64 製薬ギルドに乗り込みたいのに、お帰り願いたい客の売り込みにうんざり。
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「いい加減姉様から離れて下さい!!」
「いや! 私も妹になる!!」
「貴女のような妹はいりません!!」
と、ドマとラフィリアちゃんのやり取りが続きつつ、その後軽くシャワーを浴びてから出かける事になったのは言うまでもない。
「朝から大変でしたが、何とか乗り切れましたね!」
「姉様お茶を」
「ありがとう」
馬車での移動中二人が先ほどラフィリアちゃんに何があったのかをお父様とセンジュ君に話し驚いている中、私はお握りを食べながら栄養補給!
しっかり食べていつも通りの時間にギリギリ出れたのだ。
「今日は休め」とエンジュさん達は言ったけれど、今日は大事なお客様――商業ギルドからギルドマスターであるレイルさんが来るので無理を言った。
それにやらねばならない事もある。
それらが終わったら、今日はゆっくり過ごす予定だ。
お握りを食べ終わる頃二号店に到着し、二階に上がって手を洗いタキちゃんが分裂して各場所の掃除へと向かい、アイテムチェックをしていく。
今日も朝から熱い日差しだ。
あの後、正気を取り戻したラフィリアちゃんは只管皆に謝り倒し、【破損部位修復ポーション】で心を癒していたのは、ある意味間違いではなかった。
ラフィリアちゃんは心の傷をちゃんと治し、苦しかったあの時代を乗り越えた。
そして冒頭の「私も妹になる!!」である。
あの後だから今日はゆっくり休みなさいと優しく伝え、渋々「明日から一緒に頑張る」と言っていたのでホッとした。
「よし、アイテム確認終わり! 二号店に戻りましょう!」
「姉様、本当に身体は大丈夫なんですか?」
「ええ、なんともないわ。私、運が高いしイヤリングで運アップしてるからかも?」
「本当にあの時は肝が冷えましたよ。人間相手なら何とでもなりますが、あんな化物相手しろと言われてもとても……」
「だから人間相手には期待してるわ!」
「はい!」
こうして二号店二階に向かうと、馬車が到着した。
まだレイルさんが来るには早い時間だけど……と皆で思いつつミューティングをしていると、受付のお姉さんが「まずはお伺いを!」と叫んでいるのが聞こえた。
しかしドスドスと階段をのぼってきたのは太った男性だった。
「やぁやぁ! 私は商業ギルドの者なんだがね! ここの社長さんはいるかい?」
「俺だが?」
「おお、貴方が! どうか私を此処で雇ってはくれませんでしょうか!」
「と言うと?」
お父様の不快感が凄く感じる。
そうよね、普通ならお伺いを立てるのが普通だものね。
自分こそ上って思っている人ってその辺り抜けるのよね。
「聞けばこちらの店は売り上げが素晴らしいのに三人しか雇っていないというではありませんか! 私はシャース王国でギルドマスターをしていたのでこの手は慣れております。どうでしょう? 一度考えて貰えたらと」
「今の人数で問題ない。それに、そう言う話は伺いを立てるものだ。それすら出来ない者を雇う気はない」
「急いでまして忘れていたんですよ。ええ、悪気はなかったんです」
何かしらこのナマズみたいな人。
嫌だわ、危険察知がビンビンくる。
そう思った途端、男性は私を見てニチャァ……と笑った。
ゾゾッと鳥肌が立ち、思わずエンジュさんの後ろに隠れると、私の方へドスドス歩いてくる。
「貴女が金の玉子を産むというユリさんですね! もう会いたくて仕方かなかったんですよ!」
「はぁ……」
「貴女も出来の良い職員は欲しいですよね!?」
「お主は駄目じゃ」
「ナイナイ」
「無いですね」
と口にしたのはお爺ちゃん、タキ、ドマだった。
まさか駄目だしされるとは思っていなかったのか、目を見開いて「何故?」と気持ち悪い微笑みで聞き返す。
「悪意察知と危険察知がビンビンじゃ、お主を雇っても碌な事は起こらん」
「俺もそう思います。それに姉上に対する目線が気持ち悪い」
「イイヨウニ コキツカッテ トップニナロウ ッテ オモッテルヨネ。 サイテー」
「そ、そんな事は」
「俺はこの三人の言う事は信じるようにしている。アンタは無い。帰ってくれ」
