19、高校二年生 嵐の前に落っこちて 上
教室の窓ガラスはまだ曇っていないが、それもいつの間にかすぐであろう。
窓から見える木の葉は大分色付いてきている。
「もうすぐ秋口だねぇ~」
「…そうだねー」
お花ちゃんが持って来た紅くなり掛けのもみじを見ながら、目を細める。
この時期は思い出すことがあるから苦手だ。
「あ、りこちゃんの誕生日、明後日だねぇ~」
「お花ちゃん今年も泊めてくれないかな?」
「私はいいんだけど~」
やったと喜ぼうとした瞬間、お花ちゃんは眉を下げて少し小首を傾げた。ふんにゃりとした笑みと共に、緩やかにうねる髪が揺れる。
「家族と過ごした方がよくないかなぁ」
その言葉に一瞬息を呑みつつ、すぐさま取り繕いおちゃらけて言葉を被せた。
「普段一緒に居るからだーいじょーぶ! お花ちゃんとラブラブパーティでお菓子デートぐふふふ――」
「利根田さん? ちょっと向こう行ってくれる?」
お花ちゃんをぎゅーっと抱き締めようとしたら、首襟を掴まれて聖也くんに放られてしまった。
近頃、私の扱いが益々酷くなった気がする。
というか、大神の方に渡そうとするなし。
とはいえまるで成熟した夫婦の様なお花ちゃんと聖也くんの様子を眺めていると、心の栄養が補給されるのでそれはそれで良いものである。カップルチューバ―にでもなったら私は毎日視聴すると此処に宣言しよう。
私が心でいつもの様に拝んでいると、ベルトコンベアーの如く受け取って私の首襟をゲットした大神に呆れ顔で見下ろされてしまった。そんなに酷い顔であろうか。いや、これは仕様なので仕方ないのである。
「お前も懲りないな」
「私の辞書に懲りるという文字はない!!」
「胸を張るな」
呆れた溜め息を吐く姿は、彫の深い精悍な顔つきを彩って色っぽい。高校二年生になって益々背が伸び、今では身長一八〇センチ程だ。聖也くんも同じ位であり、我が止まってしまった四捨五入して一六〇センチを見倣って欲しいと常々思う。なお、ちゃんと四捨五入すれば一六〇だから!!!性格と同じで慎ましいだけだから!!!
それは置いといて、面倒だからと放置して少し伸びた乱雑な赤毛さえ野性的で危険な美しさに代わるのだから、つくづく血の恐ろしさと顔面偏差値の差を嘆かずにはいられない。
私が髪を放置したら芸術作品扱いされ、友人から大爆笑後に写真を拡散されるであろう。恨めしい。
いつ鍛えてるか不明なのに、筋ばって均整の取れた肉食獣みたいな眼前に立つ大神を目を眇めて見ていると、不機嫌そうに片眉が上がった。この癖は昔から変わらぬようだ。
「目が煩い」
「初めて聞いたよ。あんたもそろそろ散髪行ったら? 前髪鬱陶しそうだし」
鋭い眼光を遮るとはいえ、綺麗な焔色が隠れるのは勿体ない。それに魅力の危険度はアップしてしまっているのだから切った方が良さそうなものである。
背伸びしてひょいっと大神の目に掛かる前髪を指で掬ってやったところで、ぱちっと目が合った。瞬間手首を掴まれ、そのことに気を取られた間に大神のもう片方の手で顔面を丸ごと押さえつけられる。
「ふぎゃッ! いきなり何すんのさ!」
「お前こそもう少し気ぃ付けろ」
「気を遣ったからこその優しさなのにこの理不尽!!」
それとも身だしなみに気を付けろと言うことだろうか。なら猶更この雑な扱いを何とかして欲しい。
上から未だ押さえ付ける温い大きな手の平越しに抗議の声を上げていると、大神は不機嫌そうに喉の奥で唸りながら腕を伸ばして私を遠ざけた。
聖也くんといい、皆扱いが酷いと思うんだがどうであろう。私は病原菌か。清く正しく美しく布教しかしてないぞ。
遠くでぼそぼそ言っていた聖也くんをひと睨みしてから不機嫌そうに私を睨んだ大神は、りこ、と私の名を低い声音で呼んだ。
「明後日はどうせお前の家で誕生日会だぞ」
「げッ。何であんたが知ってんのさ」
「お前の家族一同に頼まれたんだっての。首に縄掛けてでも連れて来てくれってな」
「あああ、母の本気が目に浮かぶ。去年無理矢理お泊りしたからかっ」
