【69話後感想返し】花火と火の玉
ヤシロ「あ~ぁ、これで花火があれば最高だったんだけどなぁ」
ジネット「はなび? なんですか、それ?」
ヤシロ「空の上で、こんなでっかい火薬の入った弾を爆発させるんだ。夜空に花が咲いたみたいで綺麗なんだぞ」
ジネット「凄そうです……けど、危なくないんですか?」
ヤシロ「プロがいればいいんだが……さすがに俺も扱ったことはないからなぁ」
ジネット「ヤシロさんにも、出来ないことがあるんですかっ!?」
ヤシロ「……お前、俺のことどんなスーパーマンだと思ってんの?」
ジネット「でも、見てみたいですね。花火」
ヤシロ「綺麗だぞ。色とりどりの火の玉が空いっぱいに広がるんだ」
マグダ「……火の玉なら、マグダ見た。…………昨晩、向こうの墓地で……」
ヤシロ「それじゃない! やめろ! それ以上話すな!」
マグダ「……あれは、忘れもしない……昨日の夜」
ジネット「それは……さすがに忘れませんよね」
マグダ「……マグダが墓地の前をテッテリーップップーと歩いていた時のこと……」
ジネット「どんな歩き方なのか、わたし、気になりますっ!」
マグダ「……暗い墓地の中に……ゆら……ゆらぁ…………と揺れる、青白い炎が……」
ヤシロ「リンだ! この街はおそらく土葬だろ? だとすれば、骨に含まれるリンがなんらかの要因で外気へと漏れ出し、発火して青白い炎を上げるんだ! これは科学的にも証明されていることで、なんら不思議なことではない。よくあることだ。幽霊やお化けの類では、一切、ないっ!」
ジネット「ヤシロさんが、いつになく熱く語っていますっ!」
マグダ「……じゃあ、アレもお化けじゃないのかな……?」
ヤシロ「まぁ、ドレかは知らんが、お化けなんかじゃないさ。お化けなんか存在しないからな!」
マグダ「……そう。なら、もう気にしない」
ヤシロ「そうだそうだ。気にするな! …………『もう』?」
マグダ「……さっきからずっと気になっていたけれど……もう、気にしない」
ヤシロ「え………………ナウ? ナウの話?」
マグダ「……気になるナウ」
ジネット「え……えっと…………それは一体……どの辺りに…………?」
マグダ「…………ヤシロと店長……二人の足元に……」
ヤシロ・ジネット「「ぎゃぁぁああああっ!」」(脱兎のごとく逃げ出す二人)
エステラ「う~ん……ネコはそういうのが見えるって言うけど…………う~ん」
マグダ「……気になってたワズ」




