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異世界詐欺師のなんちゃって経営術【SS置き場】  作者: 宮地拓海


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【63話後感想返し】ロレッタの頬袋にはどれだけ物が入るのか

ヤシロ「あぁ、しまった。今日はアッスントが急用で来られなくなったせいで、あらかじめ行商ギルドを通して話をつけておいたマーケットに野菜を大量に買いに来たのだが、買い物袋に穴が開いちまって野菜が持って帰れない状況になっちまったな……」

ロレッタ「なんですか、お兄ちゃん。その誰かに説明するような独り言は?」

ヤシロ「なぁ、ロレッタ。このキュウリなんだが、頬袋にしまえないか?」

レジーナ「キュウリをっ!? 太くいぼいぼしたキュウリをロレッタの『中』に入れろやなんて、自分相当鬼畜……っ!」


――脇腹にカカト「ゴスッ!」レジーナ「ごふっ!」そのまま路地裏に向かってレジーナを「蹴りっ!」


ロレッタ「今、レジーナさんいなかったですか?」

ヤシロ「気のせいだ。幻覚を見るなんて、疲れてるんじゃないか?」

ロレッタ「いや、でも……確かにいた気がするですが……」

ヤシロ「それよりもキュウリだ! キュウリを三本ほど頬袋にしまえないか?」

ロレッタ「キュウリをっ!? そんな太くいぼいぼしたキュウリを三本もあたしの『中』……っ!」


――キュウリでこめかみ「スパコーンッ!」


ロレッタ「……じ、地味に痛いです…………」

ヤシロ「お前、二ヵ月くらい人里から隔離して毒素を抜く必要があるかもしれんな」

ロレッタ「い、以後気を付けるですから、それは勘弁してほしいです……」

ヤシロ「俺はジャガイモと大根を持つから、キュウリを頼みたいんだが」

ロレッタ「入るは入るですけど、唾液でベタベタになるですよ?」

ヤシロ「唾液出るのかよ!?」

ロレッタ「出るですよ、それは! 口の中ですよ!?」

ヤシロ「体内の水分、全部捨てろ!」

ロレッタ「カッサカサになるですよ!? ミイラみたいに干からびるですよ!?」

ヤシロ「唾だらけになるんじゃ、ダメか……」

常連客A・B「「ちょっと待ったぁ!」」

ロレッタ「あ、常連さんのお二方です!?」

常連客A「そのキュウリ!」

常連客B「俺たちが!」

常連客A・B「「責任を持っていただこう!」」

ヤシロ「じゃ、手で持って帰るか」

ロレッタ「はいです」

常連客A・B「「ちょっとぉー!?」」

ヤシロ「(ロレッタにも、あんな変なファンがついていたのか……気を付けて見ておこう)」







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