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病状とわたし

  ジャギさんは風切羽の料理を気に入ってくれた様です。

 あれから何度も通っているとヨナちゃんが教えてくれました。


 ガストの門でチェックを受け、街に入ると、門から直ぐ近くにある冒険者ギルドに向かいます。


  軋まないスイングドアから中に入ると多くの人の視線を感じます。

 しかし、その視線の多くは、わたしの視界から逃げる様に目を逸らします。

 思うところが無い訳ではありませんが、絡んで来ないだけ良しとしましょう。


 今日は、何時もならカウンターで果実水を飲みながらダラダラしているはずのリゼさんが居ません。

 珍しいですね。

 フューイさんにでも捕まったのでしょうか?

 わたしは獣人族の受付嬢さんに話しかけます。

 

「タニアさん、依頼の達成報告をお願いします」

「はい。えーと、ユウさんが受けていた依頼はオーガの討伐ですね。討伐証明をお願いします」

「はい」


 わたしはマジックバッグ(の様に見せかけてアイテムボックス)からオーガの角を取り出し、タニアさんが取り出したトレイの上に置く。


「はい。確認しました。

 確かにオーガの角ですね。

 それにしてもやっぱり凄いですね、オーガなんて普通はパーティを組んで討伐するものですよ?」

「ソロだと、報酬の分配で揉める事とかも有りませんからね。おすすめですよ」

「ユウさん以外だと自殺行為に等しいですよ」

「ははは」


 タニアさんから報酬の入った皮袋を受け取るとギルドを出る前にクエストボードを確認しておきます。

 

「目ぼしい依頼は有りませんね」


 今日はこれから、風切羽に薬を届けに行きます。

 ついでにご飯を食べて帰りましょう。

 タバサさんの治療薬の材料はかなり集まって来ました。


 必要な材料はあと2つ、キマイラの牙とオトカの実です。

 この2つの内、オトカの実はそこまで珍しいものではないのですが、この木の実は傷みやすく、長期間の保存が出来ないので手に入る時期が限定されるのです。

  なので、オトカの実はしばらく待てば手に入ります。


 問題はキマイラの牙の方です。

 まず、キマイラはAランクの魔物です。

 討伐するにはかなりの戦闘力が必要です。

 しかも、キマイラはAランクの魔物の中でも発見例が少ない希少な魔物です。

 牙が、欲しくても見つける事が出来ないのです。


 キマイラの牙はフレイド様に期待するのが一番可能性が高いでしょう。

 稀にオークションなどでキマイラの牙が出品される事があると聞きました。

 なんとか手に入れたいです。


 

 風切羽に着きました。

 薬をバントさんに渡し、タバサさんの体調を確認します。

 病気の進行は抑えられていますが、やはり、少しずつ身体が弱っています。

 このままでは、いずれ限界が来るでしょう。

 取り敢えず今は薬で誤魔化すしか有りません。



 さて、診察は終わりです。

 今日は何を食べましょうか?

 バントさんに教えた地球の料理も良いですがこの世界の料理もまた捨てがたいです。


 悩んだ挙句、一角兎のステーキとパンとスープのセットにしました。

 ワインと玉ねぎのおろしに漬け込んで柔らかくした一角兎の肉はニンニクで臭みを消してあり、複雑なソースの味と絶妙にマッチしています。


「ご馳走様です」


 食事が終わり、お茶を飲んで一休みしていると、扉が開く音がしました。

 繁盛している様で何よりです。

 店に入って来た人物は席に座る事なくこちらにやって来ました。

 わたしに何か用でもあるのでしょうか?


「お久しぶりです、ユウさん」


 振り返るとそこにはロキさんが居ました。


「ユウさんに依頼したい事があります」

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