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【R15版】淫獣大戦 ~聖人のボクは女たちをセックスで癒す~  作者: 夢乃
第2章

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057 聖人と聖女の性交

 エタニア人たちの決断は、思いのほか早かった。翌日の朝には使節団に臨時会談の打診があり、ソーセス臨時政府の使節団もそれに応じた。

 使節団は明方近くまで、今日の対応を検討していたみたい。ボクのせいで余計な仕事を増やしたようなもので、それについては非常に申し訳ない。でも、黙ったままでいるのは誠実ではないし、フェアでもないと思うもの。


 臨時に行われることになった今日の会談には、ボクは不参加。余計なことを言わないように、ということだろう。ボクが同席しても、できることは何もないし。

 護衛の女2人が扉を固めた部屋で、ボクは1人で待っていた。会談は夕刻まで続き、戻って来た使節団の報告は夕食の後で聞いた。


 再度の会談の結果、ボクとスカーレットの性交は先延ばしになった。先に、淫獣を含むエタニア人たちがウェリス大陸から退去する。残る牝もいるし、後からやって来る牝もいるけれど、それは以前の合意と同じ。

 聖人と聖女の交配が中止ではなく延期となったことからも判るように、エタニア人たちは御子をまだ諦めていない。聖人の因子が触手を持つ仔を流すというのも、先文明の史料の解釈を間違った可能性も否定できないし、遺伝子を弄るという先文明にとっても難しいことを行なっているので、期待した効果が発生していない可能性もある。


 史料の解釈については、ウェリス大陸では長年研究されているから、間違いはそうそうないと思うけれど絶対とは言えない。先文明の遺伝子工学についても、性欲の強い男を造るはずが淫獣になってしまったのだから、聖人の因子も想定通りには機能しない可能性もある。

 ただ、聖人の因子が予定通りの機能を発揮すると、エタニア人の滅亡が早くなることは確実なので、ボクおよびボクと性交した女たちは、行動を制限されることになった。ソーセス臨時政府の使節団は反対したそうだけれど、まさか交渉相手の人種の滅亡を望む、などと公に言えるわけもなく、呑まざるを得なかったらしい。


 そうは言っても、特別厳しい条件というわけでもない。

 ウェリス大陸の、セレスタ地峡の(はい)り口に小都市を建造し、聖人と聖女はそこに住むこと。これまで聖人と肉体関係を持った女と牝もその都市で暮らすこと。彼女たちのエタニア大陸への渡航禁止。彼女たちと肉体関係を持った男も同じ小都市に居住すること。これらの住民は、都市の外では行動をトレースされること。

 大まかには、これくらい。強制的に転居させられる人は気の毒だし、行動をトレースされることには不満もあるけれど、聖人の因子の拡散を懸念する立場からすれば、妥協した方なんじゃないかな。


 ボクと性交経験のある女だけど、ほとんどは記録されているから特定できる。問題は、淫獣の襲撃の時に治療セックスした重傷者と、その後ボリーさんたちと潜伏していた街で相手した女かな。それと、ハイダ様に仕える前に関係を持った女たち。ちゃんと見つけ出せるだろうか。

 まあ、その辺りは任せよう。ボクが心配したところでどうにもならないし。


 ボクはその小都市に住むようになったら、スカーレットが孕むまで定期的にセックスすることになる。エタニア人の口伝が正しければいつかは妊娠するだろうけれど、実際のところ、どうなんだろう?

 これまでの歴史で聖人に子ができなかったのは、聖人の因子が原因じゃないかと思うんだよね。だったら、聖女が相手でも無理じゃないかな。

 けれど、聖人の由来は判ったのに聖女の由来はまだ判っていないんだよね。エタニア人の口伝が真実なら、聖女を聖女たらしめる因子が、聖人の因子を打ち消すのかも知れない。


 その辺りのことも判らないので、調べていくことになるだろう。


 それから今後は、女が身籠った淫獣の仔を積極的に産んでいくことになる。合わせて、新しい小都市に住むボクと肉体関係を持った女と淫獣の仔についても、調べていくことになるはず。色々と調整が必要になるけれど。

 史料の解読結果が正しければ、一度でもボクと性交した女は、淫獣とセックスして妊娠したとしても、(らん)が十分に成長する前に流れてしまい、淫獣や牝を産むことはないはず。その検証をすることで、聖人の能力の理解も1つ深まることだろう。


