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第98話〜料理と戦闘と効率〜

「お昼にするでち!」


苺乃さんが大きな風呂敷を2つ持ち、私達へ声をかけた。


「「「助かった〜〜!!!」」」


指導を受けていた私と、霧香さん、愛依さんの声が

綺麗に重なった。


同じ体術訓練でも私達はそれぞれ違った方法で

指導を受けていた。


私は、とにかく苺乃さんと1対1での対人試合。

試合中に自分の弱点や戦術思考を探しながら

攻撃の仕方を学んだ。

 

霧香さんは、体術の基礎トレーニング。

米丸さんから動きやすい構え方や体幹を鍛えるための

ストレッチや筋トレを中心に励んでいた。


1番キツそうだったのが愛依さんだった。

仮想戦闘ができるこの部屋の特性を活かし

かなうさんの手によって、次々と出現しまくる魔物を

とにかく倒しまくっていた。


三者三様でハードな訓練をこなした私達は

互いを讃え合うように、お疲れ様ですと

ハイタッチを交わした。


「腹が減っては戦はできぬでしゅからね〜

いっぱい食べて午後も頑張るでちよー!」


そう言って、苺乃さんは風呂敷の中から

何層にも重なった正方形のお弁当箱を広げる。


お正月とかでよく見る重箱と言うやつだ。


「おいしそう……です……!」


お弁当を楽しみにしていた霧香さんは涎を垂らしながら

受け皿と割り箸を受け取る。


ホントに楽しみにしてたんだね。


こういう時間が微笑ましくて、

私も自然と笑顔がこぼれる。


「かなうさんと米丸さんは食べないんですか?」


私は苺乃さんに聞いた。


2人は私達と離れたところで、仮想の魔物と戦っていた。


「先に食べてて良いって言ってたでちゅよ!」


指導していた分、自分達の訓練が遅れているから

その分を補っているのだと……。


凄いなぁ……。


私達に時間を割いて教えていた上で、自主練まで。

カッコよすぎる。


「かなうさんって意外と真面目ですよね。」


私は、梅干しの入ったおにぎりと唐揚げを頬張りながら

かなうさん達の戦闘を見ていた。


「かなうちゃまはそうでちね、

人一倍責任感は強いと思うでしゅよ。」


アカデミーを共に過ごしてきた苺乃さんの

その言葉には説得力があった。


「確かにお姉様の責任感のレベルは異常ですね……。」

「お姉様?!」


霧香さんの口から出たお姉様というワードに

食い気味な愛依さん。


あれ、愛依さんは知らなかったんだっけ……。


「え……あ、血は繋がりないですよ。

私が勝手にお姉様と慕っているだけです。」


それもそれで不思議だけども……。


不良間でのアニキとかアネキ呼びみたいなのに

近い感覚なのだろうか。


「そういうことでしたか……!失礼しました。」


取り乱してすみませんと愛依さんが謝った。

 

なんだろう……私の感覚が正しければ、愛依さんって

めちゃくちゃ、まゆりさんと似たタイプな気がする。


多分、嫉妬するとかそういうのは無いだろうけど

なんというか……かなうさんを見ている目がもう

推しとか好きな人を見ている目だ。


初めて会った時は、気の弱い子かなとか思ってたけど

今は全然そんな雰囲気ないや。


これもかなうさん効果?

いや、どんな影響力だよ。カリスマ(りょく)あり過ぎだろ。


なんて自分にツッコミながら、

ローストビーフを口に突っ込んだ。


「んっ!!これ美味しい……!!」


顎が、噛む仕事をさせてくれないくらいに

お肉がとても柔らかい。

そこに、あまじょっぱくもスパイシーなソースがよく絡み

何枚でも食べれそう。


「うつつちゃま美食家でちね〜〜!

雛の作るローストビーフはふちゅうのと比べて

(ひと)味も、ひと手間のかけ方も違うでちゅよ。」


塩コショウを振りかけた牛のブロック肉に

すりおろした2分の1の玉ねぎにお肉を30分漬け込み、

それから玉ねぎの漬け汁と共に赤ワインで数分煮込む。


沸騰したら汁を別にして、お肉を焼き目がつくまで

強火で焼き、全面に焼き目がついたら

フライパンから取り出し、アルミホイルで包む。


そうすることで余熱で中にも火が通り

柔らかく美味しいローストビーフが出来上がるのだと。


仕上げに、別にしていた玉ねぎとワインの汁を

フライパンへ戻しバルサミコ酢・バター・はちみつを混ぜて

ドロドロになるまで煮込めば特製ソースの完成。


玉ねぎによるタンパク質分解の効果で、時間をかけずに

美味しく作れると苺乃さんは教えてくれた。


「料理も戦闘と似てるでちゅよね。」


料理では常に、いかに美味しく効率よく

仕上げられるかが大事になる。


例えば、餃子と炒飯とラーメンとエビチリを作って

食べるとなった時、ラーメンを最初に作ったりしない。


最後の料理が作り終わった頃に、

麺が伸びてしまうからだ。


この場合、餃子のタネを作り包むところまで終わらせたら

炒飯を先に作る。その次に餃子を焼く。

この時もまた、エビチリを先に作っては効率が下がる。


なぜなら、ソースでフライパンが汚れるからだ。

そのまま使えば味が移り、洗う手間も増える。

 

餃子を焼いている間に、エビチリの下準備をし

ラーメンを作り始めるといった料理の手順が

1番のベストだ。


「常にスピード勝負!

考えながら動かなきゃいけないでち!」

 

そう考えると、確かに料理は魔物討伐だったり

戦闘とよく似ている。


大きくて強い魔物と小さくて弱い魔物が1度に現れたら

必ず最初に小さい魔物を倒す。

そうすることで、ダメージや動きも最小限に抑えられる。


「こういった日常でも効率にちゅいて考えることが

出来るようになれば、戦闘にも生きるかもでちね!」


苺乃さんのそのアドバイスは的確だった。

 

料理は戦闘と同じ……

今日からギルド対抗戦までの間、夕飯の支度は

私の方で当番出来ないかお願いしてみようかな。


「得意不得意は誰にでもあるでしゅが、

時間は皆平等に与えられてましゅから〜!」


効率は自分のモノにしたもん勝ちでしゅ!と

堂々と語る苺乃さん。


その一言を聞いて、私の中で溜まっていたモヤモヤも

晴れたような気がした。

雛子のローストビーフの作り方は、私がよく作るローストビーフのレシピだったりします!ガチ美味いのでぜひ!!!


本日、キャラクターイラストの項目で

「独楽千 実」の二面図を公開しました!

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