去年分が今年に上乗せされるとは…ッ。しかも直前まで隠し通す手の込みよう。どうやら今年はかなり本気のようである。去年のお泊り逃げは悪手だったかと頭を抱えていると、大神が純粋な疑問という視線で問い掛けて来た。
「何で誕生日会が嫌なんだ?」
「それは……、この年でわざわざって恥ずかしいからだよ。改まって大袈裟に祝われるのって苦手だし…」
「そうか」
「ほら、慎ましやかな大和撫子ですから~ん」
大神特有の観察するような冷静な視線を誤魔化そうと、態とらしく猫撫で声でしなを作った。ケラケラと周りの男子からは揶揄う声がする。
お花ちゃんや大神達アルファのみんなとクラスは変わらなかったが、去年のクラスメンバーと変わってない面々も多いので、もしかしたらこの中にも他のオメガ達も居るのかもしれない。
そんなことを考えていたら、大神が人の胸を見ながらその通りだと言わんばかりに頷いた。
「確かにない胸は触れねぇな」
「誰がことわざと絡めてまで上手いこと言えと言った!! その髪毟って座布団に詰めてやる!」
大爆笑の周りの馬鹿男子とお花ちゃんにまでくすくすと微笑ましそうに笑われて、私はバストアップ体操を風呂上りに決行することを決意する。ちなみにお花ちゃんの発育はいいとだけ進言しておく。だき心地はマシュマロの様である。
笑い声に紛れて、影でこっそりほっと息を吐く。上手く誕生日の話題が逸れたことに内心安堵している様子を、大神が見透かす様に観察していたことには最後まで気付けなかった。
◇
朝、学校へ行こうと家を出ようとした時に後ろから翔馬に呼び止められた。
一応予想はしていたのでくるりと振り返る。
「姉貴ー、誕生日おめでと。今日は誕生日会、家でやるから。大神兄ちゃんも来るって」
「ありがと。もう知ってる」
「そうなんだ。道理で逃げようとしてないと思った。彼氏効果覿面だね」
意地の悪そうな笑みを浮かべる翔馬は、いつもと違ってすんなりと参加を表明したことで想像が働いたらしい。まぁ、例年小規模にしようとしたり先んじて予定入れてた念入りの逃げようだった自信はある。
「ニヤニヤしないでよ。単純に大神から宣告までされて逃げ切れる自信が皆無なだけだって」
「納得」
げんなり顔を見て流石に不憫に思った様子の翔馬だが、玄関先で出かけようとしていた私をちょいちょいっと指先で呼ぶと、家の中を指差した。
何だ何だと首だけ伸ばすと、中では鼻歌を歌いながら張り切って生地をこねる母がいる。今日はわざわざ有給までとったらしい。本気かママン。
「まぁ、母さんも毎年気にしてるしさ。今年は姉貴が折れてやってよ。去年は落ち込んでたんだから」
「あー…、うん。ごめん。分かってるって。翔馬もありがとね」
「ん」
ぶっきらぼうに頷くだけだが、それが照れ隠しなのは長い付き合いで百も承知である。
やっぱり弟は幾つになっても可愛らしい。
わしゃわしゃと髪を撫でると「折角セットしたのに」と怒って洗面台の方へ駆けてしまったので、苦笑を零しながら私は先に出ることにした。
「わかってるって。勿論全部さ」
小さな声は誰にも拾われず、寒風が白く冷えた頬を通り過ぎて行った。
◇
「りこちゃん、お誕生日おめでと~」
「…えへへ、お花ちゃんありがとー」
「これ、プレゼントだよ~」
「うわっ、いつもごめんねぇ」
ふるふると首を振るお花ちゃんは、はにかんだ様子で赤い小さな袋を取り出した。赤と対を成す緑のリボンはクリスマスカラーみたいで可愛らしい。
「開けていい?」
「もちろん~」
ドキドキしながら開けると、今年はハンドクリームにしてくれたようだ。手荒れ予防にだろう。女子力が高過ぎて心臓が痛い。ちなみに去年は手作りの日焼け止めクリームである。惚れてまうやろう…!あ、もう惚れてるわ。
いそいそと淡い色合いのクリームを塗ってみると、やさしい桜の香りがした。
「これ、桜…?」
「うん~。季節が違うけど、りこちゃんに合いそうだったから、今年はとっといたものを試しに混ぜてみたの~。大丈夫だった~?」
「勿論! もうっ、大好きッ」
不安そうに下から伺われてはたまらない。
ぎゅーっとハンドクリームが付かぬ様に注意して抱き締めていると、案の上お隣から番犬もとい聖也くんが現れる。
