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第16話 3人パーティーでのレベル上げ

 「ここが地下19階か」


 俺達はリンネのレベリングを行うために、地下19階へ移動して来た。

 このフロアの魔物を全滅させる勢いで経験値を稼ぎ、そのまま地下20階へ突入し、ボス戦へ挑む作戦だ。

 地下19階の様子は至って普通のダンジョンという感じだな、ここにはどんな魔物が出るんだろうか。


 一応、三人パーティーでの実戦デビューも兼ねているので、連携を意識して立ち回って行くつもりだ。


 「よし、出来る限り前衛と後衛を意識して戦って行こうか、ラセツは前衛で敵に突っ込む、リンネは後衛で回復やカバーを意識してくれ、俺は中衛としてラセツをカバーしつつ、敵を倒す事も意識して立ち回ろう」


 軽く打ち合わせを行い、各々の立ち回り方を確認した。シオンは今はリンネの肩に乗っている。このパーティーの中で一番安全な場所をキープする辺り、さすがと言うべきか。


 しばらく通路を進んで行くと最初の魔物に遭遇した。

 地下19階で初遭遇した魔物は、二メートル程度の大きさの蜥蜴だった、全部で三匹いる。

 辺りをキョロキョロしながらノシノシと俺達と反対側へ向かって歩いていた、当然こちらの存在には気付いていない。


 「確か、あいつはポイズンリザードだったな」


 鑑定するまでも無く『NHО』での記憶を頼りに魔物の素性を確認する。確かあいつはランクDだったはずだ。

 ステータス的にも高く無いので、俺達ならば簡単に倒せるはずだ。


 「まずは、あいつらから倒そうか」


 ラセツと俺はそれぞれ剣を抜き、気付かれないギリギリまで近付いていく、二人の射程距離に入った瞬間……


 「……よっしゃぁ!行くぞ!」


 俺の掛け声と共に一気に斬りかかる、それぞれの斬撃で一匹ずつ両断し、瞬く間に光の粒子となって行く。

 残りの一匹は驚きながらも、俺の方向に向き直り、大きく口を開けて何かを吐こうとしている様だ。


 「……毒液か!?」


 ポイズンリザードのスキルである、毒液を相手に吐きかけるための予備動作に入っている。

 俺は咄嗟に回避しようとしたが、それより早くラセツがポイズンリザードの背後から両断した。


 毒液を吐く間も無く、粒子となり消えて行くポイズンリザード、やはりこのフロアの雑魚敵レベルでは、今の俺達の相手にならない様だ。


 「……まあ瞬殺だな、一瞬で倒してしまったから、リンネの出番が無かったな」

 「でも、経験値は入ったみたいですよ、この調整でどんどん倒して行きましょう」


 パーティーを組んでいると、何も手を出さなくても経験値は入る仕様みたいだな。

 それならば、この調子で俺とラセツでどんどん敵を倒して行けば、リンネのレベリングも捗るに違いない。


 「それじゃあ、この調子でドンドン行こうか、ラセツも今まで使えてない新しく覚えたスキルなんかも試しながら戦って行こうか」


 敵のレベルも低いみたいなので、経験値稼ぎのついでに、スキルの試し打ちも兼ねるか……時間は有効に使わないとな。


 ……という訳で、ここから俺とラセツでひたすら敵を倒しまくった。

 俺とラセツの後ろから肩にシオンを乗せたリンネが付いてくる。


 この階の魔物はポイズンリザードか、それと同等の魔物しか出て来ない様なので、ほとんどダメージを受けなかった。つまり、リンネの出番がほとんど無かったという事だ。

 欲を言えば、回復役との呼吸も合わせて置きたかったが、こればかりは仕方ないだろう。


 30分もすれば、地下19階のほとんどの魔物を狩り尽くしてしまい、エンカウント率が下がって来た様に思える。以前と同様の打ち止め現象だろう。


 「よし、かなり経験値を稼いだな、一度それぞれのステータスを確認してみるか」


 俺達は各々のステータスを確認する事にした。


 まずは俺のステータスからだ……



 名称:ヤクモ スメラギ

 クラス : 見習い魔王 

 ランク : C

 Lv  : 28

 HP  : 13201320

 MP  : 1311/1311

 攻撃力 : 1269

 防御力 : 1004

 魔法力 : 1497

 素早さ : 1077

 スキル : 魂の共有(ソウル・シェアリング)

       鑑定

       闇魔法〈Lv5〉 

       魔王剣

       聖魔合一



 今回のレベル上げでレベルが4上昇している。ステータスも全ての数値が四桁になり、順調に成長している。


 次にラセツのステータスを確認すると……



 名称:ラセツ

 クラス : ゴブリンジェネラル・ソードマン

 ランク : C

 Lv  : 21

 HP  : 831/831

 MP  : 744/744

 攻撃力 : 872

 防御力 : 767

 魔法力 : 0

 素早さ : 801

 スキル : 剣王の覚悟

       鬼王剣

       剣術〈Lv5〉


 こちらも順調に育っている様だ、ステータスの各数値も、もう少しレベルを上げれば軒並み四桁に届きそうな所まで育っている。

 剣術スキルもいつの間にかスキルレベル5まで上昇している。


 最後にリンネのステータスを確認した……


 名称:リンネ

 クラス : アンデット・プリースト

 ランク : C

 Lv  : 14

 HP  : 583/583

 MP  : 766/766

 攻撃力 : 221

 防御力 : 244

 魔法力 : 679

 素早さ : 233

 スキル : 聖王の慈愛

       魔王の加護

       回復魔法〈Lv6〉


 一気にレベルが13も上がっている。

 ステータスもかなり上昇しているし、これなら地下20階でのフロアボス戦へ挑んでもそれほど危険は無いだろう。


 「これで準備万端だな、このまま地下20階のキラートレントへ挑もうと思うが大丈夫か?」


 二人共、問題無いと頷いたので、このまま階段を下り、地下20階へ進む事にした。

作品をご覧頂きありがとうございます。


現在、第一部終了まで書き溜めてあるので、しばらくは毎日更新を続けさせて頂きます。

評価を付けて頂けると本当に嬉しいです。

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