戦闘
合図と共に蓮の攻撃が始まった
見てて惚れ惚れするほどに熟練されて驚いた
魔法攻撃、防御、移動と次から次へと繰り出されるが真紀には全てが止まっているようにしか見えず、さらりと交わしていく。
「逃げていても俺は倒せないぜ」
「はい」
興味が湧いて、どんな魔法が出すのかも知りたかったせいか攻撃をしないで交わしていた
一通り見たし、そろそろこっちも始めよう
魔法攻撃が来る瞬間に移動し、一撃を食らわせ元の場所に移り交わす。
一見すると攻撃を私がしているようには見えていない。もちろんそれには魔法を使うことはないので脚力のみで移動していた。
!?
あ!これは異世界でない、間違ったかも、しばらくそれを続けた真紀は体に異変を感じていた。普通の人がやれば体は持たない事に今更ながら気がついていた。
忘れてたよ、ここ現代だった。体の身体能力のストッパーを解除して限界まで引き出していたのはいいけど体が痛い、魔法に切り替えよう。そう思った時
バタン!
あれ?
蓮が目の前で泡を吹いて倒れていた
「ちょっと大丈夫?」
嘘だ、あの人はずっと逃げていただけなのになんで俺が倒れているんだ?
そう思った時には意識が飛んでいた
「真紀、今なにをしたの?」
「なにもしてないよ。ただ攻撃して元の場所に移り、攻撃を交わしていたの。そろそろ体が限界だったから魔法に切り替えようとしたら倒れた」
今なんて?攻撃をしていたの?いつから?全く分からなかった。魔法を使ってないのはわかっている、ここには魔法感知を施してあるから、ってことは魔法を使わずに蓮を倒した事になる
真紀を見つめて驚きを隠せずにいた
「そ、それじゃ?」
「え?ただ殴っていただけ。別に変な事はしていない」
ここまですごいとは思いもよらなかった
この人はここで葬る方がいいのでは?そう思った時に芽衣の意思とは関係なくに時間が止まるが真紀は止まらなかった。
「はぁーやっぱりこの人達は私の配下にはなれないのかな」
サイコロの防御が働いて真紀は動けていた
芽衣の側にいき彼女に触ると芽衣が動き出す
「な、なにが起きたの?」
「能力の暴走だと思う」
「みんな」
芽衣が触れても周りの時は進まなかった
「どうして?どうして動かないの?」
慌てる芽衣
「落ち着いて」
真紀は冷静に物事が考えられていた。こんな事異世界では日常に起こっていたおかげでもある。現代に来てからは心細さに襲われ精神がやばかったけど
「これが落ち着いていられる?」
「ええ、時が進まないのでしょう。今から私がなんとかするから」
「なんとか出来るわけがないでしょう」
混乱までもが芽衣を襲うがそんな事どこ吹く風で真紀は彼らの元に歩み寄り彼らに触れて回る
「え!」
「なんだったんだ?」
「なになに?」
「さっきまで私は?」
などと口々にくちばしる
「芽衣これで全員時間の流れができたわよ。でも周りはまだ時は始まっていない、世界の時計が止まったまま」
「なんでそうなったの」
「芽衣貴方心でなにを思ったの?なにかを望まなければそうにはならない、ましてやアデルバートと知り合いなら尚更、アデルバートもそうだけど貴方達も同じと考えると、なにかを望まなければそうにはならない。どうなの」
なにかを望まなければ?私が行ったいなにを望んだと
!?
