発見とわたし
ギルドの馬車に乗りガスタの街に帰る商人さんや護衛の冒険者達と別れたわたしは、生き残りのハーピィが逃げていった方角にデネブを飛ばしハーピィの巣を探しています。
ティナさんから教えて貰った従魔と視界を共有する魔法です。
攫われた子供の両親は一緒に探すと言って残ろうとしましたが、はっきり言って足手まといです。
どうやって説得しようかと思っていたら、リュミナスさんがはっきりと足手まといだと告げました。
さすが年長者ですね。
彼は見た目は18歳くらいの青年ですが実年齢は51歳だそうです。
まぁ、エルフ的にはまだまだ若造らしいのですが。
長命種って凄いですね。
⁉︎
「リュミナスさん、デネブが怪しい大木を発見しました」
「どんな様子だ?」
「大きな木の上に鳥の巣の様な物が作られています。
巣の中心には卵やハーピィの幼生、巣の周りにはハーピィが10体ほど常に飛び回っています」
「ハーピィの巣で間違いないわね。
攫われた子供は見つけられる?」
カナンさんの質問に答えるべくデネブの視界を通して子供を探します。
わたしは現在カナンさんが手綱を取る馬に同乗しています。
流石にシリウスに乗りながらデネブと視界を共有するのは危険だったのでこうなりました。
弓士であるカナンさんの種族はリュミナスさんと同じエルフです。
見た目は15歳くらいですが、なんと実年齢も15歳だそうです。
エルフは20歳前後で目に見える老化はほぼ止まり、老齢になり寿命がくる寸前にまた老化が始まるらしいです。
そして、エルフ同士はお互いの魔力で大体の年齢が分かるそうです。
それにしても今、わたしはカナンさんの前に座り、背を彼女の胸に預ける様にしているのですが…………カナンさんとは仲良くなれそうです。
「子供を見つけました。
やはりハーピィの巣に捕らえられています。
幸いまだ生きています」
「そうか、ハーピィは何体位いる?」
「成体がそうですね……30体と言ったところでしょうか。
しかし、1体やけにデカイ個体がいますね。
恐らくハーピィクイーンだと思います」
「ハーピィクイーンか、厄介だが勝てない相手ではないな」
「ですが、今回の戦いは子供の救出が最優先です。
ハーピィクイーンはわたしが引き受けますから、リュミナスさん達は商人さんの娘さんを救出して下さい」
「待て待て、それなら高ランクの俺たちがハーピィクイーンと戦うべきだ。
子供はユウが救出して俺たちがその援護をした方が良いんじゃないか?」
「ブライアンさんの言う事ももっともですが、わたしの戦闘スタイルは戦斧や高威力の魔法がメインです。
誰かを守りながら戦うより1人前に出て暴れる方が向いています。
皆さんは長くパーティを組んでいて連携も完璧ですし、リュミナスさんとカナンさんの精霊魔法は柔軟で対応力の高い物です。
誰かを守りながら戦うなら、断然皆さんの方が向いています。
それに、商人さんの娘さんは現在意識が有りません。
自ら動けない子供を救出するとなると、わたしでは力はともかく、体格的に厳しい物が有ります」
「確かにそうだな。
よし、ハーピィの巣に着いたら子供を確保、ブライアンが子供を担ぎ、マナとカナンが援護、俺が殿で撤退する。
その間、ユウはハーピィ、特にハーピィクイーンの相手をして貰う。
無理に倒す必要はない。
時間を稼ぎ、子供を救出したらユウも撤退しろ。
ハーピィクイーン討伐は、また討伐隊を組めば良い」
「分かりました」
わたし達は基本的な作戦を決めると、遠くに見えて来たハーピィの巣がある大木に向かって馬を走らせるのでした。




