表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傭兵バスターズ  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
皇太子の恋

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/52

変態伯爵に魔封じの首輪を渡して悪事に加担していたジャルカ目指して爆裂魔術を放ちました

帝国の騎士たちは皇太子がやたら自慢するから、少しくらい強いのかと期待したが、本当にどうしようもなく弱かった。

でも、セドはあまり圧勝したら悪いと思っているのか、本当に手抜きで戦っていて、小指で相手しているのかと文句をいいそうになった。


帝国の近衛騎士は、セドを前にしたら、なんか見ていてこちらがかわいそうになるくらい弱かったのだ。


皇太子はプッツン切れていたが、まあ、私の自慢の白馬の騎士様が相手なのだ。仕方がないだろう。


「で、殿下、どこに強い方がいらっしゃるのですか?」

私が最後に嫌味で聞いてみてやった。


皇太子は歯をぐっと噛み締めていた。そこで怒るか、このきざな皇太子がと私が観察していると


「いやあ、さすが元剣聖だ。凄いな。恐れ入った」

皇太子は表面上は自分の非を認めたのだ。


うーん、こいつは本当に大人だ。

腹の中では無様に負けた近衛騎士達に怒りまくっているだろうに……それを隠して爽やかに笑ってくれたのだ。

私も大人の対応をすることにした。


「良かった。我が『傭兵バスターズ』の剣士が帝国の近衛騎士よりも強くて。私も鼻高々ですわ」

その言葉に近衛騎士達は色めき立ったが、反論するならセドに勝ってから言ってほしい。


「くっそう、殿下。我ら騎士達は調子が悪くて負けましたが、我軍には最強の魔術師様がいらっしゃいます。何でしたら、後で手合わせ願ってはいかがですか」

近衛の騎士隊長が皇太子に言ってくれたが、


「本当に強い方ですの? 騎士の腕は全然でしたけれど」

私はバッサリ切り捨ててあげたのだ。


「お、おのれ」

「隊長、ここは押さえて下さい。いくら調子が悪くても、負けは負けです」

なんか騎士たちが言っているけれど、


「まあまあ、キャロライン。魔術師は後で紹介しよう。君も知っている魔術師だよ」

私はその皇太子の言葉に不吉な予感がしたのだ。



そのまま、部屋に案内されて驚いた。


私の部屋は王侯貴族もかくやという部屋だったのだ。

おそらく最上位の客間だろう。大きな天蓋のあるキングサイズベッドの寝室に、広いリビング、応接、おつきの者の部屋が二部屋もついていた。風呂場も二つある力の入れようだった。


すべての部屋の装飾や飾られている絵も超一流品だった。


「お嬢様。コッホの絵があります。本物ですよ」

エイミーが驚いて言ってきた。

コッホは前世のゴッホのような人で1枚金貨1万枚はくだらないと言われる巨匠だ。


「何言っているのよ、エイミー。コッホの絵なら領地の邸宅にもあったでしょう」

私は平然と構えて言うが、


「しかし、お嬢様、この絵は『ひまわり』ですよ。美術史の教科書にも載っている!」

エイミーは興奮冷めやらぬ声で言うが、

「皇帝陛下の別荘なのよ。そう言う絵の一枚や二枚、なくてどうするのよ」

私が当たり前のように言うと、


「これはこれは手厳しいな。キャロライン嬢は。

この手の絵はここに一枚しかないよ。せっかくだから君の部屋に飾らしてもらったんだが、満足してもらえたかな」

来なくていいのに、部屋を自ら案内してくれた皇太子が言ってきた。


「ああら、じゃあ、皇太子殿下のお部屋を私に譲っていただけたのですか? 近衛騎士が私の騎士に負けたせいで」

「おのれ」

「貴様、言わせておけば」

私の挑発に近衛騎士達がいきり立ったが、


「お前らは黙っていろ!」

皇太子は一言で近衛を黙らせた。


「失礼した。まだまだ礼儀がなっていなくてね」

皇太子は余裕で謝ってきたのだ。

それにはさすがの私も大人げない態度を取ったかと少し考えさせられた。


「キャロライン嬢。君をせっかくこの城に迎えられるのだ。最高級のおもてなしをするのは当然であろう」

そういう皇太子がとても胡散臭く見えたのは事実だ。

こいつは何を企んでいるんだろう?


