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【R15版】淫獣大戦 ~聖人のボクは女たちをセックスで癒す~  作者: 夢乃
第2章

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039 一家団欒

 ハイダ様と再会した翌日、ボクはハイダ様の運転するヴィークルで、アルクスたちが一時的に腰を落ち着けた街へと向かっていた。ハイダ様から聞いた話では、500キロくらい離れているみたい。南の都市(ソウト)方面へ避難したそうだから。


 主幹道が無事なら、南東の都市(ソーセス)経由で4時間程度で着けそうだけど、ソーセスに繋がる主幹道は淫獣の通り道となることを警戒して、大陸環状鉄道と共に破壊されたから、通れない。

 だから、街や村を繋ぐ狭い道を使うことになったけど、主幹道ほどの広さはないし、路面の状態も比べるべくもないから、新設された基地を朝出発して、到着したのは陽が落ちる頃になってしまった。


「ここだな」

 ハイダ様がヴィークルをアパートの駐車場に停めた。中心街からは外れていて、似たようなアパートが間隔を空けてたくさん建っている。

 ハイダ様はセルフブレスを見て、6階建のアパートに入り、3階に上がった。もちろんボクも、ついて行く。


 4つ並んだドアの1つの前で立ち止まって、チャイムのボタンを押した。待つほどもなく、ドアが勢い良く開いた。

「ハイダ様っ」

 ハイダ様の豊かな胸に飛び込んだのは、ダリアン。

「ハイダ様、お帰りなさい」

「セリエスも、良く無事に帰って来たな」

 ダリアンに続いて、ベルントと、エイトを抱いたアルクスも出て来た。


「みんな、心配かけてごめんなさい。ハイダ様や他のみんなのおかげで、無事に帰って来ることができたよ」

「セリエスっ。心配したよっ」

 ハイダ様から離れたダリアンが、今度はボクに抱き着いた。アルクスとベルントも、ハイダ様とボクと交互にハグした。


「狭いところだけど、2人とも入って」

 アルクスに促されて、ボクたちは4人が暮らしているアパートに入った。




 アルクスが言った通り、アパートはそれほど広くなかった。3部屋のほかに、リビングルームとダイニングルームを兼ねた部屋、それにバスルームとレストルームで全部。キッチンは、リビング・ダイニングの隅に簡易的なものがあるだけ。それぞれの部屋も、以前住んでいた家よりも狭いし、かなり窮屈に感じる。

 それでも、みんな色々と工夫してやっているようだ。


 生活費はハイダ様が振り込んでいるけれど、それをただ喰い潰すだけにもいかないと、アルクスはレストランで、ダリアンは編み物工房で、それぞれ働き、ベルントが家のことやエイトの世話をしているそう。

 幼いエイトは、すぐにボクに懐いてくれた。ボクのことを覚えていたのか、忘れたけど人見知りしない性格なのか、そこのところは判らない。でもどっちでもいいや。「あー」とか「だー」とか言ってボクの指を握ったり頬を叩いたりする様子が可愛くて仕方がない。


「みんな、すまなかった」

 リビングルームに落ち着くと、ハイダ様はまず、アルクスたち3人に頭を下げた。

「あの、すみません、ハイダ様に謝ってもらう理由に心当たりがないんですが」

 アルクスは首を傾げた。


「いや、3人、エイトも入れて4人の居場所が判っていたのに、今までずっと会いに来なくて、すまない」

「そんなこと、いいんですよ。ハイダ様はオレたちを守るために忙しかったんですから」

 ベルントが笑顔で答えた。

「それでも、何回かはここに来られる余裕はあったんだ。それなのに、私はまったくそうしようと思わなかった。本当に申し訳ない」

 ハイダ様は上げていた頭を改めて下げた。


「でも、ハイダ様にも来られない理由があったんですよね?」

 ダリアンが聞いた。

「あるにはあったが……次にお前たちの元に帰るのはセリエスも連れて、と考えていて……セリエスが無事なことは疑っていなかったんだが、所在が判らず連絡も取れなかったので、踏ん切りが付かなかったんだ。絶対にセリエスを連れて帰ると約束もしてしまったし……。本当に済まなかった」


「でも、ハイダ様はこうしてセリエスを連れて帰ってくれたじゃないですか。だから何も問題ありませんよ。それでもどうしても、と言うなら、今夜は今までできなかった分、たくさん可愛がってください」

「確かに、最後にハイダ様と致してから2ヶ月は優に経っていますからね」

「今までできなかった分、目一杯注ぎますからね」

 アルクスが言うと、ベルントとダリアンも続いた。


「元より、そのつもりだ」

 ハイダ様は力強く頷いた。




 そしてアルクスの心尽くしの夕食を摂った後、安らかな寝息を立てているエイトを抱いたボクの傍で、3人の従仕(じゅうし)はハイダ様に思い切り甘えた。

 ボクはもちろん我慢。何しろ3人とも、他の女の誘いも断って、2ヶ月以上も禁欲状態だったそうだから。


 ボクは、ハイダ様ともヤったし、ボリーさんたちとも欲求不満を溜め込ませないようにヤりまくった。怪我を治すために初対面の女にもハメたし、誘拐されていた間にも搾られまくった。