しかし、今日はどうやらすぐに引き離されはしなかった。
「利根田さん誕生日おめでとう。さぁ、大人になって離れてね」
「このおめでとうの心の篭もってなさがいいね」
「心外だなぁ。プレゼントの代わりにすぐ引き離すのを我慢して毎年祝ってあげてるでしょ」
「はいはい」
誤解されたら嫌だし、お花ちゃん以外にプレゼントはあげないと明言する聖也くんである。
相変わらずぶれない愛はすがすがしい。ちなみにお花ちゃん一家への賄賂は根回しだからアリだそうだ。さすが私よりも腹黒い男、聖也くんである。
それでも、益々磨きの掛かった王子様仮面を外して、こういう明け透けで遠慮なく毒を吐く様子はそれなりの信頼と思えば嬉しいものだ。
とか思っていたのに「そろそろ時間だね」と問答無用で引き離されていると、クラスメイトからもお菓子やおめでとうとお祝いの言葉を貰う。
中にはエリスちゃんも居てびっくりした。今回もこっそり呼び止められた形である。エリスちゃんが完全にヒロインモードの悪役令嬢の様でつらい。私の心臓と萌えを叫びたい心が辛い。誰か共に叫べる仲間はいないものか。
「お猿、なんでも誕生日だそうですわね」
「へ? そうだよ」
「私、たまたま貰ったけれど匂いが気に入らなかった香水がありますの」
貰ったという割に綺麗なラッピングをカパッと開けてみれば、見事な楕円の曲線を描く、流麗な新品の香水が入っている。指一本分位で手持ちサイズのひと月用とはいえ、ブランドものだし高いに違いない。
「エリスちゃん、これ未開封だけど…」
「しっ、試供品を嗅いだだけですわ!! いいから! 要らないから受け取りなさい!」
「エリスちゃんありがとね」
「ふん! ごみになるのが勿体なかっただけですわ」
つーんと金毛の豪奢なペルシャ猫様は顎を逸らしつつも、その頬は少し赤い。ほっぺたが雪の様に白いので、すぐ分かる。
思わずくすくすと笑って萌え殺されそうになっていると、照れ隠しで怒ったエリスちゃんは肩を怒らせて行ってしまった。
普段は「あれ?過ぎてたの?」程度でもう少しバレないというか、気付かれても幼馴染たち位だったのに今年はやけに多い。健太からはLIMEで例年通りシンプルな一言を貰ったが、いっつも数日遅れか、早くても夜中に忘れてた様に送って来てたのが当日早朝に届く位である。これはもしや母の本気の余波かとびびった程だ。
放課後のすれ違い様に普段あまり話さないクラスメイトからさえ「利根田誕生日だっけか。おめー」と軽く言われるのだから、こっちは教室で大神と騒いだせいに違いないと内心で溜め息を吐いた。
あいつはもう少し自分の注目度を考慮して発言して欲しい。
机上に置いた鞄には貰ったプレゼントが色々と入っている。そのお陰か少し不格好に膨らんでいて重い。
放課後の教室で一人自分の席に座りながら目を細めて鞄を眺めていると、茜色に染まった教室に大神が帰って来た。
ドアを億劫そうに開ける様子から察するに、どうやら先生の話は面倒系だったようだ。
「悪い。待たせた」
「のんびりしてたから大丈夫だって。結構長かったね」
「あー、まぁ校則がな。それより……」
鞄をよっこいしょと持ち上げた私の前に、大神が立つ。
そこに居られたら先に進めないぞと顔を上げようとして、大神が私の首元に顔を近付けた。
抱き締められそうな距離に息が詰まる。触れそうで触れない距離でありながら確かな体温と存在を感じた。首筋に掛かった生温い風に耐え切れず声を上げようとした所で大神が一歩離れる。
思わず顔に熱が集まり、首筋を押さえながら抗議しようとぱくぱくと口を開いたところで、大神は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「何で大神の方が不機嫌そうなんだよ!」
「何の臭いだ? 結構混ざってんな」
「混ざる…? えーっと、誕プレのハンドクリームと香水のこと?」
「あー、それか」
そう言ってすんと鼻を鳴らすのだから、益々赤面して声を荒げた。こいつ、デリカシーなさすぎだろう!
