表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/128

ギルドと試験

投稿が遅れたのでいっその事朝に投稿。


2015/07/13

魔法少女ネタに反対の声が多数寄せられたので修正しました。

 次の日の朝はちゃんと起きた。さすがに二日連続で20時間睡眠をするような人では無い。多分。


 俺が部屋を出ると同時にジョズが部屋から出てきた。どうやらジョズも今起きたらしい。


 俺達は宿屋で朝食をとると今後について話し合う。


「まずは服を買いに行こう。いくらなんでもそのマントじゃ目立ちすぎるからな」

「え? このマントって目立ってた?」


 確かに町の中にはあんまり見かけない。


「そこまでおかしいってわけではないがそういう服装は珍しいからな」

「それは早く知りたかった……まあ俺も今の替えの服もこれしかないし買いに行くか」


 ジョズはパンをスープに浸して食べながら、


「その後は冒険者ギルドだな。俺は昨日行ってきたがあんたはギルドカード持ってないんだろう?」


 と言ってきた。


 冒険者ギルド。物語の中では定番中の定番。テンプレ通りだったら柄の悪い奴に絡まれて返り討ちにしちゃってギルドの中で目立ってしまうあれだろう。


「それもそうだな。俺もこの金でずっとは暮らせないし、仕事がほしい」


 俺らは宿を出ると服屋に向かう。道は昨日ジョズがギルドの帰り道に見つけたと言っていた。


「ここか……」


 思ったより普通の家だ。中に入っても可愛い女の子が接客をしてるだけの服屋だった。


 こういう所ってガチムチのオネエみたいのが接客をしている事も――小説の中では――割とある事だったので覚悟をしていたが特に問題はなかったようだ。


 そこで町の人と同じような服を適当に何着か購入する。平民の服だからか王城にあった奴よりも着心地が悪いがこんなものだろう。


 俺達は服を宿屋に置いてくるとギルドに向かった。


「へー、ここがギルドか」

「そうだな。どの街に行ってもあのマークがついているから行けばすぐに分かる」


 冒険者ギルドは他の木造建築とは違い石造りの家だ。更に扉の上には剣と槍がクロスしている模様が描かれている。ジョズによると、どこに行ってもこのマークがついているらしい。


 中に入るとそれはもうまるでテンプレな冒険者ギルドだった。


 依頼書が掲示板に貼り付けられてあり受付の近くで冒険者たちがたむろ。更にギルドの端っこには酒屋のような所があって冒険者のパーティーが祝勝会を行っている。


「取りあえずカードを発行しないとな。受付の端っこだ」


 ジョズに促されて受付の端っこに並ぶ。何でもカードの発行は時間がかかるから端っこに並ぶのが暗黙の了解なんだと。


 順番はすぐにやってきた。俺が受付の前に出ると割とイケメンなお兄さんが受付をしていた。お兄さんかよ。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で?」


 素晴らしい営業スマイルを向けて話しかけてくる職員。俺も愛想笑いを浮かべつつ、


「冒険者のギルドカードを発行しに来たんですけど」


 と言った。お兄さんは笑顔を浮かべたまま、


「ギルドカードの発行には大銀貨1枚がかかりますがよろしいですか?」


 と聞いてきた。確か入口でもらった仮身分証があるはずなのでそちらを出せばただで作って貰えるのだろう。


「えっと、入口でこの仮身分証をもらってきたんですけどこちらでよろしいですか?」


 俺が言うと職員さんはさっと紙を見て受け取ってくれた。どうやら問題なかったらしい。


 職員さんは横にある紙を一枚とって俺の前に出す。


「ではまずこちらを記入してください。代筆は必要ですか?」

「いえ、大丈夫です」


 代筆を聞くという事はこの世界の識字率はそこまで高くないのだろうか。


 俺が紙に目を落とすと氏名、性別、年齢、住所、職業、志望動機の欄があった。志望動機ってなんだよ、面接か。


「この職業というのは?」

「剣が得意なら剣士、魔法が得意なら魔術師、などを書いていただければよいです」


 それを聞くと俺は紙に記入していく。


[

【氏名】 セイイチ

【性別】男

【年齢】17

【住所】不定

【職業】魔法剣士

【志望動機】生活のため

]


 俺は書いた紙を職員に提出する。職員さんはそれを見ると


「魔法剣士、ですか」


 と言ってきた。え? この世界って魔法剣士ないの? 割とメジャーな職業だと思うんだが。


「魔法剣士って言う職業はないんですか?」


 俺が受付の職員さんに聞くと職員さんは曖昧な表情をする。


「ある事にはあるんですが、基本的に剣士は剣士、魔法使いは魔法使いと別れていて、両方をやろうとするとどうしても器用貧乏になってしまうため結構マイナーな職業なんです」


