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【R15版】淫獣大戦 ~聖人のボクは女たちをセックスで癒す~  作者: 夢乃
第1章

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011 出産

 遺跡での発掘調査は、予定の10日間を過ぎ、12日間に及んだ。ハイダ様の出産が近いので、予定を過ぎてからの2日間はずっとそわそわしていた。

 ヴィークルの1台を借りて勝手に帰ることも考えたけれど、都市から離れているここは自動運転誘導エリアから外れている。帰るのは良いけれど、代わりのヴィークルを無人で届けられない。もっとも、一般のヴィークルは運転資格を持った人が乗っていないと動かないから、無人でのお届けは無理なんだけれど。

 ボクが都市まで乗って行ったヴィークルを、代わりの誰かに届けてもらえばいいのだけれど、ヴィークルを届けてもらうだけのためにここまで来てもらうのも悪い。


 それでも、さらに2日遅くなるようだったら無理を言ってでも都市に帰るつもりだった。ハイダ様の初めての出産なのだから、従仕(じゅうし)として立ち会わないわけにはいかない。

 それを伝えていたからかどうなのか、予定よりは伸びたけれど、2日の延長だけで発掘調査は終わった。調査員8人のうち5人はここに残り、代わりにここに滞在していた人のうちの5人が都市に帰るのだそう。


 落盤事故からこっち、重傷者が出るような事態には陥っていない。お陰で、ボクも怪我人に肉槍突くことはしていない。治療のためとはいえ、アレはちょっと気が引ける。痛みに(うめ)いている人の肉壺に肉槍を突き挿すなんて。

 小さい怪我を負う人は毎日のように出たけれど、それは夜伽だけで治ってしまうから、わざわざ治療するまでもない。黴菌が入らないように、消毒して絆創膏を貼るくらいの応急処置はしていたけれどね。




「ただいま」

 12日間の役目を終えて、久し振りに我が家に帰って来たボクを、ハイダ様もほかの3人の従仕(じゅうし)たちも、温かく出迎えてくれた。うん、この空気、ここがボクのいるべき場所だ。何十人もの女に夜毎に搾られる昨日までの生活は、何か違う。聖人としての仕事もこれから増えると思うけれど、なるべくなら都市から離れないで済むといいな。


「予定より遅れましたけれど、出産に間に合って良かったです」

 夕食後のリビングルームで大きなお腹を撫でながら寛ぐハイダ様に、ボクは言った。

「そうだな。産む時には、従仕(じゅうし)には揃っていてもらいたいからな。初めてのことでもあるし」

「期間が延びたと連絡を受けた時には、間に合わないんじゃないかと思ったよ。間に合って良かったよ」

 ハイダ様の隣のソファーで、お腹の子の親であるアルクスが言った。その胸はハイダ様にも負けないほどに、丸く膨らんでいる。授乳の準備も万端だ。


「予定は明後日ですよね。明日医療センターに?」

 ボクは聞いた。

「そうですよ。僕も一緒に泊まりたいんだけど駄目だって。アルクスは泊まるのに」

 お盆に人数分のお茶を載せて持って来たダリアンが言った。その後からベルントもリビングルームに入って来た。

「アルクスは産まれた赤ん坊に乳をあげないといけないからな。万一、出産が遅くなっても、アルクスだけはハイダ様の傍にいないとな」

 ベルントがダリアンを諭すように言った。


 久し振りに5人揃っての一家団欒。もうすぐここに、6人目が加わる。女の子と男の子、どっちだろう。統計からすると、男の子である確率が高いけれど、姉と妹との3人姉弟のボクみたいな例もあるからね。産まれてみないと、どちらかは判らない。


