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召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~  作者: さとう
第九章

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決戦間近①/女子の想い

 アースガルズ王国、全国民に『魔帝進撃』のニュースが伝えられた。

 同時に、アースガルズ王国軍、ピースメーカー部隊、S級召喚師たちの出陣が報じられる。

 魔帝が宣告した日まで残り二十日。国民は、王国から脱する者と国に残り魔帝に勝つと信じる者に分かれ、城下町の喧騒は半分以下になる。

 だが、それでも商売をする者や、日常を過ごす者はいた。

 残り二十日。召喚学園の生徒たちも、戦争へ向けて準備をしていた。

 A級召喚士の大半は軍に配属。B級は王国内の警備、C級以下は学園の警護を任務とした。

 若い召喚士たちも、決意を固めていた。

 そして、S級たちは……学生寮で、話し合いをしていた。


「確認します」


 談話室にボードを持ち込み、メルが教鞭で叩く。

 ボードには、作戦資料が貼られていた。


「わたしたちは完全独立部隊。狙いはニュクス・アースガルズ本体。いい? わたしたちは、アルフェンをニュクスの元へ運ぶ。道中の敵は全て、わたしたちが倒します」

「雑魚どもは雑魚どもに任せるってわけか」


 ウィルが煙草を吸いながら言うと、メルが頷いた。


「ええ。恐らく、魔帝へ向かう道は決して楽じゃない。魔人も『強欲』が残っているし」

「大丈夫! アタシたちだって強くなったし……」

「だな。撃ち殺してやる」


 アネルとウィルが力強く頷いた。

 サフィーとフェニアも互いに頷く。


「あたしたちは、みんなを運ぶ役目ね」

「はい! 絶対に送り届けてみせます!」


 全員、気合が入っている。

 そして、レイヴィニアとニスロクも。


「うちもいくぞ。うちの『能力』なら、召喚獣の匂いである程度の考えが読める……『過去臭』の応用だ」

「ぼ、ぼくも。もしかしたら、魔帝さまの召喚獣、ある程度なら操れるかもぉ」


 元・魔人の二人も戦う気満々だ。

 そして、アルフェン。アルフェンは右手を見つめ、言う。


「ニュクス・アースガルズ。奴は強い。なんというか……全てが俺の正反対みたいなやつだ」


 王と女王。黒と白。赤と青。男と女。右手と左手。

 不思議な因縁だった。だから、アルフェンが戦わなければならない。

 アルフェンは、右手を強く握りしめる。


「みんな。これがきっと最後の戦いだ。全部終わらせて……学園生活を取り戻すぞ!!」


 アルフェンの気合に、全員が頷いた。

 アースガルズ召喚学園。S級召喚士たち。

 アルフェンの『ジャガーノート』、ウィルの『ヘッズマン』、フェニアの『グリフォン』、サフィーの『マルコシアス』、アネルの『カドゥーケウス』、レイヴィニアとニスロク、メルの『ゲート・オブ・イゾルデ』……それぞれの召喚獣を信じ、戦うだけだ。


「S級、いくぞ!」

「へっ……まだ二十日前だっての」

「いいじゃん。気合入るし。ね、サフィー!」

「フェニアの言う通りです。私、頑張ります!」

「だってさ、ウィル。まぁいいじゃん?」

「チッ……」

「ニスロク。やるぞ……いざという時は」

「うん。ぼく、戦う」

「……ふふ、みんな気合入ってるわね。よーし!!」


 メルは手をパンパン叩く。

 そして、ポケットから財布を出し、テーブルに叩きつけた。


「今日は前祝い!! わたしのおごりよ。アルフェン、ウィル、食材を大量に買って来なさい!!」

「よっしゃ! 行くぞウィル!」

「命令すんな。フン、その財布、空っぽにしてやるよ……!!」

「はいはい! うちも行くぞ! お菓子かってー!」

「ぼくもぉ~」


 メルの財布を掴み、アルフェンとウィルは出ていった。その後ろをレイヴィニアとニスロクが追いかけ、残されたのは女子四人だけ。

 メルはこうなるのがわかっていたのか、ソファに座った。


「じゃ、わたしたちも話しましょっか。これからの未来について」


 ◇◇◇◇◇◇


 メルは、何の前触れもなく言った。


「わたしはこの国の女王になる。結婚はせず、将来は養子を迎えて次期国王にするつもり……というのは建前。表向きは養子という扱いだけど、わたしはアルフェンと子供を作るわ」

「「えっ!?」」

「わ、わーお……そこまで考えてるのね。すっごぉ」


 アネルは顔を赤くしていた。

 フェニアとサフィーはよくわかっていない。


「お父様とお兄様は目の前の国難しか見てないけど、わたしはニュクス・アースガルズを倒した先のことも考えてるわ。おかげで、裏工作がやりたい放題。わたしの派閥勢力は拡大、お兄様を『王』に押す派閥を大きく超えた勢力になりつつある。順当にいけば、わたしは二十歳で女王になる。だから、十八歳でアルフェンと子供を作って二年間は子育て、二十歳で女王になって、表向きは養子という立場で子を迎えるわ。子供が成人したら真実を話すつもり」

「ぐ、具体的! そこまで……」

「「……」」

「フェニア、サフィー。あなたたちの気持ちを聞かせて。二人とも、アルフェンを愛しているでしょう?」


 メルのストレートな質問に吹っ切れたのか、フェニアが言う。


「そうね。あたしは愛してる……子供のころから、アルフェンのお嫁さんになりたかった」

「わ、わたしもです。ずっと一緒にいて、大人になっても一緒にいたい人。わたし……アルフェンの、イザヴェルに行きたいです」

「なら決まりね。サフィー、あなたが正妻。フェニアは側室……形だけだけど、これが最もベストな形。フェニア、第二婦人でもいい?」

「「え」」

「……何を驚いているの? アルフェンは貴族、しかも男爵よ? 側室を置くなんて当たり前じゃない」


 フェニアとサフィーは顔を見合わせた。


「あ、あたしはその、愛してくれればいいけど……」

「わ、私も。それに、フェニアと一緒なら嬉しいです」

「じゃ、決まりね。戦いが終わったら猛アタックするわよ。アルフェン、鈍そうだしね。身体を使って誘惑する方法も考えるわ。二人とも、覚悟しなさい」

「「え、ええええええっ!?」」


 二人とも真っ赤になってしまった。

 アネルは苦笑していた。だが。


「アネル。あなたもイザヴェルでデザイナーの勉強をするのでしょう? ウィルも羊飼いの仕事を見つけたようだしね。何があるかわからないから、ちゃんとウィルを落としておきなさい」

「おお、落とすって……えええ!?」


 女子たちの会話は、アルフェンたちが戻るまで続いた。

 真っ赤な顔で出迎えるフェニアたちに、アルフェンたちは首を傾げるのだった。

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