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第102話〜託す〜

前半、うつつ視点

後半、米丸視点です。

「でも、良いアイディアでしたよ!」


え……?


パチンと霧香さんが両手を合わせ、

私の提案を褒めてくれた。


「そう言われるような案では……。」


素直にありがとうございますと言えばいいのに。

こういうところで素直になれない自分も嫌だ。


「霧香さんの鏡開き作戦をベースに、

まず海豹雪玉(シールド・ミルク)を凍結魔法で固める。」


作戦をまとめるように、愛依さんが話し出す。


「固めると言っても対象がかなり大きいので、

1番魔装具の余力がある私と霧香さんが、

海豹雪玉(シールド・ミルク)に交互で凍結魔法を撃ち続けましょう。

2人で撃てば凍結効果も10秒近くは持つかと。」


「はい!わかりました!」


任せてくださいと霧香さんは気合いを入れて返事をした。


「その間、 うつつさんには石化してもらい……

私達が魔法を使い切ったタイミングを見て、

米丸さんは怪力魔法で石化したうつつさんを

木槌のように振り下ろしてください。」


これが上手く嵌れば、海豹雪玉(シールド・ミルク)

粉々に砕けると愛依さんは自信満々に語った。


「そうっすね。これなら成功率は半分まで上がるかと。

100にするためには、あと……"運"っすね。」


運……今1番信じたくない言葉。


でも、人は(ごく)たまに運を超えるような

パワーを発揮する時がある。


やるしかない。


私は右手で拳を作り、強く握りしめた。


「石化の効果は2分なので、

海豹雪玉(シールド・ミルク)が全て凍結したタイミングで

石化魔法を唱えてください。」


愛依さんが私の肩に手をポンと置き

大丈夫だと言うように指示を出す。


「……はい!」


その1つの動作が、私の心を勇気づけてくれた。


全員が定位置へと移動する。

 

海豹雪玉(シールド・ミルク)を挟むように霧香さんと愛依さんが左右に立ち、

私と米丸さんは正面から向き合うように立つ。

 

「それじゃあ……"鏡開き作戦"開始です……!!」


愛依さんの合図で、霧香さんが片手を開き魔法を放った。


氷結刻刻(フリーズ・タイム)!!」


パキパキッ__


海豹雪玉(シールド・ミルク)の左下半分が凍結する。


氷結刻刻(フリーズ・タイム)


パキパキッ__


間を空けずに、愛依さんも魔法を撃ち込み

右下半分もまた同じように凍結した。


氷結刻刻(フリーズ・タイム)っ!!」

氷結刻刻(フリーズ・タイム)……!」


パキパキパキパキッ__


愛依さんの作戦通り、3往復目くらいで

海豹雪玉(シールド・ミルク)の体が全て凍結し、氷の塊となった。


2人の魔法回数は合わせてあと13回。

ここからは時間との勝負だ。


「うつつさん、いいっすよ。」

「はい……!」


米丸さんはいつでもいけると私に言った。


 

化石硬化(アモナ・ストーン)ッ!!!!」


思いっきり叩いちゃってくださいと言って

私は、石化魔法を唱えた。


ピシッ……ピシピシッ__


足元から鈍色に固まっていく私の体。

固まった足はもう動かせない。


私は、頭を守るように手を頭の上に置いた。


「思いっきり叩けと言われてもなぁ……。」


女の子を使って魔物をブッ叩くのは

流石に気分悪いっすよ。なんて聞こえた

米丸さんの言葉を最後に、私の意識もそこで固まった。


ピシッ__


先程まで動いていたうつつさんは完全石化し、

意識も止まった様子だった。

彼女の真っ直ぐな瞳は勝気に溢れていた。


ただ、この頭を守ってるポーズは

ちょっと不格好で笑える……。


運機上腕(アップ・リフト)ッ!」


俺は怪力魔法を唱え、

石化し重くなったうつつさんを持ち上げた。


通常体重×100倍の重さになる。

女の子の体重を晒すのは紳士的精神に反するけど……

ざっと400~500kgってところかな。


旋回風々(タスピ・フーン)……!……ッく!!」

 

ブォンッブォォン__

 

怪力魔法に掛け合わせて、俺は回転魔法を唱え

石化したうつつさんをハンマー投げのようにぶん回す。


旋回することで風圧も加えられ、更に重みが増す。

 

怪力魔法を使ってるとは言え、かなりキツイ。


氷結刻刻(フリーズ・タイム)っ……ゔっ!!」

氷結刻刻(フリーズ・タイム)……っ!!」


パキパキパキパキッ__

 

霧香さんと愛依さんもまた、凍結魔法を唱え続けているが

魔法の連続撃ちは体力的にキツイため2人の息も上がる。


そろそろ魔装具の制限も来るはず。


ここで、俺が……


「2人共離れてっ!!!!!」


石化したうつつさんを凍結した海豹雪玉(シールド・ミルク)へ向かって

投げ飛ばした。


俺の掛け声に、2人共魔法の出力を止めて

後ろへと下がる。


ガシャ__


俺は、うつつさんから手を離した反動で

床に手をつきバランスを崩した。


しかし……


ピシッ__


うつつさんの身体は上手く海豹雪玉(シールド・ミルク)へと当たった。


「……頼むっ!!」


俺はこれに命でもかけてるのか?

そう思うくらい必死に両手を合わせて願う。


ピシピシッ……ピシッ__


凍結した海豹雪玉(シールド・ミルク)にヒビが入る。


「いっけぇぇえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙っつ!!!!!!」


柄にもなく、俺は声を荒らげるように叫んだ。


ガシャァァァン__


粉々に砕け散る氷の欠片……

海豹雪玉(シールド・ミルク)だったものだ。


「やった……。」


キラキラと舞い散る氷の欠片を眺めながら、俺は

 

"亀裂の入ったガラスは二度と同じ形には戻らない"

なんて言葉を思い浮かべていた。


あれ……なんか……

一瞬、かなうさんが言ってそうなんて思っちゃった。

 

「……少し懐かしい。」


このキラキラした氷の粒を見ていると、

かなうさんと初めて出会った時を思い出す。


まぁ……今は甲冑をつけているせいか

本人には、"あの時の冒険者"だったってのは

忘れられてる。


いつか、この甲冑を脱いで

皆と向き合える日が来れば良いな……。


「まぁ……暫くは無理か。」


体に馴染んでしまった甲冑。

抱えたコンプレックスはそうそう簡単には

離れてくれない。


「うつつさん、大丈夫っすか?」


俺はカシャカシャと金属が擦れる音を奏でながら、

石化が解けて床で(うずくま)っている

うつつさんの元へ駆け寄った。

 

巫まゆりの二面図公開しました!

キャラクターイラスト更新してるので、ぜひ見てください!!!!べっぴんさんです*ˊᵕˋ*

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