そうお父様が口にすると顔を真っ赤に染めてフルフルと震え始め、机をドンと叩くと「良いからワシの言う事を聞けぇ!」と叫びアッとした顔をした。
それが本音なのね。
しかし、化けの皮が剝がれればあとはどうでも良いと思っているのか、男はペラペラ喋り出す。
「そもそもこの店のやり方じゃ売り上げがまだ伸びしろあるのに勿体ないんだよ!! 全部俺に任せろ、悪いようにはしない。金を産む女だっているんだ! ドンドン稼ぐぞ。げへへへへ」
「下品」
「無い」
「悪いが、お帰り頂こう。ドマお願い出来るか」
「お帰り頂くんですね」
そう言うと見えない速さで男性のベルトを刀で切り、ズボンがストーンと下に落ちた。
うぇ……見たくもない。
「ズボンが落ちてますよ、女性の前ではしたない」
「え? あ、ああああ!?」
「どうやら縁は無かったようですね。その恰好では売り込みは駄目でしょう。お帰り下さい」
「くそ!! くそお!! また来てやるからな!!」
「来なくて結構です。雇いませんので」
そうエンジュさんが大声で口にすると顔を真っ赤にしながら男は帰って行った。
それと入れ替わるようにレイルさんが降りてきて、慌てた様子で上に上がってくると「大丈夫かい!?」と心配してくれる。
ホッと安堵の息を吐き、先ほどの男の愚行を話すと頭を抱えていた。
やはりシャース王国で元ギルドマスターらしく、今日ギルドをクビになったそうだ。
それで、今はあらゆる商家に声を掛けている途中だとかで、家にも来たのだろうという事だった。
「無論箝口令を敷いてユリの事は誰も話していない。だから安心して欲しい」
「ありがとう御座います」
「と、言う事で奴もいなくなったのでこれからはいつも通りギルドでね! さて、金が少ないんだよ~~出して貰えるかな?」
「金だけでいいんですか?」
「宝石も欲しいけど、最近やっといい宝石が手に入るようになってね。石は少ないから出して欲しいけど」
「了解です。入れ物は持ってきました?」
「ああ、沢山持って来てるよ!」
そう言うと机一杯に金用のトレーやパワーストーン用の入れ物が並び、その多さに皆さんは驚いていたけれど、そこにまずはパワーストーンから入れて行く。
大中小と沢山入れて、各種類とは行かないけれど、ある分だけの箱に入れて行く。
金は多めと言っていた通りトレーが13個あったので「金塊ですか?」と聞くと「金塊で」と言われたので金塊を生成して出していく。
「うん、何時もながらに素晴らしい商品だ! お金は――」
「ツケですか? 支払いですか?」
「ツケでお願いしたい!」
「いくらかは払って下さいよ?」
「頑張るよ!!」
そう言うと苦笑いしつつ貰った商品を全て納品書に書いて判子を押し、私とレイルさんが持つと「ツケ払い」と書いてあったので苦笑い。
全てアイテムボックスに入れ込み終わると「また奴が来たら直ぐ連絡をくれたまえ!」と言って嵐のように去って行った。
「朝から大変でしたが、そろそろ始業のお時間ですね」
「では急ぎ連絡を。インク会社のホスティー様から、万年筆の受注が500個来ております。あとは冒険者ギルドからと魔物討伐隊から【命の花びら】を各100個ずつと、遠征用のレトルト各種が500食、冒険者ギルドで10,000食きているのでこちらは調理ギルドになげますね」
「お願いします」
「後はユリさん宛にですが、製薬ギルドから【中級ポーション5000個】【上級ポーション5000個】の受注です」
「そちらは作ってありますので持って行きます」
「畏まりました」
「では、今日も頑張ろうか!」
「「「「はい!!」」」」
こうして慌ただしい一日がスタートしたのだけれど――。
「姉様は今日はゆっくりですよ」
「う……せめて中級ポーションと上級ポーションだけ、ね?」
「全くもう」
「その前にポーション瓶作らないとね!」
「ユリは仕事魔じゃからな」
「ユリ オシゴト ダイスキダカラネ」
「心労で俺の方が大変です」
「心落ち着かせるアイテム作る?」
「既に持ってますから!」
というやり取りをしながらポーション瓶を鼻歌交じりに歌いながら作り、朝からアイテム作成に精を出したのは言うまでもない。
さて、午後はちょっと本気で行かないとね!
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