 なるほど、確かに普通は一方を極めようとするわな。


「それでは次にこちらの魔道具を腕に巻きつけていただけますか?」


 職員さんは紙をしまうとすぐに血圧の測定具のようなものをとりだした。


 俺がベルト部分を腕に巻いてひもで縛ると、数秒程締め付けられる感覚があった。


「はい、大丈夫です。魔力波を測定させていただきました。ギルドカード発行までには少々時間がかかりますが、その間にギルドの説明は必要ですか?」

「はい、お願います」


俺が言うと職員は一度奥に引っ込んで中の人に紙と魔道具を渡してすぐに戻ってきた。


「それでは説明させていただきます。

冒険者にはランクがあって下からF,E,D,C,B,A,S,SS,SSSとなっております。また、DからSSの間には+と-の記号が付き、自分がそのランクの中でどの位なのか、という目安程度になっております。

また、カード発行時には一度だけ試験を受ける事ができ、それに合格すればランクは最大でDにまで上がる事ができます。

さらに、ランクが上がると様々な特典が利用できるようになり、例えばC-以上のランクの方にはギルドの銀行が使えるようになるなどの特典があります」


 つまり冒険者ランクが上がれば上がるほど待遇が良くなるのでがんばってランクを上げろということか。


 話を聞いていると奥の女性がカードを持って来て受付の男性職員に渡した。おそらくあれがギルドカードなのだろう。


「お待たせしました。これがギルドカードです。ギルドカードは紛失すると再発行に大銀貨1枚がかかります。また、余り何度も紛失すると再発行に必要な金額が増加していきますので気を付けてください」


 職員さんは俺にギルドカードを渡しながら説明する。要するにあんまりなくすとどんどんペナルティーが科されるということだろう。


「それで、試験の方はいつ受けられるんですか? あと試験の内容は?」


 俺はギルドカードを受け取りながら聞く。別に薬草採集から始めてもかまわないがどうせなら依頼料が高価な高ランク依頼を受けたい。


「試験の内容はC+ランク以上の方の中から試験官をこちらで選び、そちらの方と一対一の決闘形式の試合を行います……えー、今ならちょうど試験官の方がギルド内にいらっしゃるので今すぐ受けることもできますがどうされますか?」


 職員さんは手元にある書類を確認して尋ねてくる。どうせ武器なんて木刀しかないのでいつでも行ける。


「はい、大丈夫です」

「では、連絡を取ってまいりますので少々お待ちください。その間はあちらに腰掛けていただいて大丈夫です」


 俺が了承すると職員さんはどこかに行ってしまう。別の職員さん――今度はお姉さんだった――が間髪いれず受付の席に座ったが後ろも列ができているので俺は列から出てギルドの壁際にある椅子に座って待つことにした。


 待っている間することもないのでギルドの本棚にあった魔法書を読んで待っていると数分で職員さんが試験官と思われる女性を連れてこちらにやってきた。


「お待たせしました。こちらが本日の試験官になっていただくセレナさんです」


 職員のお兄さんが紹介するとセレナと呼ばれた女性が手を上げて挨拶をする。


「はじめまして~。セレナ・クリスで~す。今日は私が試験官を務めま~す」


 セレナさんはおっとり……いや、かなりのんびりしている女性だ。本当にこんな人で大丈夫なのだろうか。


 俺がチラッと職員さんをみると俺の思考を察したようで職員さんが説明を入れる。


「セレナさんはこのギルドで唯一のA+ランクの冒険者です。実力についてはギルドの方が保証させていただきます」


 ……この人がA+ランクか、人は見かけによらないってことだな。


「それでは、試験場に移動しましょう」


 職員さんはそう言うと近くにある階段を下って行った。俺達も職員さんについて階段を下って行く。


 階段を下るとそこには試合用のスペースがあった。


「こちらは決闘場です。ギルド側に事前に許可をもらえばだれでも利用が可能です」

「その代わり地面がえぐれたらちゃんと戻しておかないとだめよ~?」


 職員さんの説明にセレナさんが付け足す。この人も決闘場を使った事があるのだろうか。


 俺達はその決闘場の奥にある扉の向こうまで行く。そこにも先程と同じようなスペースがあった。


「こちらは試験会場です。こちらは試験の時以外は冒険者の方は利用することができません」


 職員さんは説明をしつつ俺達二人に位置に着くように言う。


試験会場は大体30m掛ける20mほどの長方形だ。向かいあうと意外に距離がある事が分かる。


「それでは準備はよろしいですか?」

「はい」

「大丈夫ですよ~」


 職員さんは戦闘スペースから少し外れた所に立っている。おそらく審判なのだろう。


「それではよーい……はじめ!」


~~おまけ~~

誠一が用紙に職業を書き込む場面で。(本編とは全く関係ありません)


[

【氏名】セイイチ

【性別】男

【年齢】17

【住所】不定

【職業】魔法少女

【志望動機】世界の平和を守るため

]


 俺は書いた紙を職員に提出する。職員はそれを見ると


「この『魔法少女』をいうのは?」


 と聞いてきた。そりゃそうだな、うん。


「そのまんま、魔法が使える少女の事です」

「失礼ですが、男性では?」

「私の故郷ではとある猫と契約をすれば誰でも魔法少女になれるという言い伝えがあるんです」


 ねーよ、そんなもん。


 ……そしてその後。都市ジェークルではでたらめな強さを持った『男の』魔法少女のうわさが広まって行ったという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