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【R15版】淫獣大戦 ~聖人のボクは女たちをセックスで癒す~  作者: 夢乃
第2章

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032 計画の調整

 ニトラさんの傷の具合なら3回の膣内射精(なかだし)で完治するとは思ったけれど、念のために5回、たっぷりと注入してからペニスを引き抜いた。

 余程の怪我でなければ、これで完治しているはず。もっと大きい傷だと、この倍くらいは必要なこともあるけれど。


「ニトラさん、パッチを剥がしますね」

「はぁ、はぁ、ひゃい」

 呂律の回っていないニトラさんの脛から、さっき貼られたパッチをそっと剥がす。うん、傷が塞がっているばかりか、何の跡も残っていない。

「これで大丈夫です。また怪我したら言ってください」

「はひぃ、い、いえ、あまり負担をかけては……」

「いや、皆さんが五体満足でいることがボクの安全にも繋がるんですから、ボクのためにも遠慮しないでください。ボリーさんと、それにカルボネさんも」

 カルボネさんは、今はここにはいないけれど。


 ボリーさんに渡されたタオルで身体を拭いてから、ボクはシャツを着た。それをしながら、欠伸をしてしまう。

「ふぁ、あ、す、すみません」

「仕方ありませんよ。昨夜はあまり眠っていませんから。少し寝てください。出発は明日なので、時間はありますから」

 ボリーさんが言った。

「でも、ボリーさんたちも寝てないんじゃありません?」

 ボクは少しは眠ったけれど、ヴィークルを運転していた3人は一睡もしていないはず。


「交代で休みますので、気にしないでください」

「そうですか? それじゃ、すみませんが、少し寝させてもらいます」

 ボクは、空いているベッドの一つに寝転がった。

 ハイダ様は大丈夫だろうか。アルクスたちは無事に避難できただろうか。両親と姉妹は。研究所の同僚たちは。

 目を閉じると、知っている人々の顔が次々に浮かんでは流れて行ったけれど、そのうち、ボクの意識は微睡みの深淵へと沈んで行った。


 ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉


 ふと気がつくと、室内は少し暗かった。窓にはカーテンが引かれ、照明も点いていない。カーテンを透かして光が入っているから、昼間かな。身体を起こして部屋を見回すと、向かいのベッドに誰かが寝ているらしく毛布が膨らんでいて、扉の傍のテーブルセットの椅子にニトラさんが座っていた。

「良く眠れましたか?」

 ボクに気付いたニトラさんが微笑んで言った。

「あ、はい」

 こんな際だというのに、ボクは夢も見ないで眠ってしまった。家族の安否も知れないというのに。ボクの神経って案外、図太いのかな?


「空腹ではありませんか?」

「あ、はい、空いてます」

 そういえば、昨夜から食べたのはレーションを少しだけだった。言われて、お腹が空いていることに気付いた。

「軽食を買っておいたので、摂ってください。それから、着替えも用意しておきました」

「あ、はい、ありがとうございます」

 シャツ1枚で、下は何も穿かずに寝てたよ。救護部隊で活動するために、下着を着けずに特殊なズボンを穿いていたから。


 ボクは、ありがたく服を着替え、濡れたタオルで顔と手を拭いて、サンドイッチとジュースを戴いた。

「なんだか、部屋の外が騒がしくありませんか?」

 ボクは口をモゴモゴさせながら聞いた。

「はい。ソーセスからの避難民が押し寄せているようです。昨夜は主幹道に集中していましたが、明るくなって脇道へも溢れているようです。複数の街や村に分散していて、この村はまだそれほど混乱していませんが、今後は判りません」

「そうですか」


 ボクたちは最初から脇道を使っていて、明け方に村に入ったから、他の人たちはまだここまで来ていなかったのか。アルクスたちもいるだろうか。ソウトに向かっていたら、こっちには来ないけれど。


 ボクが簡単な食事を摂り終えて少しした頃、扉がノックされた。ニトラさんが手でボクを制して、扉の内側に立つ。右手は背中に回り、どこに隠してあったのか、レーザーガンを握っている。

「はい、何ですか?」

「宿の者です」やっぱりホテルじゃなくて宿屋か。「実は今日に限ってお客様が溢れてしまって。申し訳ございませんが、2人部屋に移っていただけないでしょうか? 1つのベッドをお2人で使っていただくことになってしまいますが」

 扉越しに、申し訳なさそうな声音で宿の人が言った。


 ニトラさんがボクを見た。ボクの意見でいいのかな? まあ、いいや。頷いてニトラさんに応える。

「解りました。少し待ってください」

「ありがとうございます。助かります」

 ボクは荷物をまとめた。荷物といっても着の身着のままだったから大した物はない。着てきた服くらい。ボリーさんは、ニトラさんが肩に触れるとすぐに起きた。寝付きと寝起きがいいのは軍人の条件かも知れない。


