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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第3章【新しい物語を紡ぐ"役者"は揃った】
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第81話〜ファントム〜

前半、グラさん視点

後半、黒幕視点です

クエストが終わるまで、ボーッと海を眺めていたかった。


しかし、そんな願いは叶わんかった。


「どうしたんやろ。」


大量に居た魔物と戦っていた他のユーザー達が

突然消えた。


ザザザと心地の良い波の音だけが残る。


「なんか様子可笑しくあらへん?」


隣におった天科さんに声をかけるも、反応が無い。


「え……。」


彼もまた消えてしまっていた。


もしかして……

 

「自分、今とんでもあらへん状況におる?」


共闘クエストだったはずが一変、

急にぼっち参戦へと早変わり。



え、これどうすればええの?


皆が戦っていた海の方へ近付いてみるが

やはり誰もいない。


「めっっっちゃ孤独。」


私の独白に同情するかのように

海もザパーンッと大きく波を打った。


一体どこへ消えたん……。


転移魔法は使えへんし、

ここから市街へ戻るにも何日かかるんやろか……

考えたくもない。


「使えそうなロボあったかな……」


私はタブレットを取り出し、M∞Lメカニカル・ライブラリーを漁る。


ここには私が制作したメカたちが格納されていて

好きな時に取り出せる。


言わば、メカ専用4次元ポケットである。


「DR15で探索してみるか。」


【ドローン15号機】改め【DR15】は、

その名の通り制作15番目のドローン機械である。


改良に改良を重ね、海の中はもちろん高温のマグマや

漆黒の暗闇でも壊れず飛べる飛行物体。


動作感知機能と、カメラ機能にライト機能。

使えそうなシステムは全て組み込んであるから、

索敵にも使える優れものだ。


「さてさて、海の中でも覗いてもらいますか。」


タブレットからDR15を操縦し、海の中へと潜らせた。


「表面付近でも暗いなぁ。」


私は、ライトを付ける。


明るくなった視界で、海中360度を見渡す。

 

「ひとまず溺れてそうな奴はおらへんか。」

 

さらに海の奥へとドローンを潜らせる。


不気味なのが、魚1匹すら見当たらないというところだ。


「ん?なんかおるな。」


魚ではない。でも人でもない。

……じゃあ魔物か?


いや、こんな姿の魔物なんておったか?


ドローンをさらに近付けて見えた姿は


「っ……!!!!」


言葉を失うほどの衝撃だった。


ガツンと誰かに頭をぶん殴られるような

感覚にも似ていた。


「……舞依さん……よな……?」


そこには、死んだはずの舞依さんがいた。



しかし、彼女は明らかに人間の姿ではなかった。


綺麗だった赤と青のキラキラとしたオッドアイは

輝きを失い、金色の髪も黒く染まっている。

 

身体の下半身は赤黒い尾鰭になっていて、

耳の鰭や頬の鱗からも見てわかるように


人魚のような姿でそこにいる。


「〜♪"〜♪"」

 

虚ろな表情で歌う舞依さん。

 

綺麗な声ではあるが、声に生気はなく

生前の歌声に比べたら心に響かない酷い歌であった。


「舞依さんっ……!ウチやで!!グラや!!」


ドローンの音声機能を使って彼女へ話しかけるが

気付いておらへん様子。


まさかとは思うが……


このゲームが本当に"現実の中"で

成り立っているんやったら


「魔物は死んだ魂の蘇生物(そせいぶつ)……?」


もし、そうだとしたら……

このゲームには一体何人の人が

犠牲(死者)になっているんやろか。

 

「不味い……かなうさんに知らせなきゃあかん。」


彼女はもう魔物のことは知っているかもしれないけど、

舞依さんが魔物として生きとることは知らんやろ。


急いでタブレットをパチパチと操作する


連絡先を開き、かなうさんのところの通話ボタンを押す。


出てくれるとええけど……


何せ自分も今、本当に最初ワープして来た

海岸におるのかも分からへん。


何らかのバグが発生したとも受け取れる。


「頼む……出てくれ……っ。」


《もしもしー?グラさんどしたの?》


「かなうさん!あのなっ……ヴッ」


バタッ__


彼女に伝えようとしたその時、

何者かの手によって私は頭を殴られ

意識を手放した。





《グラさん?……え?おーい!!》


通話越しで叫ぶかなうの声はもう

かぐらには届いていなかった。



ブチッ__


通話終了のボタンを押す男。



「全く、手が焼けますね。」


私の周りでチョロチョロと

ネズミのように動き回らないでもらいたい。


そう言って、血のついた石を海へと投げた。


全身黒服に鹿の仮面を付けた男は

かぐら頭から流れる血を、ポケットから取り出した

包帯を使い止血した。


「死には至らないでしょう。」


死なすには勿体ない技術力を持っていると

男はかぐらの頭を撫で、彼女のタブレットを使って

ドローンを回収した。



「ただ、思い出は飛んでしまったかも。」


アハハハハと高らかに笑う、機械混じりの低い声が

海岸に響き渡った。


「この"幻想"を脅かす者は、私が許さない。」


例えそれが友人や家族であってもだ。と

男は憎しみを込めて強く言葉にした。


「無事、セイレーンの居所も掴めましたし

帰りましょうか。」


また一段と面白くなりそうですねと

男は、かぐらを抱えて転移魔法を呼び出す。


「さぁもっと楽しませてくれよ……

この完璧な世界で抗う……馬鹿な"魔法剣士"」



そして、私の愛する我が子。



__鳴宮うつつ



キミ達は全ての真実を知った日、

喜怒哀楽の感情に振り回されるだろう。



「そんな日が来るのが楽しみだよ。」


男は誰も居ない海岸へ向かって言葉を残し、

ワープゲートの闇に飲み込まれた。

このお話で第3章最後となります!

ここまでいかがだったでしょうか?

ぜひ、感想・レビュー等もお待ちしております!


日頃読んでくださってる皆様、そして評価やブクマまでしてくださってる皆様ありがとうございます!( ; ; )


【第4章〜真実と裏切りの対抗戦〜】が明日から始まりますので楽しみにしていただけたら嬉しいです*ˊᵕˋ*

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