【77話後感想返信】ヤシロの知識にも限界はある
ジネット「……そうですね。では、ヤシロさんに伺ってみましょうか」
マグダ「……同意。ヤシロならきっと知っている」
ロレッタ「お兄ちゃん、なんでも知っているですからね」
ヤシロ「お~い、お前ら。何やってんだよ、そんなところで」
ジネット「あ、ヤシロさん。ちょうどいいところに」
ヤシロ「どした?」
ジネット「実は、お聞きしたいことがありまして」
ヤシロ「なんだ?」
ジネット「雨を降らせるにはどうすればいいですかっ!?」
ヤシロ「いや、知らねぇよ!」
ジネット「えぇっ!?」
ヤシロ「いや……『えぇっ!?』って……」
ロレッタ「お兄ちゃんに知らないことがあったなんて……意外です!」
ヤシロ「お前らは、俺を何ペディアだと思ってんだよ? 知らねぇことくらいあるっつうの」
マグダ「……ヤシロに分からないことはない。忘れているだけ」
ヤシロ「いや、知らねぇって」
マグダ「……頭を強く打った?」
ヤシロ「打ってねぇよ!」
ロレッタ「ということは、同じ衝撃を与えれば、記憶が……」
ヤシロ「戻らねぇから! つか、記憶なくしてねぇわ!」
ジネット「実は、ここ数日雨が降らなかったせいで、井戸の水位が落ちまして……」
ヤシロ「井戸の水が減ったからって、雨を降らしてもしょうがないだろう?」
ジネット「それが……」
マグダ「……トイレの水が」
ロレッタ「なくなったです」
ヤシロ「なにっ!?」
ジネット「ですので、しばらくはまた、昔の外トイレを使用するしか……」
ヤシロ「よし! 雨を降らせるぞ!」
ジネット「出来るんですか!?」
ヤシロ「成功するかどうかは分からんが、やれるだけのことはやってみよう!」
ロレッタ「さすがおにちゃんです!」
マグダ「……殴る?」
ヤシロ「それはやめてくれ。大丈夫だから」
ジネット「それで、どうするんですか?」
ヤシロ「雨乞いをしよう。大量の火を焚いて、煙を空に昇らせて、空気中の水素を結合させる方法だ」
ジネット「そんなことで雨が?」
ヤシロ「知識だけあって、試したことはないから上手くいくかどうかは保証出来んがな」
ロレッタ「試す価値はあるです!」
マグダ「……やるべし」
ヤシロ「よし! いっちょやってみっか!」
――数週間後
ジネット「雨、止みませんね」
マグダ「……あの日からずっとどしゃ降り」
ロレッタ「お兄ちゃん、降らせ過ぎです」
ヤシロ「そこまで効果出るとは思わなかったんだよ!」
ジネット「それで、止ませ方は知っていますか?」
ヤシロ「だから、なんでもかんでもは知らねぇってのっ!」