 部屋を出て、態度も申し訳なさそうにしている宿の人に案内され、2人部屋に移動した。

「あの、カルボネさんは?」

 ずっと姿を見せない彼女のことが気になって聞いてみた。

「まだ戻っていません。夜までには戻るか、少なくとも連絡があるはずです」

「そうですか」

 昨夜からずっと休んでいないだろうに、大丈夫かな? プロなんだから、ボクごときが心配するのも烏滸(おこ)がましいのだろうけれど。待つしかないか。




 夕方になって、カルボネさんが戻って来た。食堂は混雑していると言うことで、ボクたちは部屋に夕食を運んでもらい、それを摂りながらカルボネさんの調査報告を聞いた。

「この村にも、避難指示が出そうです」

 まず最初に言った言葉がそれ。まだ出ていないけれど、ソーセスからの避難民からの情報も伝わり、住民たちも浮き足立っているらしい。こことソーセスの間にもいくつか街や村、集落があるけれど、そこにはすでに避難指示が出ているのだそう。そればかりか、淫獣に襲われた村もあるみたい。


「それじゃ、ソーセスは……」

「すでに淫獣に制圧されたと見ています」

 ……みんな、無事に逃げているだろうか。

「それから、この先の街もすでに避難民が殺到しています。それで、今後の我々の行動なのですが、明日は予定より早く、日の出前に出発し、予定していた街ではなく、東寄りにあるもう少し小さな街に一旦落ち着くことを提案します」


「あの、いいですか?」

 ボクは小さく手を上げた。

「はい、何でしょう?」

「この村にはいないようですが、大きな街なら軍も駐留していますよね? そこを頼るのは駄目ですか?」

 その方が、ボリーさんたちの負担も減るだろうし。

「街の軍は、都市の軍ほどには機密保持を期待できません。軍を頼るとなると、セリエスのことを話す必要がありますが、それが漏れる懸念があります」

 なるほど。それで、エスタやソウトが聖人の確保に動いて衝突が起きたら不味いわけか。


「なら、小さな街に落ち着いた後はどうするんです? ずっとそこに住むってわけにはいきませんよね?」

「それもなくはないのですが、考えてはいません。ソーセスは一旦放棄せざるを得ない状況になりましたが、政府も軍もそのままにはしておかないでしょう。今はまだ実戦部隊がソーセス近郊で踏ん張っているはずですが、そこそこのところで撤退せざるを得ないでしょう。

 その後、ソーセスの北と西に陣を張るはずです。その設営がある程度済んだ時点で、我々も合流します」


 なるほど。エクスペルアーマーがまだここまで退避して来ていないのは、それが理由か。淫獣を出来るだけ押さえて都市住民の避難を支援し、その後は戦線を立て直して奪還作戦に移る。ハイダ様はきっと、そこにいるはず。しばらくは会えないけれど、それまで待つしかないかな。


 けれど、レディーウォーリアーの駆るエクスペルアーマーといえど、全騎で出撃したところで万単位の淫獣を相手にしては、それほど保つとは思えない。エクスペルアーマーは、予備を入れても200騎少々なのだから。非公表の騎体があったとしても、20騎を超えることはないだろうな。


 カルボネさんの報告によると、それでもソーセスの郊外で淫獣の大群を抑えているみたい。それだけ聞くと善戦しているように感じるけれど、多分そうじゃない。淫獣もそれなりの知能はあるし、後ろにはエタニア人の牝がついているから、分散して各個撃破されないように、戦線を伸ばしすぎないように、侵略度合いを加減しているんじゃないかな。ボクの想像でしかないけれど。


 まあ、今ボクが考えても仕方がない。ボクは、ボクにできることをヤろう。


「解りました。それで、その、ボリーさんとカルボネさんは、怪我とかありませんか? もしあるなら、治療させてもらいたいんですけど」

 怪我のせいで行動が鈍ったりすると、作戦に支障が出るかも知れない。直近の状況は切羽詰まってはいないようだし、負傷があるなら、今のうちに癒しておいた方がいい。ニトラさんは今朝方に治癒したから大丈夫。


「いえ、擦り傷程度ですので」

 ボクが救護部隊で働いている間に彼女たちが何をしていたのかは知らないけれど、やっぱり傷を負ってはいたらしい。

「それでも治療しておた方がいいです。その方がボクも安心ですし。従仕(じゅうし)に操を立てているなら、精液をかけるだけでも」

 膣内射精の方が効果は高いし、本人の自覚していない外傷も治癒できるけれど、従仕(じゅうし)以外とはヤらない主義なら、自覚している傷にぶっかけるだけでもさせて欲しい。


「……解りました。それではお願いします」

「わたしもお願いします」

 2人とも、ニトラさんに目配せしてから、静々と裸になった。ボクも服を脱いで全裸になる。


「ええっと、手っ取り早く済ませた方がいいですよね……えっと、どっちかベッドに仰向けに寝て、もう1人はその上に俯せになってくれますか?」

「え……」

 ボリーさんとカルボネさんは目を見交わせると、カルボネさんが仰向けになって、その上にボリーさんが寝た。


「それじゃ、始めます」

 ボクは、女たちの傷を癒やすために2人を相手に腰を振った。


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