 他にもやることは色々と出て来るはず。新しい生活が始まったら、忙しくなりそうだ。




 ボクとスカーレットとのセックスは必然的に、その小都市が完成するまで持ち越しになった。それまでは待機ということで、ソーセスにもう一泊し、翌日の朝には使節団やハイダ様たちと共にソーセスを後にした。

 次に戻って来られるのはいつだろう、そもそも戻ることはあるのかな? そんなことを考えつつ、遠くなって行くソーセスの街並をヴィークルの後ろの窓から、しばらくの間、見つめていた。




 それからは、考えていたよりも穏やかな時を過ごした。政府や軍は大忙しだろうけれど。

 本来ならボクも忙しくないとおかしい気がするけれど、上の方の人が上手くやってくれているんだろう。女に比べると体力がないから、その辺りのことを考慮してくれているのだと思う。


 ソーセス臨時政府とエタニア人の間に結ばれた協定については、ほかの都市に対しても宣言された。だから、エタニア人による“聖人セリエスの指名手配”は取り消され、各都市もそれを知ることになったわけだけど、ボクの外出禁止令は解けなかった。むしろ厳しくなった。

 各都市政府がボクを狙うことをまだ心配しているのかと思ったけれど、そういうわけではなく、ボクに何かがあったらエタニア人との契約を履行できなくなるので、ボクの安全に神経を尖らせているらしい。


 そう言われると、確かに、万一にもボクの身に何かあったら、困るよね。ボクがいなくなったらエタニア人の口伝にあるという御子を授かる可能性も潰えるから、エタニア人としても困るだろう。そうなったら、とにかく牝を増やそうと、今度は見境い無しに女を襲う目的で淫獣を侵攻させるかも知れない。

 流石に将来に禍根を残すことになるから、そんな決断はしないと思うけど、数世代も経ったら何とも言えない。

 それを思えば、今まで以上に行動を制限されることも納得はできる。


 何にしろ、新しくできる小都市に行ってスカーレットと一回ヤれば契約は果たされるわけだから、それまでの辛抱だ。誘拐されていた時や、隠れ潜んでいた時のことを思えば、何と言うこともない。


 ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉


 セイクリアと名付けられることになった小都市は急ピッチで建造が進められ、ソーセスでの会談から僅か1ヶ月後には、ボクはその都市に移動することになった。

 一応、住めるようになったとは言っても、完成したのは一部の主要な建物だけで、まだ更地の方が多いけれど。

 最終的には、周囲を高い壁に囲まれた、フロンテスに似た都市になる予定だ。小都市を防壁で囲むのは、都市への出入りを完全に管理するためらしい。ボクとスカーレットだけでなく、ボクと関係を持った女や牝が外に出ることを制限する必要があるから。


 セイクリアへの移動は、また黒塗りの大型ヴィークルが使われた。一緒に行くのはボクと肉体関係を持ったことのある軍人がほとんど。ハイダ様もエクスペルアーマーでヴィークルを護衛しつつ、一緒に移動する。

 淫獣のエタニア大陸への退去はすでに完了しているので、危険はほとんどない。猛獣も生息しているけれど、襲われたところでオシレイトブレードに一刀両断されるだけだ。


 エタニア大陸でボクが性交した牝たちは、すでにセイクリアで暮らしているそうだ。聖人の因子を取り込んだ彼女たちが、淫獣と性交することで聖人の因子を淫獣に感染(うつ)してしまう可能性があることを懸念したから。それはないんじゃないかな、と前に思ったけれど、よくよく考えれば牝は、触手から淫獣の白濁液に似た液体を放出する。それによって淫獣に感染しないとは言い切れない。

 その辺りの検証も今後、やっていくことになるだろう。




 そしてセイクリアに到着したボクは、一晩休んだ後、セイクリアの中央付近に造られた建物の広い円形の部屋に、スカーレットと2人きりになった。例によって、カメラで監視されているけど。

