【７３話後感想返し】甘えたマグダ

マグダ「……にゃー」

ヤシロ「あれ、どうしたマグダ？」

マグダ「……にゃー」

ヤシロ「まさか、また怪我したのか！？」

マグダ「……にゃー」

ヤシロ「大変だ！　どっか怪我してないか？　ちょっと抱っこして見せてもらうぞ。よいしょっと……」

マグダ「………………にやっ」

ヤシロ「めっちゃ笑ってんじゃん！？　お前、抱っこして欲しかっただけだろう！」

マグダ「……バレた」

ヤシロ「あのなぁ……」

マグダ「……しかし、マグダは何一つ嘘を吐いてはいない」

ヤシロ「まぁ、確かにな。俺が勝手に勘違いしただけだからな」

マグダ「……でも、心配かけたのは反省する。もう……やらない」

ヤシロ「マグダ……。反省したならいいよ。怒ってねぇしな」

マグダ「……そういう返しを見越しての、しおらしい素振り」

ヤシロ「……それを言わなければ百点だったな」

マグダ「……ヤシロは、最近忙しく走り回っている」

ヤシロ「ホント、四十二区と四十区を行ったり来たりだ」

マグダ「……あまり陽だまり亭にいない」

ヤシロ「もしかして、寂しいのか？」

マグダ「……ヤシロが、マグダに会えなくて寂しがっている」

ヤシロ「俺がかよ……」

マグダ「……だから、存分に甘やかしていいよ」

ヤシロ「…………へいへい」

――ヤシロの膝に乗り、体を預けるマグダ

――マグダの耳をもふもふ

マグダ「……むふー！」

ヤシロ「なぁ。前から気になってたんだが、その『むふー』っての、なんだ？」

マグダ「……？　マグダはそんなこと言っていない」

ヤシロ「いや、言ってるだろ？　『むふー！』って」

マグダ「……言っていない」

ヤシロ「…………」

――耳、もふもふ

マグダ「……むふー！」

ヤシロ「ほら！　今！」

マグダ「……認識がない」

ヤシロ「無自覚に出る音なのか？　猫の『ごろごろ』みたいな？」

マグダ「……ヤシロも耳をもふもふされると同じ音を出すはず」

ヤシロ「俺は出ねぇよ」

マグダ「……では、やってみる」

――マグダ、ヤシロの耳たぶをぷにぷに

ヤシロ「な？　出ないだろ？」

――耳たぶをぷにぷに

ヤシロ「出ねぇよ。くすぐったいけど」

――耳たぶぷにぷに

ヤシロ「……なぁ、おい」

――ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷに

ヤシロ「耳もげるわっ！」

――マグダ、ヤシロの耳を「ぺろり」

ヤシロ「にょはぁぁああああっ！？」

マグダ「…………出た」

ヤシロ「い、いい、今のはち、ちち、ちが、違うだろうが！　つか、耳をいきなり舐められたら誰でもこうなるわ！　ちょっとザラッとしてて背中ゾクゾクしたしねっ！」

マグダ「……ヤシロは、耳が弱い…………メモメモ」

ヤシロ「メモるなっ！」

――ヤシロ、照れ隠しにマグダの耳、もふもふ

マグダ「……むふー！」