「顔が良ければ誰でも匂い嗅がれて喜ぶと思うなよ変態犬っころめ」
「お前に言われるとは心外だな」
犬っころが勘に障ったのか、剣呑な笑みで牙を見せられる。
「どうせ臭いとか言うんでしょ」
けっと思いながら折角お花ちゃんにもらったけど帰る前に手でも洗うかと落ち込んでいると、「言わねぇよ。好きなら使え」とぶっきらぼうに言われる。
きょとんと見返していると、大神は眉間に皺を寄せながらも自分の鞄を取って教室を出た。
慌ててその後を追う。もう放課後だからか、茜色に染まる廊下の人気はない。
「嬉しいけどさ。本当にいいの?」
「まぁ、どっちも薄い方だし。それに乾燥が辛いっつってたろ」
「そっか、ありがと。くれたのお花ちゃんとエリスちゃんだから配慮してくれたのかもね。まぁでも次からは片方ずつ使うことにするよ」
「そうか」
ゆったりと足音なく進む大神の隣を歩いていると、廊下にある少し汚れた洗面台が目に留まる。多分、大神は運動神経や五感、特に鼻がいいから色々苦労してるんだろなぁと思考が過ぎる。
そうなれば、不機嫌になったのも仕方ないかと許してやる気になった。確かに臭いの混ざり過ぎたトイレほど早く出たいものはない。え?この例え分かりやすいよね? あれ?そうなると私ってトイレ扱いになるのか? よし、この例えはなしにしよう。
「それにしても鼻が良すぎるのも大変だね」
「そうだな。探し物とかは楽だが、デメリットの方が大きく感じるな。制汗剤とかも慣れるまでは強いと結構くる」
「ふーん。こういうのもダメなのは分かんなかったかも。ならいつも通り片方でも学校中はやめとこうか? 私は家で使えばいいし」
私の鼻じゃ仄か過ぎて気分が良くなる程度である。プレゼントが嬉しくてつい付けてしまったが、無理を通す気もない。
何気ない提案だったのだが、不意に大神の足が止まった。
不思議に思い自分のハンドクリームを塗った手から顔を上げて見上げると、大神は今思い至ったといった驚いた顔で私を見ていた。
眉間の皺が取れたまるで子供の様な表情は珍しい。
「りこ、今までって敢えて無香料とか選んでたのか?」
「え? そうだけど」
「いつから」
咄嗟だったのでつい素直に答えてしまう。何でと聞かない辺り、鋭い大神にはバレたのだろうか。まぁ隠してないしバレても悪い訳ではないのだが、改まって言うのも変な話だ。
恩着せがましくなっても嫌だったので、適当に「さぁ? いつの間にか」とだけ答えておく。
正確に言えば、大神の家から初めて大神を持ち帰った日からだ。結構大神の母さんも良い香水の匂いがする人であったし、何がトラウマを刺激するか分からなかったので、ハンドクリームに限らず何でも無難に無香料や自然石鹸を選んでいた形である。私自身そこまでこだわりがある訳でも無かったし、社会人時代に隣の席の人が無自覚悪臭マンだった時の経験があるので、やれる範囲での大人の配慮くらいはする。
当然の範囲のことなのだが、大神は自身の顔を片手で覆うと深々と溜め息を吐いた。
別段無理をした訳でもないし、トラウマ気味の子供が居たら当然の対応なので、気負われても困ると一応フォローしとく。
「私も強い匂いとか匂い混じるのがあんま好きじゃなくてね」
フォローするも反応してくれないので困って見上げていると、指の隙間から半眼になった焔色が覗いた。
透徹な眼差しの奥には、何かがゆらゆらと揺れていて、一瞬場所を忘れてその奥を覗き込みそうになる。
「はぁ…。俺は、お前のそういう無自覚な庇護の下にいるのを見せつけられる度に―――」