「明日は、みんなで医療センターに行くんですよね」

 ダリアンが言った。

「ああ、そうだな」

 ベルントが鷹揚に頷いた。

「あ、ボクは自分のヴィークルで行くよ。明日は研究所だから」

 ボクは言った。明後日が仕事だったら、休んでいるところだ。

「今日帰って来たばかりで、明日はもう仕事か。疲れないか?」

「大丈夫。遺跡では何もしていない時間の方が多かったから」

 夜はそれこそ、毎日だったけれど、昼間は遺跡の周りの観察をしていただけだったし。


「そう言えば、遺跡ではどんなことがあったんだ? まだ聞いてなかったな」

「えっと、遺跡の中には、危険だからって入らせてもらえなかったんですけど、入った人から聞いた話だと……」

 ハイダ様に言われて、ボクは遺跡でのことを話した。場所が場所だけに、お土産を用意できなかったから、土産話くらいはしないとね。


 ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉


 ボクが遺跡から帰った翌々日、ボクたちハイダ様の従仕(じゅうし)3人は、軍の医療センターで、ガラス越しの分娩室で分娩台に乗っているハイダ様を、息を呑んで見守っている。アルクスは白衣を着て、分娩室の中でハイダ様を見守っている。

「大丈夫かな。ハイダ様、大丈夫ですよね」

 ダリアンが窓際の手摺を握って、そわそわと言った。

「落ち着け。ハイダ様は初めてでも、子供はこれまでにいくらでも産まれているんだ」

 そう言うベルントも、爪先で床を叩いている。


 ボクとて、平静ではいられない。分娩台に乗って脚を開かれたハイダ様が苦しそうに顔を歪めている。ガラスが厚くて、声は聞こえない。まだかまだかと、ハイダ様の出産の時を待っている。

 けれど、一番気を揉んでいるのは、ハイダ様の傍で見守っているアルクスだろうな。主姐(しゅしゃ)の初めての出産というだけでなく、自分の種だから。


 苦しそうに顔を歪めるハイダ様の股間から人肌色の球体が現れた。ハイダ様の膣穴が広がり、小さな人間の頭部が出てくる。そしてさらに身体が。

 赤児の身体を産科医が受け止め、臍の緒を手早く切断する。産科医が、抱いた赤児の尻を強く叩く。赤児の口からドロッとした羊水が吐き出され、産声を上げる。ガラスの厚みで聞こえないけれど。


「やったっ。産まれたっ」

 ボクの隣でダリアンが飛び跳ねて喜んだ。

「元気なようだし、ハイダ様も問題なさそうだな」

 ベルントが最年長の落ち着きを見せて頷いた。その顔には安堵の表情が浮かんでいる。

「男の子、みたいだね」

 ボクは、清潔な布に包まれる前の赤児の股間に生えたモノに気付いた。驚くほどに小さいけれど、しっかりと付いている。


 お(くる)みに包まれた赤児は、産科医から助産士の手を経て、アルクスに渡された。アルクスはぎこちないながらも、その腕でしっかりと赤児を抱き締めた。

 そうしている間にハイダ様はもう一度イキんだ。膣から胎盤がゴトリと零れ落ちる。音は聞こえないんだけれど。そもそも音もしないのかな。

 産科医はハイダ様の股間を手早く清め、脚を閉じて服の前を閉じた。ベッドが起き上がりハイダ様の身体も起きる。アルクスがベッドに寄って、抱いた赤児をハイダ様に渡した。ハイダ様は自分の腹を痛めた我が子を抱くと、慈愛の女神のように微笑み、ふと気付いたように、ボクたちに抱いた子の顔を見せた。