まさか、そんなまさか
「その顔は心当たりがあるのね」
青ざめた芽衣の顔を見る
「そんな、嘘よ。貴方を消したい思うだなんてありえない」
「きっとそれだわ。願いはただ思うだけでは無理、本心でなければ、それは時が知る事が許されたもの。だから本人の意思に関係なく発動した」
「なんで真紀がそれを知っているのよ」
「その答えはアデルバートがさっき教えてくれたと言ったら信じてくれる?」
「アデルバートは貴方に取り込まれたはず」
「そう、私の中にいる。存在しているのよ。出てくるなんてないと思っていたのだけど、声が頭に響いてきたの」
あの時、時が止まって直ぐ
声が頭に響いた
《真紀?真紀聞こえるかい?》
異世界にいる時の感覚を思い出し答える
《ええ、まさかとは思うけどアデルバート?》
忘れていた記憶が蘇る
私はアデルバートを取り込み異世界と現代の導きをしないといけない事ももちろん理解しているし、それを教えてくれたのも彼なのだから
《そうだよ、真紀ごめんね。いやマリーと呼ぶべきかな?》
《どっちでもいいよ》
《なら、真紀と言おう。今は現代にいるのだからね》
《急にどうしたの?私と一体になったはず》
《もちろん一体になっているよ。ただ緊急事態用の魔法が発動して僕が現れた》
《緊急って事はこの事態を予測していたって事だよね。その解決策は?》
《真紀はすごいな理解が早くて助かるよ》
《つい昨日までは精神やられて崩壊しかけていたけどね》
嫌味ったらしく言った。元はといえばこいつがで出てきた辺りから異世界は大変なことばっかり、頑張って異世界なんとかして現代に戻ればこれだ。こっちの身にもなってほしい
《真紀も大変だったね。時間もないから悪いが説明させてもらう》
《わかった》
どうせ勝手に言って勝手に終わりにしたんだから、今回もそうなんでしょうね。緊急って言っているから当たり前か。
《今目の前にいる芽衣の能力は元々真紀のいやマリーの能力なんだよ。でも昔の幼い君には能力を使いこなせないから変わりの者に託した。それが俺が作り出した芽衣なんだ。それとあの子の魂はないんだよ。時間そのものがあの子自身なんだ》
《あのー理解するの大変なんですかど》
《簡単に言えば時間を元に芽衣を作り出して能力をマリーから取り出して移したって事》
《それならわかる》
《それで暴走している時間を止める事が出来るのも君なんだ》
《どんどん私の役割大変になっていない?》
《たしかにそうだね、真紀が成長したという証拠でもある。この力が使えるようになればきっと君の役に立つはずだから、でもその前に彼女を止めて》
《彼女の能力が私のものなのは理解したけど、彼女をもし、取り込んだとしたら彼女は時間に戻るの?》
《ああ、ここにいる5人は全ての能力に。彼らの力は最初から君のものだから戻ると言った方が正解だよ》
《なら、いらない。性格がそれぞれ確立されてて、人として見てしまっているんだから、殺しているようなものじゃない》
《君は優しいな、そんな君だから僕は選んだんだ。安心してそう言う思ってもう1つの課題を君にあげる。この現代に依り代となると器があるはずなんだ。彼らをさらに移せばきっと大丈夫だから》
《器?》
《そう、器。その方法は本の中に入れておいた。これが僕から最後の助言。これ以降はもう君と完全に一体になるから声を届けてあげる事はない。さあ、彼女を止めて器を探して君なら出来る。木が託したように僕も現代と異世界を託そう。幸運を祈るよ》
《ちょっと待ってまだ聞きたいことがたくさんあるんだから》
真紀の中に眠るように聞こえなくなった声
《聞いてるの?》
!?
