91 ――これから起きる、崩壊の……。
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――鉄の国サカマル帝国side――
――我々は悪くない。
そう、魔物討伐隊と冒険者は確かに他の国よりも強い部隊であったのは事実。
彼らが居れば金鉱山等、最早我ら鉄の国サカマル帝国のモノだった。
それなのにだ。
魔物風情が【今行けば死ぬだけじゃぞ】等と脅して士気を下げた。
何て迷惑な魔物だろうか。
報告書を読みながら魔物風情が何故人語を話して参加しているのだと思ったら、次の報告書に宝石の国ダイヤ王国を庇護するレジェンドモンスターだと言うではないか。
レジェンドモンスターは一匹いるだけで国を崩壊させるには十分な力を持つモンスターだ。
それが二匹も宝石の国ダイヤ王国を庇護しているのだという。
なんと生意気であろうか。
我が鉄の国サカマル帝国に寄こすべきである!!
そうは思っても結局は獣風情、我ら部隊が束になれば勝てる相手だろう。そう思っていた。
それもあり、金鉱山を先に我が国のモノにする為に奪って来いと命令した。
その判断が――後に過ちだったと気づくには、遅すぎたのである。
何故なら、近くにあったダンジョンからドラゴン系が湧き出てあっと言う間に我が国の精鋭部隊である魔物討伐隊及び冒険者の3分の2が死に絶えた。
生き残った者達も余りの恐怖で武器を持つ事を捨てた。
一気に戦力が無くなってしまったが、そんな我が国をあざ笑うように助けたのがダイヤ王国の者達とノシュマン王国の者達、そしてレジェンドモンスターだと聞いた時は腸が煮えくり返りそうだった。
我が鉄の国サカマル帝国をあざ笑う等言語道断!!
全てが許し難し!!
我が国が負った責はそちらにある!!
責任を取るべきだ!
まずは宝石の国ダイヤ王国にそう伝えたが、聞き入れてはくれなかった。
そこで、甚大な被害が出たのだからレジェンドモンスターとその主だと言う娘を寄こせと伝えると、それすら「そんな真似をすればそちらの国がレジェンドモンスターに滅ぼされるがいいのか?」等と脅しをかけてきおった!!
ゆ、許せん!!
鉱石の国ノシュマン王国にも被害を受けた事による賠償金を求めたが、全く相手にされなかった。
我が鉄の国サカマル帝国をあざ笑う等許されるべき事ではない!!
いっそ戦争を仕掛けるか……。
そう思ったが、先ずは外貨を稼いでからだ。
低品質でも奴らはヘコヘコしながら買ってくれるからな!!
そう思っていたのに――我の耳に入ってきたのは、二つの国のギルドマスターが話合いの末、我が国と断交すると言い出したのだ。
「断交!? 断交だと!?」
そう震えて虫の息の帝王を前にいら立ちを隠せず茶器を割った。
帝王を虫の息にさせて我らがこの国を乗っ取ろうとしているのに、まさかの邪魔が入ったのだ!!
これでは外貨も稼げない!!
それどころか穀物も何もかもが入らなくなるのだ!!
まぁ、ため込んでいる備蓄は多少なりとある。直ぐに断交等なくなるだろう。
そう思っていたが一か月しても二か月しても断交は解除にならなかった。
そんな折――。
「現在、各国家から断交されているようですね」
この国の帝王の唯一の肉親であり妹君である姫君がそう口にした。
一応帝王の妹と言う事で腰を低くはしているが、全く以って女が生まれると碌でもない。
内心舌打ちしながら我は「これは他国からの外交と言う名の戦争だ」と口にした。
しかし――。
「元シャース王国の金鉱山。あの時、レジェンドモンスターは我が国の行動に難色を示していたと聞いております。それでも決行させたのはそなた……この責はどう取るつもりだ?」
「私が責を取るなどあり得ませぬ!! 全ては帝王様の為」
「意識もない帝王の為か……笑わせる」
そう言うと酒の入っていた盃を投げつけられた。
余りの出来事に呆然としてると、姫君はスッと立って侍女達を連れて部屋を出て行った。
クソアマ……帝王の妹でなければ殺している!!
ギリギリと歯を食いしばり怒りを抑え、他の者達と今後の事を話し合う事になった。
先ずは此方に碌な戦力が残っていない為、暫くは静観する事。
偵察部隊をダイヤ王国のレジェンドモンスターの主の元とレジェンドモンスター達の見張りをさせることで無駄に動かない事にしたのだ。
無論、その間もダイヤ王国にレジェンドモンスターとその主を我が国にこそ寄こせと言う通達はし続けるが。
それから一か月後――更に二匹のレジェンドモンスターが増えたと密偵から連絡を受けた。
一体どうなっているのだ!?
