっと体を密着させる。
…えっとなんでしょうかこれ?
と言うかこの子すごく柔らかいなぁ…女の子の体ってなんかぷにぷにしてるしそれにいい匂いもする。
うむ、悪くない気分である、もっと続けたまえ。
「こ、こうすればボクの事もきっと思い出すかな!
昔はこうやって時雨くんと抱き合っていたのかな!」
とは言われても、思い出せないものは思い出せない。
なんかうすぼんやりとだが、確かにこの子には見覚えがある気がしする…何処かでーー
ーーペロリ
「っ!?」
突然、頰に生ぬるい感触が。
横をゆっくりとみると、少女はその美しい顔とは裏腹に、とても艶かしい表情をしていた。
「時雨くんの味なのかな」
頰を染めて舌舐めずりをした少女の姿にゾクっとした。
これはヤバイ、僕今日ここで童貞を卒業出来る予感がする。
不思議と頭の中がポワポワとした。
熱い…下ら辺がムズムズするのを感じた。
こんな状況で勃つって…僕って変態なのな。
けれど、今まで枯れていたと思われていた一部が機能してくれて、一つの安堵はあった。
そんな事で安心している場合ではないのはわかっている。
けれど、こんな状況にムラムラしないと言う方が無理な話なのだ。
良く見れば、少女はゆるゆるなTシャツ一枚に猫柄のパンツと言う軽装状態なのだ。
そんな中、ちらちらと見え隠れする乳房、サイズはCくらいだろうか?とても綺麗な形をしている。
そしてそんな胸が密着しているせいで、その感触が直に伝わってくる。
こんなの理性保てる訳ないじゃないですか、相手めちゃくちゃ美少女ですし。
すると、少女は両手で僕の頰を掴み、とろんとさせた黒い瞳で僕を見つめる。
「時雨くん…もっと、もっと時雨くんを味わわせて?」
召し上がれ。
もはや頭が正常に働かない。
さて、間も無く始まる…童貞科三十年、高坂拓斗、元い、灰原時雨…童貞卒業式入場ーー
ーガチャン!ー
「ただいま〜」
「「っ!?」」
下から聞こえたその声にやっと意識を取り戻すことが出来た。
危ねぇ…さっきまで訳わかんない事考えてた気がする。
そんなことより今の声下から聞こえたよな?
もしかしてこのヤンデレっ子の家族とかかな?
なら、チャンスはここしかない!
僕は大きく息を吸う。
「たすっ!んむ!?」
その瞬間、口を塞がれた。
でっすよね〜。
「どうしたらいいのかな!?どうしたら…あ!」
すると、ヤンデレっ子が突然その場で「!!?!?」パンツを脱ぎ出した。
余りに驚きに僕はその光景に釘付けになる。
そして脱ぎ終えるとなんとそのパンツを僕の口の中に突っ込んだ。
「んん!?」
「こ、これで声は大丈夫かな…時雨くん、とりあえずクローゼットの中に居てもらうかな、大丈夫すぐにまた会えるから」
そういうと、僕をクローゼットの中へ押し込み、扉を閉める前に、最後に僕に言った。
「愛しているのかな、時雨くん」
ーパタンー
僕どうなるのこれ?
読んでくださりありがとうございます!
また次回もよろしくお願いします!