何処か滴る様な色気ある声音が低く震えて――、何故か射竦める様に睨まれた。項がピリリと震える。低い声音は、とても不機嫌そうな怒りを孕んでいる。
「すげぇ腹が立つ」
「何でだよ! 天邪鬼にも程が過ぎて大神の頭ん中が全然分かんねぇよ!」
思わず呑まれそうになった瞬間、謎の回答が飛び出てハッとしてツッコむ。
どういうこっちゃねーん。つまり子供扱いは嫌ってことか? でも礼ならいざ知らず、何故今その回答? うーん、分からん。
謎である。もうこいつは放っとこうと思考を諦めてさっさと歩き出そうとした所で、「つまり」と大神が一つ息を吸った。
「不機嫌になったのはりこの匂いに何かが混ざるのが嫌だったってことだよ。……俺と居る時は何も付けないで欲しいから」
何処か拗ねる様に、それでいて分かれと言いたげにぶっきらぼうに宣言されて強く睨まれる。
強張った表情はもしや緊張なのだろうか。大神の事は未だに分からない時も多い。
不機嫌顔もデフォルト装備なので睨まれる件に関しては大丈夫だが、とりあえず私は一つ頷いて小首を傾げた。
「……。えーっと、何故つまりなのか全然分からんが、つまりあれか。大神は無香料大好きマンという認識でいいんだな」
「……馬ー鹿」
「お前の方が頭良過ぎて変態なんじゃ分かるかばーか!!」
ハズレたようだが、問題の難易度がエグイ大神が悪いのである。
犬猿諤々と高校二年生とは思えぬ喧嘩をしながら家までの道を一緒に帰る。
ああ、今から誕生日会は憂鬱だけど、我が母の大神による連行作戦は確かに成功かもしれないと珍しく陰鬱になり過ぎないこの日の帰り道をふいに認識するのだった。
筆が走れたので早めに投稿☆
まだ全然書けてないが、区切る場所によっては中を挟まず下で纏めきるかもも?
(11月中にいけなかったらごめんねぇっ
ことわざ
・無い袖は振れない……実際に無いものはどうしようもない
りこ「ぴょんぴょん飛んでも小銭の音さえ鳴らない金欠ッ(某ぬいぐるみが食べた模様)」
・無い胸は触れない……実際に無いものはどうしようもない
りこ「おい、誰だ上の紹介文を書いた奴は。マラソン選手やリンボーダンスの時にはめっちゃ有利だからな!? 全貧乳に謝れっ、そして私に謝れ大神めぇッ」(以下、怒りの陳情書
なお、利根田さんよりも大きい大多数の女子は内心ガッツポーズを決め、男子学生は意外と面白い奴だということで心の距離が縮まりちょっと好感度が上がった模様。(でも恐いので馴れ馴れしくは近付けず遠巻きな憧れ
ちなみに、この世界特有といっては何だが、アルファの中での「月が綺麗ですね=好きです」といったセリフはある。流石のりこちゃんも前世で読んだことはなかったので知らなかった模様。
勿論夜に月を眺めながらいい感じの男女が二人の時に…といった条件下の様に特定の条件下の場合でのみ
「…俺と居る時は何も付けないで欲しい」=「お前の匂いが好きだから→お前のことが好きだ または 俺の匂いだけ纏って欲しいから→一緒にいて欲しい」といったセリフとなる。
これは特定条件下がアルファとオメガの番関係が一般的であることから、オメガの個性=フェロモン(匂い)という両者の認識の間にいつの間にか派生したものと考えられる。
なお、一般ベータでもネットで調べ方によっては見付けることは出来るのだが、りこちゃんには「大神ってやっぱきつい臭い駄目なんだなー。そんな念押しせんでも分かってるって無香料大好きマンめ~」とそのまま取られた模様。搦め手で行ってみたのに悲しみの巻。
どっちもがんばってね!(おい
あと、タイトルは嵐の前の静けさって単語が好きなので少しお借りしました~*
ではではトネリコ