いつもみんな身勝手な事ばかり、人の気も知らないで
「頭に?」
「そう、なんでも緊急魔法らしいわよ」
「そんなことまでできるなんて」
「アデルバートなら当然だと思う。それより始めるわよ」
「え!何を?」
「さっきも言ったでしょ、現代の時計が止まってしまったと」
「だから何を?」
「ふふふ、見ててね」
真紀は現代の時計を出現させる、見た目は手のひらサイズ古時計だった
「その時計が何?」
「見て時間が止まっているでしょ?」
「それは見ればわかる。それがどうしたの?」
「この時計現代の時計よ」
「現代の時計ってことはまさか!!」
「そう、そのまさかよ」
ゆっくりと現代の時計に秒針にふれると時間が時を刻み始めた
「これで全ての時間が始まった。この中は止めておいた方が良さそうだから触れる事はしないわよ」
「でも、どうやって」
「それは魔法を解除しただけ、何の魔法かわかれば指定して解除するだけ」
「そんな簡単に出来る事ではない」
「きっと普通はそうなのかもしれないけど、私は出来るんだよね。周りから見れば理不尽と思われてしまうだろうけどその辺は諦めているよ。出来るんだからなんて言われようとも出来るんだからね」
「絶対的な存在って事なのね」
「そうかもしれない」
敵うわけがない、こんなにも強い人見たことがない。てっきりアデルバートだとばかり思っていたのにそれ以上の人がこの人だとは、だからアデルバートが託した理由がわかった
「ゔぅ!」
「あ!気がついたみたい」
蓮が意識を取り戻し始めた
「蓮、大丈夫?」
「お、俺は?」
「蓮貴方負けたのよ」
「そうかって」
勢いよく体を起こす
「ゔっ!」
痛みで顔が歪む
「そんなに急に体を起こさないの」
「俺に何をしたんだ?何が起きて俺は倒れた?」
「攻撃を食らって倒れたのよ」
「そんなはずはない、俺は攻撃など食らってないぞ」
「そう見えただけ、早すぎて痛みが後からやってきたに過ぎない」
「人間にそんな事が出来るわけがないんだ」
「普通はそうなんだよ、でも私は出来る他人ができない事が出来るの」
「そんなの信じられるか」
「しょうがない、証明すればいいのね」
「出来るの?」
「出来るわよ。美月悪いんだけどこのハンカチを持ってその手を前に出して立ってて。蓮が見えるギリギリまで下がって」
「私が?」
「お願い」
私も気になるし
「わかった」
美月がギリギリまで下がった
「じゃ始めるわよ、あのハンカチを取ってここに戻って来るから、それと同じものを持っていないかを確認して、魔法を使ってないかの結界を張っておいてね、もちろん強力なやつね」
「わかったわ」
芽衣が結界を張る
「いいかしら?」
「ええ」
「蓮しっかり目を開けて見ているのよ」
「わかった」
ハンカチを持っていないかの確認も済んだ
「行ってくるわね」
ドン!
音が聞こえた時には戻って来ていた
「痛った!」
真紀はハンカチを持って戻っていたが体の痛さで跪いていた
「真紀?」
「ほら、ハンカチだよ」
足をさすっていた
これしばらくは使えない。
「本当にだったのか」
手渡したハンカチを見て驚いていた
「でもしばらくは使えないけど」
「なぜ?」
「流石に体に負担が大きすぎて悲鳴あげているから、これ以上したら動けなくなるの」
「ちょっと見せて」
拓海が真紀の側にやって来た
「何をするの?」
「回復できるか見るんですよ」
現代での回復は諦めていたんだよね。だって魔力の消費が激しすぎて出来ないことは無いけど、回復した後動くのは出来なくなるから防御を自動にして消費を抑えていたんだよね。なぜか現代だと回復に使う魔力が多いいのは不思議なのだけど、かなり抑えていてもそれでも厳しい、それをするって事出来たら教えてもらわないと
拓海が体を見ていると
「出来そうです」
「本当!やって」
「わかりました」
拓海が詠唱を唱え始めた
「光の精霊、我に力を貸してこの者に回復への導きを示せ
コンバリーセ」
体の痛みが消えていく
そうか、精霊ならここでも使えるんだ。でも精霊っておとぎ話ではないのかしら?異世界ならまだしも現代で精霊を呼び出す事が出来ればもっと簡単にできるんじゃない?
拓海の詠唱で閃いた。
やる事が決まったわ、まず精霊があるのであればそれを仲間にする方がいいわよね。詠唱があると言う事は精霊がいる可能性が高いわけで、それを仲間にすれば今後役に立つ者ね。あ!八雲!あれ精霊じゃないの?
