78 製薬ギルマスからもモシモに備えたアイテムをと言われる程の【彫刻師】だけど。
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「すみません、任せてしまって」
「いえいえ、一緒に作りましょう?」
「はい!」
「おっと、アタシも料理スキルは高いのさ。料理手伝うよ」
「ありがとう御座います!」
こうして三人で簡単麻婆豆腐丼を作って食べる事となった。
無論スギとラフィ用に甘い麻婆豆腐も作ったのは言うまでもなく、シッカリご飯を食べた後は洗い物をして、男性陣が温泉に行っている間女性陣で盛り上がる事になった。
「なるほどねぇ。確かに黒髪が多いと思ったけど鉄の国サカマル帝国から来た家族だったのかい」
「そう、私とエンジュさんやセンジュは従兄弟なの」
「って事はあの二人もかい? 見た目は親父さんに似ちまったんだねぇ」
「私一人違うけどね」
「ああ、でも間違われるのは仕方ないさ。黒髪に黒い瞳。生粋の鉄の国サカマル帝国の人間だと思われてるだろうねぇ。だがユリに関してはそれが一番のような気がするよ」
「それにしても男尊女卑が強い国とは思わなかったわ」
「お国柄さね。女は子を産む道具としか見てない輩も多いし、そう言うのが嫌だと言う女性は多いけど声に出せないんだよねぇ」
「国のトップが変われば変わるのかしら?」
「長年の風習ってのは中々消えないものさ。それこそ周辺国からも声を上げて貰わないと変わらないだろうねぇ」
と、男尊女卑の考えが根深い鉄の国サカマル帝国について愚痴を零す私達三人。
この国では滅多に聞かない言葉だけど、やっぱりいい気はしない。
「この国に来て一番驚いたのは、レディーファースト精神って奴だね。アタシが到着した途端商業ギルドのギルマスなんて直ぐに高価なアイテムで回復を優先してくれたし、ユリが来るのを必死に待ってたよ」
「ああ、レイルさんはレディーファーストの考え強そうですもんね。優しいし」
「優しいと言えばこの家の男性陣もだろう? エンジュはアンタにぞっこんで優しいし、センジュだってかなりアタシに優しいよ。弟のドマに至っては姉様姉様って慕ってるし」
「あはは」
「でも、初めて会った頃から比べるとドマも丸くなったよね。私にはツンケンしてたのに」
「この家に居れば皆性格がきっと丸くなるのよ」
そう言ってタキちゃんを撫でていると、温泉から上がってきた男性陣が現れ、冷たい麦茶を飲みながら過ごすようなので交代で私達も温泉へと向かう。
明日にはここも変わるけれど、下駄をミモザ用にも用意して温泉まで向かい、籠を借りて着物を脱いで身体を洗い温泉に浸かる。
「いいねぇ。箱庭だけど桜や紅葉を見ながら月見風呂かい? 風流だねぇ」
「生理がある時は家のお風呂だけどね」
「あはは、そりゃ仕方ない」
「疲れが取れるよねぇ」
「今日も一日頑張ったって言う終わりを感じるわ」
「鉄の国サカマル帝国からこっちに来るまで生活魔法で身体は洗ってたけど、やっぱ風呂が一番だよ」
「腕生えて良かったですね」
「あはは、タキは凄い魔物なんだねぇ」
「オジイチャンモ スゴイヨ!」
「お爺ちゃん?」
「もう一匹本当は居るんですが、ダイヤ王国の魔物討伐隊に着いて行ってダンジョン撃破に参加してるんです」
「へ~」
「そろそろ一旦戻ってくると良いですけど」
私だってそろそろ従魔であるお爺ちゃんに会いたい。
ふう……と溜息を吐いていると、お爺ちゃんから念話が届いた。
『なんじゃ、ワシに会いたいか?』
『お爺ちゃん! 怪我はない? 無理してない?』
『ふぁっふぁっふぁ! こっちは無理なく進んでおるよ。先ほど大規模ダンジョンを一つ潰した所で、今はキャンプで仮眠中じゃ』
『そっか、お疲れ様お爺ちゃん』
『タキの分裂組もいい戦いをしておって、回復や結界、治療魔法などで負傷者は大分楽なようじゃ。ここらで一旦戻って中間報告と言った所じゃのう。死傷者は今の所でておらんよ』
『良かった……』
『一緒に戦闘をしておる鉱石の国ノシュマン王国の冒険者や魔物討伐隊からも感謝されておるわい。まだまだ増えたダンジョンを潰す作業じゃが、半分は終わったかのう』
『半分も!』
『そこで一旦身体を休める為にも戻る予定じゃ。ケーキを山のように食うぞ? ふぁっふぁっふぁ! ユリも無理せずゆっくり休むんじゃぞ』
