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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
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第31話〜言葉より頭〜

探偵事務所の創立パーティが終わり

事務所には、私とかなうさん、わっさんだけが残った。


片付けが終わったグラさんと米丸さんは帰り、

霧香さんは配信があると、別の部屋へ入ってしまった。



《しゃぁ!!レアアイテムゲットォ!!!》


一体どんな配信をしているのだろうか……。

時折、勇ましい声が聞こえてくる。


というか、さっきの印象と大分温度差が……。


「霧香が気になるって顔してるね。」

 

そんな顔をしたつもりはなかったけど、

私も顔に出やすいタイプなのだろうか。


「まぁ……さっきとテンションが大分違うなぁって。」

「あーそういうことね。」


私が気にしすぎなだけだろうか…。

 

仲良くなりたいと思った人と距離の壁を感じると

その人に自分はどう思われてるのかとか

嫌われてないかと心配になってしまう。


結果そういう時って、

当の本人は何も思ってなかったりするんだよね。


「人間誰でも最初は壁を作るだろう?警戒心ってやつ。」


この人を信用していいのか、

自分のパーソナルスペースに入れて大丈夫なのか

まずは言葉ではなく頭で考える。

とかなうさんは話し始めた。


「頭で考える……。」


「うつつがここに来た時もそうじゃないの?

私を信用していいのか、でもうつつの場合は他に頼る人が

居なかったから私を信用するしかなかった。」


かなうさんの言う通りだ。


自分はここに初めて来た時、

かなうさんしかいなかった。


だから、こうして少しずつ信用しながら距離を詰めて

この世界のことを知っていって……。


「要は、霧香は人見知りしてるってことだな。」

わっさんが分かりやすく説明してくれた。


「時間はかかるかもしれないけど、彼女も良い子だし

うつつとも感性は近いから仲良くなれると思うよ。」


「そうですよね、今焦る必要なんてないですもんね…。」


もう大人だというのに、友達作りに苦戦してる

小学生みたいでなんだか恥ずかしくなってきた。



「話変わるんだけどさ、

さっき聞こうと思ったやつ今いい?」


そういえばパーティ中に私に用があったみたいな……

自分も凄くモヤモヤしてたんだった。


「良いですよ。」


なんの事だったんだろうか。


かなうさんが、じゃあ……と口を開いた。


「帰ってくるの早くない?」

何かあったのかと問い詰めた。


「……そうでしたね。」


私も戻って直ぐに米丸さんとぶつかる出来事があったから

その衝撃ですっかり忘れていた。


パーティ中に聞かなかったのも、かなうさんの

気遣いだったんだなと、心のモヤモヤが晴れた。


「もぬけの殻だったんです。」


「え?」


住んでいたアパートに戻ったけど、そこには

何も残っていなかったと私はかなうさんに話した。


「大家さんに聞いたら、父が来て捨てたと言うんです。

私のことは"死んだ"と言って。」


「そんな……。」


昔からそうだった。


母が居なくなってから、父は変わった。

仕事に没頭することになり、家にはほとんど戻らない。


そこまでは良かった。


1年経ったある日、当時中学2年生だった私は

突然父に捨てられた。


「私、一人暮らしを始める前はバイトをしながら

児童養護施設で生活してたんです。」


藤宮恵子さんという寮母さんの元でお世話になっていた。

いつまでもそこでお世話になる訳にはいないと思った私は

学業を削り、アルバイトで生計を立てていた。


「やっと一人でも生活していけるお金が溜まったので、

就職をするのと同時に児童養護施設も離れました。」


でも、なぜ父は私が住んでいるアパートが

分かったのだろうか。


誰にも話していない事だったのに。


「なんかWAKWAKさんしてきた。」

「人の辛い過去でわくわくしないでください……。」


他人の不幸は蜜の味って言うもんね……。

私のSNSのフォロワーだって楽しんでたし……。

 

「違うよ。私が気になってるのはそこじゃない。」

 

人の不幸話を楽しむのは流石にクレイジー過ぎると

呆れながら言った。


「そうか……流石にか……。」


そんな斜め上を回る様子に、

かなうさんは一味違うなと思った。

 

「私が気になってるのはキミの父親だよ。

事件の匂いがぷんぷんする。」


事件……まるで探偵みたいなこと……

いや、探偵だったな。そういえば。


「中2の時に関係を断たれているはずなのになぜ、

うつつの現在の住居を知っている?

そしてなぜ、うつつが居ないタイミングで私物を捨て

大家には死んだと言ったのか……。」


ぶつぶつと独り言のように語り始めたかなうさん。


「……集中するといつもこうなる。

頭で考えたことを口に出して整理してるんだ。」


人が居ない時は、口ではなく紙にメモしてると、

事務所の戸棚に溜まっているファイルを指しながら

わっさんが教えてくれた。


「あの中は全部、かなうの分析メモが

ファイリングされてる。勘が鋭いんだよな。

かなうが導く答えはほぼ外れない。」


今までの依頼も難なく解決してる。と

飼い主の功績をわっさんは自慢げに話している。

 

勘の良さはスキルとか魔法ではなく、

かなうさんは元からの知性や相手の行動や

心理を汲み取る共感力だったり...

 

抑えられない好奇心、それを満たすための行動力が

長けていると言う。


「素で探偵みたいなやつなんだよ。」


確かに思い当たる節は、いくつかあるかも…。


人としての能力値が高すぎやしないか…?

 

かなうさんなら、一人で無人島へ行っても

生還できそうだと思った。


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