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第100話〜不運体質〜

苺乃さんに喝を入れられ、私達は魔法訓練を開始した。


先陣を切ったのは米丸さん。

 

花火魂(フレイム・スパーク)5連(フィフス)!」


ボフ……ボフボフボフボフッ__


5発の花火玉が爆発するように海豹雪玉(シールド・ミルク)へ当たるも

巨大なもちもちのボディのせいか上手く攻撃が入らず

その場で威力が消滅。


米丸さんが仕掛けた攻撃は、

夏の夜空の花火のように綺麗には咲かず儚く散った。


「効いてない……。」


自分よりも魔法を扱える人の攻撃が

全く機能しないことに、私は絶望を覚える。


いやいや、この後どうしろってんだ……。


そんな私の思考はお構い無しに、

続けて愛依さんが植物魔法をかけた。

 

双蔓棘鞭(ツイン・バインド)……!!」


バインバインッ__


2本の棘付き(つる)海豹雪玉(シールド・ミルク)への攻撃を試みるも

やはりその特性的なボディのせいで、(つる)(むち)

跳ね返されてしまった。


「効かねぇ……。」


俺もう魔法5発使っちゃったよと嘆く米丸さん。


やはり基礎魔法だけで倒すのは厳しいのだろうか……。

初心者の私にとってはかなりハードルが高い訓練だ。


「あとは頼みます。」

「いや、アニメ最終回前じゃないんですから。」


まだ始まったばかりだと言うのに……。


1人で諦めようとしている米丸さんの姿に、

思わず私も変なツッコミを入れてしまった。


彼の攻撃は単調だったとは言え、愛依さんの提案通りに

"1人5発打つ"という目標に対しては、きちんとこなした。


それに比べて、私はまだ1発も打てていない。

人に突っかかる前に自分の行動を恥じるべきだ。


プワァァァ__


海豹雪玉(シールド・ミルク)がまた1つ、大きなあくびをした。


「打開策が欲しい……。」


そう言った霧香さんは頭を抱えながら、

魔法書を読み込んでいた。


私も何か……魔法を唱えなきゃ……っ。


「うつつちゃま!何でもいいでしゅよ!

難しく考えずに魔法を唱えるでちゅ……!」


苺乃さんが私へアドバイスをする。


何でも……って、今1番困るやつ……。

それでもしなければ始まらない。


私は、頭の中に浮かんだ風の攻撃魔法を唱えた。


風々摩擦(ウィンド・ブレイク)!!」


ぽすっ__


巨大海豹の身体へ目掛けてザクザクと風を切るはずの

魔法は、灰色の煙と共に消沈してしまった。


「なんでぇぇええええ?!!」


かなうさんとまゆりさんの3人で行った

クエストの時もそうだった。


米丸さんがさっき使っていた花火魂(フレイム・スパーク)という魔法も

あの時、不発に終わっていたのだ。


「もしかして、私魔法使えない……?」


いや、でも……昨日"紅の瞳(レッド・アイズ)"は使えた。


私の職業がヒーラーだと決定した時のように、

私の中で使える魔法と使えない魔法がある……?


そう考えると、ココロに絞って貰った魔法を

数字で振り分けたのは良くなかったかもしれない……。



「うつつ!」


遠くからかなうさんが私に声をかけた。


かなうさんの隣には、いつの間にか寝ているわっさんと

可愛らしい顔で応援している虎太郎がいる。


「今から私が言う魔法を2つ唱えてみろ。

きっと、うつつにとっての掴みになるはずだ。」


そう言って、かなうさんは水魔法の"水泡流々(アクア・プール)"と

加速魔法の"天川銀河アクセル・ギャラクシー"を唱えて欲しいとお願いした。


「私にとっての掴み……。」


いつもかなうさんは私にアドバイスをくれるが、

その答えはくれない。


"自分の目で確かめろ"


こうして私が悩む度に、ここに来た始めの頃の言葉が

頭を()ぎる。


自分の人生は結局、他人には変えられない。

自分自身の手で変えていくしかない。


それを理解しているかなうさんだからこそ言える

言葉の厚みだった。


水泡流々(アクア・プール)!!」


ぽすっ__



風々摩擦(ウィンド・ブレイク)花火魂(フレイム・スパーク)と同じように

不発に終わる攻撃魔法。


まだだ。


もう1つ魔法が残っている。


天川銀河アクセル・ギャラクシー……っ!!」


目の前の巨大海豹ではなく、

自分へ向けて加速魔法を唱えた。



グインッ__


「……っ!!」


軽く走ってみると、私の足がいつもの倍速く動いた。


これは……効いてるっ!!

以前、かなうさんに加速魔法をかけてもらった時と

同じ感覚……!


しかし……なぜ?

というか、加速したところでどう攻撃すれば……!!


とりあえず突っ込む?!


私は加速して勢いのついた足を使い

海豹雪玉(シールド・ミルク)の体へ向かって体当たりした。


バインッ__


もちもちの体は私からの衝撃を吸収し、

カウンター攻撃のように跳ね返す。


ドサッ__


「うっ……痛い……。」


おしりから床に落ちる私の身体。


勢いよく突っ込んだだけあって、

勢いよく跳ね返されたな……。


「大丈夫ですか……?!」

 

駆けつけてくれた霧香さんが、

床に座り込んだ私の手を握った。


ジンジンとするおしりの痛さに我慢しながら

立ち上がった時、私は気づいた。

 

今まで私が使った基礎魔法……


その魔法は2種類存在した。


「……そうか。そういう事か。」


それは、攻撃に直結する攻撃魔法とそれ以外の魔法。


「何か分かりました?」


霧香さんが私に聞いた。


「私が使える魔法のことでちょっと……。」


そして、私は多分……攻撃魔法が使えない。


でも、それ以外の自強化魔法や

攻撃に繋がる魔法は使える。


「珍しいでちゅね……

ふちゅうは誰でもつゅかえるのが基礎魔法。」


攻撃魔法だけ使えないのはまた不思議な話だと

閉じた扇子を自身の頭において苺乃さんは言った。


「もしかしたら……。」


かなうさんが分かったような口振りで

私の肩をポンと叩いた。


「えっ」


いつ、私の背後に……?!


気づかなかった。

というか物音1つもしなかった……。


「キミの"不運体質"は操作されているのかもね。」


真剣な表情でかなうさんは言った。


「操作って……誰に……?」

 

攻撃魔法が使えない理由と不運体質になんの関係が……?


かなうさんが知っている答えも私には全く分からない。


自分の知らないところで起きている未知の恐怖に

私は声が震えた。

更新2日ほど止まってしまい申し訳ないです( ; ; )

暫く2日に1回ペースの更新になりそうです。


そして、投稿100話突破!ありがとうございます!

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