 これだけの差があるんだから、今夜は3人には、ボク抜きでハイダ様とハメ倒してもらおう。


 ボクはしばらく4人の行為を見ながら悶々としてたけど、頃合いを見計らってエイトをベビーベッドに寝かせ、水分補給の用意をしておこうと、キッチンに立った。


 ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉


 ボクは途中で先に休ませてもらったから判らないけど、4人は随分と遅くまで頑張っていたみたい。朝起きたボクがリビングルームに行くと、みんなソファーで折り重なるように寝てたから。

 みんな疲れているだろうから、みんなの朝食はボクが作っておくことにした。

「あーうー」

「はいはい。ちょっと待ってね。えっと、もう離乳食を食べてるって言ってたから……これでいいのかな」


 エイトが自分で動き出すようになる前に誘拐されちゃったから、離乳食を作ろうと思っても解らない。エイトはボクたち家族の初めての赤ん坊だし。でも、レトルトの離乳食があったので、エイトのためにそれを用意してあげた。

 それにしても、子供の成長は早いね。数ヶ月見ない間にハイハイするようになって、お乳も卒業しちゃってるんだから。


 みんなが起きたら、まずはシャワーを浴びてもらった。みんなすごい匂いなんだもん。その間に窓を開けて空気を入れ替え、軽く部屋の掃除をしておく。きちんとした掃除は、朝食の後にね。




 そして落ち着いた後、今後のことを話し合った。主姐(しゅしゃ)従仕(じゅうし)はできる限り一緒にいるべきだけど、今は状況が状況だし。

「俺としては、ハイダ様のいる基地の近くに住みたいです」

 アルクスの言葉に、ベルントとダリアンも頷く。

「私としてもその方がいいんだがな。移動の前に住む場所を決めた方がいいだろう」

 何しろ、移動だけで丸一日かかるし。移動してから住む場所が見つからない、では困る。


「基地には住めないんですか?」

 ボクは聞いてみた。ボクは、ハイダ様と一緒に基地の宿舎に住むことになっているから。でも、ハイダ様は首を横に振った。

「基地の宿舎に住めるのは、軍人と軍属、それに一部の政府関係者だけだ。セリエスは聖人として護衛対象だから、例外だ」

 やっぱりそうだよね。


「じゃ、ボクがあっちで家を探して、決まったらみんなに引っ越してもらう、しかないですよね」

 大人の男が3人いるから、女がいなくてもなんとか生活できているけど、2人でエイトの面倒をみながら生活するのは大変だろう。そう考えると、3人のうちの誰かが先行して家探しをするより、ボクが探した方がいい。

 どうせ護衛はつくんだから、昼間なら基地の外にも出られるだろうし。


「それがベターかな。セリエス、頼んでいいか?」

 ベルントの言葉に、ボクは頷いた。

「うん。聖人の仕事と、淫獣の調査の合間になるから、時間はかかっちゃうと思うけど」

 ボクが思った通り、軍はソーセスから溢れた淫獣をドローンで空撮し、観察していた。その映像記録を元にして、ボクは淫獣の生態を調べることになる。

 ウェリス大陸はエタニア大陸とかなり環境が異なるから、淫獣本来の研究にはならないかも知れないけど、ボクはエタニア大陸での淫獣の様子も垣間見ている。今までにないほどに研究は捗るはずだ。


 それは置いといて、聖人としての仕事も淫獣生態研究学者としての仕事もない時は、行動の自由が保障されている。といっても、基地から離れすぎないことが条件だけど。今日、アルクスたちと会うために遠出したのは、例外中の例外だ。

 その例外があったから気付いたんだけど、今もボクには最低4人以上の監視がついている。 ここに来るまでハイダ様の運転で、見晴らしのいい荒野を通ったりしたからね。そんな場所で姿を隠すのは無理だろう。


 だから、許可された範囲ならばボクの安全は保証されているし、行動範囲を逸脱しそうになったら警告してくれるはず。つまりは、警告されない範囲であれば、ボクがアルクスたちの新居を探すのに問題はないと思う。


 軍に頼むという方法もなくはないけど、さすがに断られるだろう。今は軍も忙しいし(ハイダ様が3日も休暇を取れたのが奇跡だもん)、聖人の頼みだからって軍の行動に無関係なことをできる余裕のあるわけがない。


 となるとやっぱり、ボクが迷惑をかけない程度に動くのが、一番いいよね。


 そうして今後の方針を決めていた時、ハイダ様のセルフブレスに通信が入った。軍からの通信らしく、ハイダ様はボクたちから離れて部屋の隅で受けた。けれど、その内容をボクたちもすぐに知ることになる。

「何だってっ!? エタニア大陸からの侵攻っ!?」

 ハイダ様の叫ぶ声が、ボクたちにも届いた。

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