「ようやく、じゃな」

 ひと月振りに見たスカーレットは、以前に比べてなんとなく、肩の力が抜けているように見えた。ボクの気のせいかも知れない。


 彼女は浅黒く輝く肌を隠すとこなく晒している。ウェリス人には見られない肌の色だけれど、シミひとつない肌はこの上なく美しい。

 これもウェリス人にはない燃えるような深紅の髪は、艶やかに背中に流れている。

 背中から伸びた2本の触手が身体の左右から先を覗かせ、ウネウネと蠕く様はスカーレットの期待を表しているかのようだ。


 スカーレットと向かい合うボクも全裸。隣の部屋で服を脱いでこの部屋に入ったら、全裸の彼女がいた。雰囲気が変わった(ように見える)浅黒い肌の美女を前に、ボクも興奮を抑え切れない。

 それでもまだ、彼女と関係を持つことに対する、わけのわからない不安を感じる。ただ、エタニア大陸で見た時や先日の逢瀬の時よりも、その感情は薄くなっている。もしかして、ボクの肉体にガッつきすぎる彼女の態度に、心が引いていただけなのかな。


 互いに距離を詰め、手を伸ばせば届く距離で触手がボクの身体にまとわりつく。その感触も今なら、心地良い、と思えるくらいには、彼女に対する嫌悪感が薄くなっている。

 ボクは手を伸ばして、彼女の腰を軽く抱き、引き寄せた。スカーレットもボクの身体を軽く抱く。2本の腕と2本の触手が、ボクの身体を弄り回る。


 そして、聖人と聖女は、結ばれた。



==用語解説==


■先文明

 かつて、物語の舞台の惑星に栄えた文明。複数の国家が乱立していたとも、惑星全体を統一した国家があったとも言われるが、詳細は不明。ただ、その晩年には無数の国家が存在していたらしい。

 晩年に発生した国家間の戦争によって、およそ100万年前に滅びた。その戦争で、100億人を数えた人口が一気に5億人未満にまで減ったと言われている。

 ウェリス大陸に残る遺跡は、先文明の都市の趾。


■エタニア大陸

 ウェリス大陸の東に位置する大陸。ウェリス大陸の倍以上の面積を持ち、北から南まで広く伸びている。

 先文明が滅びることになった戦争で、かなりの被害を受けており、湿地が多いのはそのためらしい。


■エタニア人

 エタニア大陸に住む人間。牝は尻から触手のような1本の尻尾を生やしている以外、ウェリス人の女と変わらない姿をしているが、牡は淫獣。牝の肌は薄褐色から褐色が多く、髪は赤から茶色が多い。

 牝に生えている触手の先端は、淫獣の亀頭のような形状とは異なり、ユリの花の蕾のような形をしている。

 実は、ウェリス人の女と淫獣の間に産まれた仔が起源であるらしい。


淫獣いんじゅう

 オオサンショウウオのような姿をした、体長6m前後の巨大生物。人間を丸呑みできるほど大きな口の中には16本の触手があり、10mほどまで伸びる。全身は堅く柔らかく分厚い皮膚で覆われ、刃物も銃弾も通さない。口の中が弱点ではあるが、触手のため、狙っての攻撃は困難。

 その巨体に似合わず、本気を出せば時速25kmという高速で走行できる。

 触手の先端は男性器のような形をしており、実際、そこから吐き出される白濁液は人間の女を妊娠させる。淫獣に犯されると2匹ないし4匹の仔を孕み、卵嚢と呼ばれる緑色半透明の膜に包まれて、子宮壁に癒着するように成長し、産まれるまで摘出は不可能。また、淫獣に犯された女は男とのセックス程度では絶頂を感じられなくなる。

 見た目は爬虫類ないし両生類を彷彿とさせるが体組成は哺乳類に近く、水辺を主な生息地にしている。ある程度の知能(10~12歳の人間程度)を持ち、人間の男女を見分け、男に対しては敵意を見せ、女は捕食して犯す。

 実は、エタニア人の牡そのもの。そのため主人公の住むウェリス大陸には元々存在しない。聖女の意を受けて、ウェリス人の女を誘拐するためにセレスタ地峡を通ってやって来ていた。

 もともとこの惑星には淫獣なる生物は存在せず、先文明が滅びることになった戦争後、人口減少の対策として性欲の強い男を遺伝子操作で造ろうとした結果として、産まれたらしい。


■セイクリア

 ウェリス大陸のセレスタ地峡に近い場所に建設されることになった、新たな小都市。聖人と聖女、聖人と肉体関係を持った女と牝、それにその女たちと肉体関係を持った男を住まわせるために建設された。もちろん、その人数で都市機能を維持できるわけもなく、それ以外の人々も住むことになる。


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