早々レジェンドモンスターと契約等出来る筈ないのに!!
そう思ったが、本当に文面には更に一匹のスライムのレジェンドが追加になり、尚且つホワイトタイガーのレジェンドが追加になっていた事が記されていた。
信じられず帝王の玉座に座り、報告書を読んだ。
かの国は――宝石の国ダイヤ王国は帝国にこそ手渡すべきレジェンドモンスターを更に増やし、その主を寄こさぬつもりか!!
許さん、許される事ではない!!
他の国の優れた物は我が国のモノである!!
人材も、商売も、何もかもが我が国にあって然るべきなのに、おのれおのれおのれ!!
「しかし、我らに出来る事は今はまだ静観のみ……金鉱山を奴等が邪魔な魔物を倒した暁には、金鉱山は我が鉄の国サカマル帝国の所有物である!!」
そう声を高らかに口にすると、他の者達も「その通りで御座います」と平伏して口にした。
それから暫くして静観していた我が国を周辺の国は苦しめながら討伐は進んでいく。
国民がチラホラと逃げて行っているのは聞き及んでいたが、弱い民が逃げるのは致し方ない事だ。
放って置けばまた戻ってくるだろう。
我が国は素晴らしいからな!!
だが、何処が素晴らしいかと聞かれても答えられぬ。何故だろうか。
まぁいい、金鉱山さえ手に入れば後は何とでもなる。そう、なんとでも。
それから数週間後――奴らめ、鉱山の中の魔物を全て倒しおった。
我が鉄の国サカマル帝国の為に働いている等思っても居なかっただろうが、後で礼を言えば尻尾を振って喜ぶに違いない。
そうに決まっている。
レジェンドモンスターが我が国を襲うなどあり得る筈ないのだ。
その様な真似をしても、そのような真似をしても……なんなのだろうか?
まぁいい。金さえ手になる金鉱山を手に入れてしまえばこちらのモノだ。
金目のものは全て鉄の国サカマル帝国のモノなのだ!!
全く、毒で寝たきりの帝王は呑気で良いものだな。
口答えする帝王等この国には要らぬのだよ。
何が男尊女卑を撤廃するだ。
それこそが我が国の、我が国たる証であろうが。
そんな事を言うから毒で苦しむことになったのだ。
全く、愚かな帝王が生まれると困ったものだな。
家臣である我々が苦労する。
まぁいい、これで金鉱山は我らのモノだ。
「総出で金鉱山を我が鉄の国サカマル帝国のモノにせよ! 元シャース王国は我が国のものぞ!! 好きに奪略し、何もかもを我が国のものにせよ!」
そう命令を出して行かせた兵士たちは――誰一人として戻ってくることは無かった。
魔物にやられたと言う話は聞いておらぬ。
はて?
一体どうなっておる?
更に偵察に行った者達も戻っては来ぬ。
もうモンスターはおらぬのだろう?
何故一人も帰ってこぬのだ?
はて? はて? はて?
そう思いながら半年が過ぎた頃であった――城に姫君が居ないことに気づいたのは。
だが、女一人居なくなることなど、どうでも良かった。
他国では勝利ムード一色ゆえ、出来た隙に手に入れる筈の千載一遇のチャンスだったのに、それさえも出来ず終いには我が国にある知らせが届く。
【元シャース王国の賢き第二王子が、祖国に戻り国を建て直すと宣言! それを宝石の国ダイヤ王国と鉱石の国ノシュマン王国は全面的に支援すると明らかにした!】
あり得ぬ。
あっては成らぬ。
金鉱山は、金鉱山は、あの土地は――!!
そう思ったのが、我の最後であった。
気が付けば瓦礫の山の下敷きであった。
身体はあらぬ方向に曲がり、息をしているのがやっとである。
国民は悲鳴を上げて逃げ回り、座って怯えている者達も多いようだ。
何が起きた?
何を間違えた?
帝王は死んだか?
妹君は死んだであろうか?
城が壊されたのだ。
死んだに決まっている。
ふむ、死ねばどこに行くのだったか……。
ああそうだ。
あの最後の女帝に裁判されるのだったな。
我は沢山この国の為に尽くしたのだから、あの女帝も喜ぶだろう。
だから、だから……。
「潔く死なせてはくれぬか?」
そう口にしたのが最後、鬼のような巨大な女の手が伸びて来て、我の身体は奈落に落とされた――。
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