そう言うと念話が切れ、ホッと安堵するとお爺ちゃんも怪我無く済んでよかったと安堵した。
全体的に生えて来たダンジョン半分が潰せたのなら、後もう少し。
中規模ダンジョンと大規模ダンジョンはそれぞれ少し残すだろうけど、もう少しなんだなぁと思いながら風呂から上がり、着替えを済ませて箱庭から出ると、スギがそろそろお眠な様で「箱庭ありがとうね」と言うとスキルを消して「おやすみなさい」と言って部屋に戻って行った。
私達もゆっくり眠って明日に備えよう。
そう思い皆挨拶してから部屋に戻って眠った翌日、朝のミューティングが終わってから直ぐに付与のついたお守りを発動させてから私とドマは製薬ギルドにやって来た。
サヤ様は「待っていたよ」と言うと応接室に案内してもらいアイテムを手渡す。
「うむ、中々良い品だ。ここ最近レジェンドホムラ様が付いて行ってから怪我人も殆ど出ていない。とはいえ、備蓄はしておいて損はない。今後数は少なくていいから、週1出来る限りで頼むよ。アンタも忙しい身だろう?」
「そうですね」
「それに、ガーネットでポーションを売り出したとかでこっちも助かってるんだよ。一般市民もガーネットで買ってるって話だしねぇ」
「初級ポーションでスキル上げをしてる子がいるので、そろそろ中級ポーションに切り替わる所です」
「うんうん、良く育てている。後はガーネット二号店で色々やってるんだろう? 彫刻師だっけ?」
「よくご存じですね」
思わず目を見開いて驚くと、声を上げて笑うサヤお婆ちゃんは「ギルマスは耳が早いのさ」と笑いドカリと椅子に座り成なおした。
「彫刻師は長年に渡って迫害されてきたと言ってもいいスキルだ。そこに焦点を当てるとは、中々面白いねぇと思ってね」
「ただ、どうして彫刻師が少ないのかも良く分かりました」
「だろねぇ。育っちまえばそりゃ~強いスキルさね。ただ、ロストした際の自分の体までロストしちまうっていうのを怖がって出来ない輩も多いのさ」
「なるほど」
「子供で彫刻師が生まれた場合、テリサバース教会に行ってスキルを封印する。これが今では当たり前だからねぇ」
「なんだか納得いかないです」
「まぁ、アンタのお陰で変わって来るかもしれない。頑張りな」
「はい」
「それと、もしもに備えて【破損部位修復ポーション】を置いておくんだよ?」
「はい!」
こうしてこれからは週に1回数は少なくてもいいと言う事で馬車に乗って二号店に戻ると、二階の応接室にてワイワイ盛り上がりつつ出来たお父様達とホスティーさんやノルディスさんが出て来た。
どうやら商談は纏まったようだ。
「では、これから量産体制に入りますので」
「箱と万年筆はホスティーの所に納品だな」
「分かりました」
「ドンドン売りますからね! ビックリしますよ!」
いい商談になったようだ。
ホッとしながら開発室に入ると、ラフィが「お姉ちゃんスキル5になったよ!」と嬉しそうに言っていて「おめでとう!! じゃあ中級ポーションだね!」と口にすると嬉しそうに中級ポーションを作り始めた。
失敗はやはり多い為ラフィの周りには結界が張られているけれど、大理石がだいぶ減っていたので追加で生成し、私も上級ポーションと破損部位修復ポーションを店用に用意して置く。
「もしも」があると怖いからだ。
「ソウイエバ コンシュウ オジイチャン イッタンカエテクルヨ」
「本当!?」
「お爺ちゃん?」
「私の従魔なの、今魔物討伐隊と一緒にダンジョンを潰している所なのよ」
「へ――」
「少し休み貰えるのかしら?」
「多分ね。ケーキ山盛りたのむぞ! って言ってたわ」
「あははは! お爺ちゃんらしい!」
「失礼します。皆さんスキル上げも頑張ってますね」
「センジュ君」
「開発に来ました」
「私もある程度終わった所よ。開発の話でもしましょうか」
「ええ、是非に」
こうして隣の席に座ると今後の私の考えている話をしつつ、「それだと彫刻師をもう少し増やしたい所ですね」と語り合いながら話は進んでいく。
確かに彫刻師でレベルが高いのが今の所ミモザさんしかいないのも難しい事なのだ。
私も作れなくはないだろうけれど、それはそれで難しい。
『ものまね師』を持っていたとしてもチートのスキルな為、余り使いたくはないのだ。
今後の展開を更に会話していくと――。
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