「では、キャロライン嬢、後ほど食事の場でお会いしよう」

そう言うと皇太子は出て行った。



「ねえ、エイミー。皇太子は何を考えていると思う?」

「さあ、お嬢様。私は必死にお嬢様の機嫌を取っておられるように見えましたが」

「うーん、そうよね。絶対になにか無理難題を押し付けてくるつもりね」

私は頷いた。今回は古代竜の退治だった。次はスタンピード対策だろうか?


「いえ、私は殿下が必死になってお嬢様にアプローチしていらっしゃるように見えましたが」

必死に考えていた私はエイミーの言葉を聞いていなかったのだ。



食事はこじんまりした湖畔のよく見える部屋に用意されていた。


私は女の戦闘服の真っ赤なドレスを纏っていた。何を考えているかわからない皇太子とやり合うにはこの服しかないだろう。悪役令嬢にピッタリの1着だ。セドを釣るときもこの服だった。


私の騎士のセドには白い礼服を着させた。

それを着ていると本当に昔私を助けてくれた聖騎士のように見えた。

私の白い騎士様だ。


そのセドにエスコートしてもらって、私はご満悦だった。

絶対にセドに走られたくないけれど……

絶対にそんな堅苦しい所に行きたくない、と叫ぶエイブを無理やり参加させたのだ。


対する皇太子は白い皇太子の正装をしていた。これは女どもがキャーキャー言い出しそうな出で立ちだ。私しかいないのに、そんな服着る必要はないのにと思わないでもなかったが……いや隣にコリンナ・バーミリオン伯爵令嬢がいた。

彼女はピンクの可愛い衣装に身を包んでいた。そして、皇太子の反対側には皇太子の側近で宰相の息子のアロイスが座っていたのだ。こいつは腹黒皇太子の懐刀だろう。何を考えているんだろう?

父親の宰相と並んで食えないやつだと思う。


「キャロライン嬢はクラスメートだったコリンナ嬢を知っているだろう」

皇太子が紹介してくれた。

「ええ、お久しぶりです」

そう私は頷きつつ、そんな記憶はまったくなかった。でも、ここは皇太子に合わせておいた。


「キャロライン様は学期の最初でジークフリート様とひと悶着されて、すぐに学園を退学させられたと聞いておりました。今は山賊の親分をしていらっしゃるとお伺いしましたけれど」

「はい?」

いきなり喧嘩を売られて私は驚いた。

こいつこんなキャラだったのか?


「コリンナ嬢。キャロライン嬢はこの世界最強の傭兵団の長だよ。山賊団ではない」

皇太子が訂正してくれた。

「そうなのですか? 私は大魔術師のジャルカ様からその様にお伺いしていたものですから」

「えっ、ジャルカがいるの」

私はきっとして周りを見渡した。アイツのせいで、もう少しで変態伯爵に慰み者にされるところだったのだ。


「ほっほっほっほ。久しぶりじゃのキャロライン」

後ろから現れたジャルカ目掛けて、私は問答無用で爆裂魔術を放っていたのだ。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

ジャルカの運命やいかに?

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


私の人気作品『【電子書籍化決定】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

8月26日 コミックシーモアより先行配信です。

お義兄様とエリーゼの子供の頃の新作2万字の書下ろしを追加して、3千字超のssシーモア特典付きです。

おだやか先生に描いていただけたもの凄く格好良いお義兄様と可愛いエリーゼの表紙絵やリンクは下記10センチ下をご覧ください。

私の初書籍も載せています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の二番人気の作品はこちら

『【電子書籍化決定】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


8/26コミックシーモア様で先行配信決定です。
表紙画像

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