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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
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第34話〜潜む違和感〜

「お待たせ。」


かなうさんが待ち合わせをしていた人物へと声をかけた。


「かなう様!うつつ様!」


お淑やかに手を振るその人は

ギルドAYAKASHIの一人、まゆりさん。


「ずっとお返事出来ずすみません。」


私はお誘いの連絡を返せずにいたことを謝った。


「良いんですよ。私も困らせてしまったみたいで……。」


まゆりさんがごめんなさいと、頭を下げた。


「武器、素敵ですね…!」


頭を上げたまゆりさんは、

私の持っていた武器を褒めてくれた。


「蘭さんからのプレゼントでいただいてしまって…。」

「そうだったんですね。衣装とも良くお似合いです。」


似合っているなんて沢山褒めてくれるからなんだか

照れ臭い気持ちになった。


まゆりさん褒め上手すぎる……。


「草原に行くんだっけ?」

かなうさんが、まゆりさんにクエストの行き先を聞いた。


「はい。草原の経験値クエストなら、

うつつ様も簡単にクリア出来るかと思いまして。」

「うんうん、良いね。」


申請してくるから待っててとかなうさんが受付へと向い、

まゆりさんと2人きりになる。


「実は、歓迎会以来はクエストはしてなくて。

職業試験で疑似討伐はしたんですが……。」


私は返事出来ていなかった理由をまゆりさんに伝えた。


「仕方ないことです。気にしてないので大丈夫ですよ。

それより、職業試験って疑似討伐があるんですね…!」


優しく肯定してくれるまゆりさん。

彼女の温かい言葉だけでもう心が満たされる。


「はい。悪天竺(モルスタビリー)と戦いました。

武器も突然3つの中から1つ選べと急に言われて…。」


あの時の試験の緊張感を思い出しながら

私はまゆりさんに話した。

 

まゆりさんは、かなうさんよりも真摯に聞いてくれるから

私もついつい話してしまう。

 

悪天竺(モルスタビリー)が相手だったんですね?!」

 

試験なのに可笑しな話ですねとまゆりさんが言った。


「そうなんですか?」


かなうさんにも特に突っ込まれなかったし、

自分は魔物のこともよく知らないからピンと来ない。


「それに、そのうちの武器の2つって

悪天竺(モルスタビリー)戦には全く使い物になりませんよ。」


剣と銃はブラフだとまゆりさんが言う。


「え?」


背筋がゾッとした。


なぜそんなブラフを混ぜたのだろうか。

意図が分からなかった。


「杖も魔法を習得してなければ使えませんし…。

その時はまだ使えなかったのですよね?」


「今も本の知識を頭に入れただけで、

実際に使った事は一度も…。」


本来はどう倒すのか気になって、まゆりさんに聞いた。


悪天竺(モルスタビリー)って鋼の身体があるじゃないですか。

かなり特殊な戦いでないと倒せないんですよね…。」


例えばとまゆりさんは、話を続けた。


「魔法であれば、火炎系やガスを発生させるものなど

金属の特性を生かした倒し方ですね。」


悪天竺(モルスタビリー)の装甲は、

エネルギー効率を高めるために“魔素熱伝導鋼”という

高伝導性の特殊金属で構成されているらしい。


そのため、化学的な戦い方でないと倒せないと言う。


「これは手間ですけど…狭い空間で

とにかく走らせるというのもあります。」


この特殊金属の素材は、高温+高濃度のCO₂に

長時間さらされると分子構造が不安定化し、

靱性が著しく低下する特性があるとも言う。


「私の戦い方ってある意味正しかったんだ……。」


あの巨体を走らせれば、2分で悪天竺(モルスタビリー)の原動力である

体内のモーターがオーバーヒートして発火する。

空気が循環出来ない部屋に充満した高濃度のCO₂……。


そこに少し力を加えるだけで倒せてしまうと言った。


「まぁ、裏技に近いですけどね。」

 

まゆりさんは、くすりと笑った。


「それにしても……裏を感じざるを得ない

不思議なシステムですね……。」

 

集中している時のかなうさんみたく、

まゆりさんも顎に手を添えていた。


「やっぱりまゆりもそう思う?」


クエスト申請終わったかなうさんが戻ってきた。


「5分後出発だから、3番のゲートに移動しよう。」

 

ここでその話は少しまずいと言って、

かなうさんが3番ゲートの方へと私達を案内する。


「どこに誰が潜んでるか分からないからな。」


かなうさんは後ろを振り返り、

人影も見えないロビーの待合室をジッと見た。



「ところで呪文は覚えてきたか?」

「何個かは……。」


覚えるのが大変で、

本当に簡単なものしか覚えられなかったけど。


「簡単な魔法でも、相性があって

初めから使えるものと使えないものがある。」


3番ゲートの前へ到着した私達。


「いわゆる、素質やセンスというものだな。」


そういうところから見合った職業を絞ることも出来ると

かなうさんは言った。


職業試験なんて受けさせないで、

初めからそうしてくれれば良かったのに……。


「初めからそうすれば良かったのに〜って思うだろ?

意外とそうでも無いんだよ。」

 

30以上の職業があって、武器も無限にある。

何万通りの戦闘スタイルがある中で、うつつは

試験で剣や銃を選ばなかった……とかなうさんが言う。


「その選択のおかげでいくつもあった道が絞れた。」


そして、武器選びに迷っている私へのプレゼントとして

蘭さんから立派な杖が贈られた。


「あとは、うつつが決めるだけだよ。」


攻撃したいのか、護りたいのか、自分を磨きたいのか……


自分が何をしたいかという、心の選択肢で職業は決まる。

そう、かなうさんが言った。


「何がしたいか……。」


私は……。


ガチャン…ゴゴゴゴゴ__


3番ゲートが開いた。

ゲートの奥は綺麗な銀河が広がっている。


「気負うな。こういう時はフィーリングだ。」


かなうさんに背中を押され

私はゲートへと吸い込まれて行った。

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