よくよく考えてみればあやつ帰る事ができないって言っていたような気がする。すっかり忘れていた。
八雲のちっちゃいおっさんの顔が目に浮かぶ
そうと決まれば八雲に合わないとってその前にどうやって現代に連れてくるかよねぇ
そんなことを考えていると
「終わりました。ゆっくり動いてください」
声が聞こえた
「え、ええ」
体をゆっくり動かしてみる
「どこも痛くないし、前よりも楽になった気がする」
「体のあちこちに損傷が見られたのでそれもついでに直してもらいました」
「ありがとう、拓海ちょっと聞きたい事があるのだけど」
「はい、何でしょうか?」
「あのね、精霊っているの?」
「います」
「それはどうやって会うの?」
「会うと言うよりも浮遊しているといった方が正しいです」
「例えばその長みたいなのはいないの?」
「いるとは聞いた事があるのですが、見た事はありませんし、どこにいるかもわからないのです」
「そう、なら召喚とかは無理そうね」
「召喚?ここでそんなことをしたら干渉しすぎてしまいますよ」
「そうなのよね、精霊には属性みたいなのはあるの?」
「それはあります、精霊には火、水、風、土、光、闇があります」
「その辺は向こうと同じなのねぇ」
召喚がダメだとしたらほかに方法としては魂をこっちに飛ばす事なんだけどそれではカリドがしていることと同じになるし何かいい方法がないものかしら
「真紀さん、精霊と対話なら出来るわ」
「本当!どうやって?」
「確か海外にそのような場所があるんです」
地図を芽衣が懐から出した
「よく持っているわね」
「移動が多くてないと不便なのよ」
「携帯とか使えばいいんじゃないの?」
「ここでは意味をなさないのよ」
自分もポケットから携帯を取り出すと
真っ黒な画面になっていて全く使えなかった
「本当ね、でもここでも使えるようにすればいいのでは?」
「それだと時を進めなければならなくなって、ここの意味がなくなるし、問題は何かあった時にここに投げ込む事が出来るようになっているんだけど、すぐに見つかる可能性が高くなるからしないの」
そう言う理由なのね
地図を広げて
「確かこの辺りだったはず」
「なら、そこに行きましょう」
「え!今から?」
「そうだけど、何か問題あるの?」
「あのですね、先程回復したばかりなので完全に完治するまでは普段の生活だけにとどめてもらわないといけないのです。あくまでも応急処置で光の幕が損傷した所を繋いでいるだけなんです。その光の幕と細胞が馴染めば一気に完治するのですが早くても12時間は普段の生活をして休ませて欲しいです」
拓海が説明をしてくれた
「そうだったのね。わかった無理してこの後に差し支えが出ても困るから私も帰って寝るわね」
「そうしてください」
「芽衣もいいでしょ?」
「その方がいいわ」
扉に向かって歩き出しドアノブに手を掛けると
「もし可能なら私の家の中にこの扉設置出来ないかしら?」
「わかったしておくわね」
「それと、子供に知られたくはないから見えないように出来たらお願い」
「わかったわ」
扉を開け外へ出て行った
「芽衣様、真紀さんはとんでもない人ですね」
「ええ、私もここまですごい人だとは思いもよらなかった。本当に驚いているのよ」
「俺も歯が立たなかった、真紀さんに遊ばれているようにしか思えなかった。戦っていて戦っているなんて思えない程に」
「見ててもわかった、所どころ考えながら対応していたからな」
「そうそう、あの人が本気で何かをしたら全てを滅亡させてしまうかも」
「美月やたら滅多なことを言うな」
「だって」
「そうよ、あそこまで広大な力の前には赤子も同然なのはわかるけど、それでも私たちの役割を忘れてはダメよ」
「アデルバートが俺たちに託したものをまっとうするだけだ」
「みんな、まずはこれでよしとしましょう。これからは真紀さんの力になるのよ」
5人は頷いて各場所に散っていった




