第20話:ランキング上昇
ダンジョンから家に帰えると、まずは洗面所に向い、着ていた物を洗濯機に突っ込んだ。
そして、そのままお風呂に直行して、汚れを落とすと湯船に浸かって、疲れた体を癒す。
湯船に浸かりながら、今日の探索を思い返す。
今回は初めて、地下10階まで潜ったが特に苦戦することもなく、難なくボスを倒すことが出来た。
むしろ呆気ないくらいだった。
今日の敵の強さからして、今のままでも15階くらいまでなら潜っても、十分に平気だと思う。
それでも死にかけたことがある俺には油断は禁物なので、レベルが15になるまでは地下10階まででレベリングするのが無難かな。
それにしても初めての宝箱を逃したのは痛かった。
「ハァ~」
思い出すだけでため息が出てくる。
気分も下がってまったし、もともと長風呂をする方ではないので早々にお風呂から揚がると、乾かすのもほどほどにバスタオルを頭に掛けたまま、台所に移動して湯上がりの一杯。
ソファに腰を降ろし、ひと息吐いてから今日の成果を確認する。
「ステータスオープン」
レベル13 御影優斗
スキル
・索敵Lv:5
・危険察知Lv:6
・体術Lv:5
・身体強化Lv:10
・影魔法Lv:5
・闇魔法Lv:6
・超回復Lv:10
・サイドステップLv:6
エクストラスキル
・地図
・アイテムボックス
・鑑定
思っていたよりもかなり、レベルが上がっている。
この調子なら地下15階くらいならすぐに到達出来そうだ。
次に探索者カードの確認をする。
「おぉ!」
探索者ランキングが60万番台から飛躍的に上がっており、現在は10万番台となっていた。
「俺もとうとう『10万の壁』に挑戦か」
『10万の壁』とは別名『中級探索者の壁』とも呼ばれており、順調にランキングを上げていった探索者達がぶつかる壁である。その要因はダンジョンに携わる警察や自衛隊による。
警察や自衛隊は日夜、調査や安全の為に仕事としてダンジョンに潜っており、その数は全国で約10万人いると言われている。
その為、一般探索者達よりも長く多くダンジョンに潜る機会があり、必然的にランキングも上がっていく。
この10万の壁を突破出来なければ、トップランカーになることは叶わない。
大きな壁のひとつだ。
まあ、今の俺なら1ヶ月もかからないうちに突破出来るだろうが。
順調なスタートに顔をほころばせながら夕食を済ませ、ゆっくりしているとアイテムボックスにスマホをしまいっぱなしになっていることに気付き、慌てて取り出す。するとすぐにメールを受信した。
差出人は大氾濫が起こってから、家族と共に疎開した親友の1人からだった。
メールの内容はいい加減、避難した方が良いんじゃないかとか、調子はどうかといった内容だったので順風満帆だと返して、今日撮ったばかりの宝箱の写メを送り、いかにも充実していますみたいな内容を送り強がってみた。
メールを送信するとすぐに返信が来て、宝箱からは何が出たのか、しつこく聞かれたが俺は頑なにそれは言えないや夢や希望が詰まっていたとはぐらかし親友と何度も同じやりとりをした。
そもそも取り逃したので答えられる訳がない。恥ずかしいから絶対に言わないし。
親友とのメールのやりとりの途中、陽輝からもメールが来た。
陽輝には今日から探索を再開することを告げていたので、無事に帰ってこれたかの確認と余程、鬱陶しかったのだろう陽輝から初めて聞くスポンサーに対する愚痴のメールだった。
俺は無事に探索出来たと簡単に返信し、どう見ても誰かに愚痴を聞いてもらいたそうだったので後はひたすら愚痴の聞き手にまわった。
なんでも今日は宣伝の為にスタジオで1日中、写真撮影をさせられて撮影後はスポンサーのお偉いさん達と食事会に付き合わされて、孫が探索者に憧れているから安全にレベリングしてくれとしつこく頼まれたりと結構面倒くさいことがあり、ようやく先程終わったらしい。
プロ探索者、なんて大変なんだ。俺はお金に余裕が出来たし、絶対にならないとこう。
そんな陽輝からの愚痴メールは深夜遅くまで続いた。
面倒だからもう電話してこいよと言いそうになったけど、もっと長くなりそうだったからやめといたよ。
陽輝よ。もう日付けが替わってしまったが今日はゆっくりと休んでくれと心から思うのであった。




