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現実的ファンタジア〜綺麗で完璧な世界で、私たちは闇と向き合う〜  作者: KAИАU
第2章【"侵食されていく日常"を味わう気分はどうだい?】
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第29話〜月影探偵事務所〜

「いたぁっ!!」


ログインした私は再びアトリエへと転送された。


しかし、転送直後に運悪く何かにぶつかってしまった。


バタッ__


ぶつかったそれは金属のように固く、

私の身体は衝撃で床へ倒れ込んだ。



「ん?」

「うぇ?!」


知らない男性と女性の声が聞こえた。


見上げて顔をよく確認すると

背が高く小さな虎を肩に乗せ、甲冑を身に纏った男性と

ゴーグルをかけロングコートを羽織った

中性的な顔立ちの女性。

 

2人は両手に袋を持っていて、

そこからは食欲がそそる良い匂いがした。


「お、おお女の子が降ってきた?!!

ここのセキュリティどないしたん?!壊れたんか?!」


女の人は、かなうさんの名前を呼びながら

「大変や!」と慌て、アトリエのカウンターの奥にある

階段を下りて、地下へと行ってしまった。


カウンターのテーブルでは

わっさんがヨダレを垂らしながら寝ていた。


よくこの状況で寝れるな……。


「すみません……自分の不注意でぶつかってしまい。」

甲冑の人は、申し訳ないと謝った。


ログインしてすぐに人とぶつかる未来があるなんて

私だって予想出来ない。

 

「いえ……私も自分でログインするのは初めてで

何も分からなくて……。すみません。」


立ち上がり、私も謝った。


「やっぱりうつつだったか〜。」


地下への階段から、かなうさんが姿を現した。


「おいおい、コイツ寝てんのかよ。」


起きろと、かなうさんはわっさんを叩き起した。


「ふごっ…!」

驚いたような顔で目を覚ました、わっさん。


さぞ、素敵な夢を見ていたのだろう。

起きて少し悲しげな顔をしていた。


「かなうさん、この方は……?」

甲冑の人が、私のことを聞いた。


「うちで暮らすことになった子だよ。

ちゃんと皆に話すから、ひとまず地下に集まろうか。」


アトリエの鍵を閉め、CLOSEの看板を立てると

かなうさんは私達を地下へと連れていった。


初めて入った地下の部屋は、

2階のかなうさんの家のように必要以上の家具は無いが

なんだか賑やかな飾り付けがされていた。


パーティでもする予定だったのだろうか……?


机の上には美味しそうな料理も用意してある。


「グラさん、これもお願いします。」

「はいよー。」


甲冑の人が、さっきのゴーグルの女性……グラさんに

袋を渡した。



そして部屋にはもう一人、始めて見る女の人がいた。


その人の肩にも動物が……。

トカゲだろうか?凄く見られているような……。


ここって動物連れなきゃいけないルールでもあるの…?

そんな事を思いながら、かなうさんの言葉を待つ。



「それじゃあ、皆揃ったから始めようか。」


かなうさんは、紐のようなものを手に持ち引っ張った。


「祝!月影探偵事務所創立2年!!」


紐を引くと、かなうが言った言葉通りの文字が書かれた

長い紙が色鮮やかな紙吹雪と共に出てきた。


「月影探偵事務所……?」


事務所って……え……。


アトリエ事業の事務所が地下にあるのだと思っていたけど

探偵事務所も兼業していたってこと……?


「何も言ってなかったんやな。

困惑してるようだから、かなうさん説明したってやー。」


グラさんが、やれやれといった顔で腕を組んでいた。


 

「ごめんごめん。今日本当は説明する予定だったけど、

うつつが一旦ログアウトするって言い出したから

変に自分の話するのもね。唐突過ぎて驚いたよね。」


ごめんねとかなうさんは謝った。


そうだったんだ……分からなかった……。


「先に皆に説明すると、この子は5日前に

ここのゲームへ来た新規ユーザーの鳴宮うつつ。」

 

「初めまして……。」


すでに出来上がったグループに、

空気を読まず入ってきた人感が否めなくて

なんだか気まずい……。


「ここは、私が経営している探偵事務所

月影(つきかげ)探偵事務所】だよ。」


探偵事務所とは言っても、事件性ある依頼はほとんどなく

猫の手も借りたいレベルの依頼しか来ないらしい。


「ここに居る"グラさん"と"こめまる"は

探偵事務所の調査メンバーでもあり、

アトリエの店番もたまにお願いしてるよ。」


ゴーグルをかけた女性の名前は、

茉城(まき)かぐらさん。

グラさん呼びで親しまれているみたい。


職業は錬金術師から派生したエンジニアで、

事務所の調査隊員としてのスキルもかなり優れている

敏腕さんだとかなうさんが自慢げに話していた。


ほんと、女性に甘い……。

 


甲冑の男性は、米丸(よねまる)大雅(たいが)さん。

"よねまる"なのに米に丸と書く苗字のせいか

"こめまる"と呼ばれているらしい。


職業は召喚士から派生したマジシャンで、

酒場【S.D.D.】にもよく指名をもらって

マジックショーをしに行ってるとか。


「がぅ!」


肩に乗っている小さい虎が鳴いた。


「こいつは虎太朗(こたろう)って言います。」

 

ちびトラの魔物炎の幻獣(フェルティガ)


火の魔法を扱えるが、火事を起こすほどの

大火は出せないと米丸さんは言った。


「がぅがー!」


なんて可愛い生き物なんだ……。


わっさんのように喋ることは出来ないが、

人の言葉は理解してるらしい。



「そして、この子はうつつが会いたがっていた

藍羽(あいば)霧香(きりか)だよ。」


「どうも……。」

ぺこりと霧香さんはお辞儀をした。


ゴスロリ調のお洋服に白い肌。

そして、私を見つめてくるトカゲと同じ青い舌。


しっぽが付いていたり、耳も人間っぽくないけど……

お人形さんのように美しい人だった。


「はじめまして。」

私もお辞儀を返す。


人見知りなのか、霧香さんはあまり多くを語る

タイプではないようだった。

 

「このトカゲの魔物。

図鑑に載ってなくてさ、魔物名は不明なんだけど……

レフって呼んでくれたらいいよ。」


本当の名前は【レオナルド・ヴ・フランシス・ヴァンサン・ウィリアム・ジョセフ】と言うらしい。

 

一体どうしてそんなに長い名前を……?


少ない情報の中でのインパクトあるネーミングセンス。

霧香さんへの謎が深まった私だった。


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