 ボクたちはガラス越しに手を振って応えた。


「ハイダ様とアルクスが帰って来るのは明日だな。早く帰って、準備を整えておこう」

「そうだね。終わっているはずだけど、見落としがあるかも知れないし」

「僕も早く抱きたいな」

 分娩室から出て行くハイダ様とアルクスをガラス越しに見送って、ぼくたちも帰路に就いた。早く明日にならないかな。


 ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉ ◉


 出産の翌日、ハイダ様とアルクスは家に帰って来た。と言うか、ボクたち3人で医療センターに迎えに行ったのだけれど。

「名前は決めたんですか?」

 帰って来て、居間で寛いですぐに、ダリアンが聞いた。

「ああ。候補はいくつか出していたから、昨日、アルクスと二人で決めたよ」

 ボクたちは、じっと次の言葉を待った。


 ハイダ様は椅子から立ち上がって、赤児に授乳しているアルクスの隣に膝をつき、父乳を貪るように飲んでいる様子に目を細めてから、ボクたちに顔を向けた。

「この子の名前は、エイトだ」

 誇らしそうに宣言するハイダ様。

「エイト、か。いい名前ですね」

 ベルントが言った。ダリアンとボクも、目を細めて赤児……エイトを見つめた。


「僕も早く、ハイダ様との子を欲しいです」

 ダリアンが言った。

「そうだな。私も1人だけで終わらせるつもりはない。最低でも、みんなの子を1人ずつは欲しいな」

 ハイダ様は優しく言った。ボクの子はできるかどうか判らないけれど、それでもハイダ様は、ボクとの子も求めてくれている。言葉の様子から、それが感じられた。昔の言い伝えなどに負けずに、ボクもハイダ様との子作りを頑張らなくちゃ。


「おっと、眠っちゃったな」

 エイトが、アルクスの乳首を咥えたまま、眠り込んでしまったようだ。

「寝かせよう」

 ハイダ様が、アルクスからそっとエイトを受け取って立ち上がる。ボクもエイトのお世話をしたかったけれど、今はハイダ様に任せた。初めての子で、愛おしさもひとしおだろうし。


 ハイダ様がエイトを可動式のベビーベッドに寝かせている間に、アルクスもはだけていた服の前を閉じて、膨らんでいる胸を隠した。

「アルクスは、ブラジャーはいらない?」

 ふと疑問に思って、ボクは聞いた。

「ちょっと重い感じはするけどな、そこまでじゃないし、それにあと3ヶ月かそこらで元に戻るから、取り敢えずはいらないな。我慢できなくなったら考えるよ」

 我慢できなくなってからじゃ遅い気もするけれど、本人がそう言うならいいか。


 ベルントとダリアンは、ベビーベッドを覗き込んでいた。ボクも一緒に覗かせてもらう。エイトは可愛らしい顔で、ぐっすりと眠っているようだった。ボクにもこんな時期があったんだよな。ちょっと信じられないけれど。


「さてと。今夜は久し振りに、みんなとハメ倒すぞ」

 ハイダ様が言った。エイトを起こさないように、音量は控え目。

「大丈夫ですか? 出産したばかりで」

 ベルントがハイダ様の身体を気遣って聞いた。

「問題ない。それより3ヶ月も禁欲状態だったからな。我慢の限界だ。お前らにそのつもりがなくても、襲うからな」

「そんなことないです。僕たちだって、ずっと我慢してたんですから」

 ダリアンが嬉しそうに言った。


 ボクももちろん、ハイダ様にハメられる日をずっと待っていた。聖人の仕事で、何人もの女と身体を重ねたけれど、やっぱりハイダ様が一番だ。今夜は思い切り、ハイダ様との情事を堪能しよう。



==登場人物==


■エイト

 ハイダの長男。アルクスとの間の息子。

 ※(アルクス)の子なので、(エイ)ト。



==用語解説==


■人間

 現代の地球の人類とほぼ同じ生物。ただし、妊娠期間は3ヶ月程度。

 女に比べて、男は体力や持久力で劣る。平均身長も女の方が高い。そのため、女を中心にした社会が構築されており、男は家庭を守る役を担うことが多い。

 女は妊娠から数日で母乳を出すようになり、孕ませた男が母乳を飲むと、胸が女のように膨らんでゆく。別の男が飲んでも胸は膨らまない。女が子を産んだ後は、男が赤ん坊に乳を与えて育てる。

 一妻多夫制で、1人の女──主姐(しゅしゃ)──に複数の男──従仕(じゅうし)──が仕えるのが一般的。

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