幕間 設定公開 胡・太婀
月に一度?の令和ダンジョン設定公開。
今回は台湾編に登場した台湾の魔討士というか誅師、胡・太婀です。
相変わらず本編にはあまり関係ないので、読み物としてお楽しみください。
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台湾出身、38歳。
身長180センチほどで鍛えた筋肉質体型。
短い黒髪に鋭い目線で、顔立ちは整っているものの、緊張感というか刺々しい雰囲気を纏っています。
服装も地味なものを好みます。
真意六合拳などの複数の拳法を修めた拳法家使いであり、台湾の魔討士(台湾では誅師と呼ばれる)でもあります。
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能力は、魔素を体に纏わせて身体能力を強化するというもの。
能力としてはさほど特別なものではなく所有者が多い能力です。
作中での登場キャラとしては鏑木栞奈の能力とほぼ同系統であり、カタリーナのものとも近いものです。
そして、この能力をほぼ極限まで鍛え上げ完璧に使いこなしています。
足に魔素を集中して踏み込みを強化し、魔素を拳に集めて一撃を撃ち込む、という攻撃が主です。
これは素手の間合いの短さを補い、かつ戦闘を短く終わらせるために生み出した戦術です。
言うのは簡単ですが、踏み込みのために足に集めた魔素を拳に一瞬で集中させるのは極めて高い技術を要します。
拳法家としても達人レベルの技量を誇りますが、「ダンジョンで魔獣と戦うことを前提とした武術」のエキスパートでもあります。
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元々台南では著名な拳法家の一族で、誅師としてそれなりに熱心な活動をしていたこともあり、有望株の一人と見做されていました。
しかし野良ダンジョンでたまたま遭遇したソルヴェリア皇国の白狼士族の男に家族を殺され、その後はその復讐のために生きてきました。
斬られて倒された時に、傷で立つことができないままに目の前で妻子が切られるのを見ていました。
自分はまだ立って戦えたかもしれないのに、敵の強さや死ぬことに恐れをなして倒れたままでいたのではないかという負い目を持っており、尋常ならざる修業を積んで能力を鍛え上げ、特級に上り詰めました。
ダンジョンでの戦闘で何度も重傷を負っていますが、そのたびに個人で治癒術師に依頼してて早期に傷を治し、戦線に復帰しています。
実戦経験の密度という意味では世界屈指であり、ダンジョン内での戦闘に特化した戦い方もその賜物です。
作中では片岡君には紳士的に接していましたが、感情の起伏が激しくかなりの頑固ものでもあります。
圧倒的な討伐実績で特級となりましたが、復讐を最優先にしていたため、公社の統制を無視することも多くありました。
また、特級という地位ゆえにそれに感化される若手もいたため、かなりの問題児扱いされていました。
復讐を果たして台湾に戻った後は、後進、特に素手での格闘系への指導を熱心に行っています。
性格のせいで今一つ繁盛していなかった道場も弟子が増えて活気を取り戻しています。
趣味は茶を飲むこととバイクに乗る事。
愛車はHONDA CBR1000
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台湾の魔討士は誅師と呼ばれています。
魔討士協会にあたるのが台湾誅師公会です。ダンジョンの事は冥府と呼ばれています。
日本と同じく基本的には志願制であり、優秀な能力を持つものは公社がスカウトしたりすることもあります。
日本と異なる点としては、定着したダンジョンへの討伐参加が義務化されていることです。
誅師は定期的に討伐を行いそのことを証明しなくてはいけません。
また定着ダンジョンの討伐に必要な場合は招集がかかります。これに応じない場合は罰則(降格や金銭報酬の停止、罰金等)もあります。
日本の魔討士と似てはいるものの、もう少し軍隊というか国家組織に近い形と言えるでしょう。
日本のように甲乙などの能力の系統分類はされておらず、特級から三級までの級分けのみです。
討伐の実績とライフコアによる報奨金だけではなく、誅師には月給のような支給金が支払われます。
日本では魔討士の討伐実績に応じた優遇は若干曖昧に運用されています。
魔討士としての活動は各企業や大学などで評価されますが、その評価をどう扱うかは会社や大学次第です。
それに対して、台湾では誅師の評価方法は法律で定められています。
誅師に対する様々な社会的な優遇(家賃、交通費などの公的サービスの優遇等)も行われています。
こんな感じで金銭的、社会的待遇に明確な差があるわけですが、魔討士というか誅師の能力には、功績点を稼ぎやすい攻撃的、実戦的な能力と、功績点に繋がりにくい間接的、支援系の能力との差があります。
このため、現行システムに対しては昇格にしにくい能力持ちからの不満の声が結構あります。
ただし、一方で階級が高くなれば得られる報酬が高くなる分責任も明確に重くなり、定着ダンジョン攻略への貢献も求められます。
このため、昇格の際は口頭で承認を取るのですが、その時に昇格を拒否するものもいます。
ちなみに、日本の魔討士制度と異なり降格もあります。
訓練設備は日本よりかなりハイテク化しており、VRを用いた戦闘訓練システムなどが実装されています。
体を張って戦う近接戦タイプ、いわゆる乙類の方が尊敬されるのも日本とは違う独特の特徴です。
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