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第25話 大型アップデート2 データ回収阻止

依頼内容:データ回収阻止

敵詳細:不明プレイヤーマッチ

報酬:戦果に応じて

依頼文:我が方にとって重要な情報を奪取しようと、敵が地下基地に接近している。まだリフォームが終わっていないため、防衛体制は内部に仕掛けたカメラ以外一切整っていない。諸君らのみが戦力だ。

 地下基地内に敵を誘引し、データを死守、または敵を殲滅せよ。

参加者数:5名

参加資格:地下基地調査クリア済み


依頼内容:データ回収

敵詳細:不明プレイヤーマッチ

報酬:戦果に応じて

依頼文:先日敵に奪取された地下基地を奪還するための準備段階として、威力偵察を行う。敵基地深くまで侵入し、状況を確認。抵抗を排除し、データを回収して帰還せよ。

参加者数:5名

参加資格:地下基地調査クリア済み


特別任務 Extra Mission ~猟犬ちゃんの逆襲~

依頼内容 呼び出し

報酬 トロフィー

依頼文 ご主人様よりの指名です。指定の時間に、指定の場所まで来られますようお願いいたします。猟犬より。

(本ミッションは高難度ミッションです。報酬が発生しない代わりに、弾薬費・修理費も発生しません。十分な用意をしてご参加ください)


>データ回収阻止 でよろしいですか。

>YES NO


やってきましたは地下基地。アップデート後最初の全員揃っての出撃は、リーダーの希望により防衛戦になりました。調査部隊が撤収する際に残していったデータを、敵が回収しに来たので阻止しようという設定だ。

 今回俺はオペレータとして、前線ではなく地下最深部の個室に居る。施設のホログラフィック模型と、各フロアに設置されたモニターが部屋の大半を占領している。最終戦争前、作中設定ではストーリーから百年以上前に作られたにしては、大変状態がいい。


 前回来たときよりも施設内部のフロアが多く開放されていて、地形も大変入り組んでいるからどうしても案内役が必要だったのだとか。さては下見してたなリーダー。


 それで、なんで俺がというと。リーダーはどうしても出撃したいから、他の人で誰か、という話になり。機体が防戦に不向きなことから俺が立候補して、そのまま決定。

たまには人の戦いを特等席で眺めるのもいいかも、と思ったからではない。


 オペレーターとは、要は指揮官だ。戦場と戦況を見ながら、あそこを攻めろ、あそこを守れ。危ないから下がれ、と色々命令を下すのが仕事。

 ちなみに初挑戦。上手にできるかな?


「お。敵が侵入してきた。出迎えに行くか? それとも奥で引きこもって待つか? どうするリーダー」

「敵の勝利条件は全データの回収だ。上層はくれてやって、中層で待ち伏せして奇襲をかける。出方を見てその後のことを考えよう」

「了解。じゃあ中層の入り口にピンを立てたから向かってくれ」


 その間に施設内のカメラで敵の装備を確認。


「タンク1,シールド二枚持ちで両肩に機関砲。あとはテンプレ中量二脚2機、重量二脚が1機、こいつはロケランとレーザーキャノン持ち。気をつけろ

「了解」


 気をつけろと言っても、レーザーキャノンはどう気をつければいいのやら。シールドは貫通するし、装甲も一発。撃たせる前に潰すか。でもタンクと中二がカバーするだろうな。


……気がつけば、頭がどう攻めるかに傾いていた。今回は防衛戦、どう攻めるかじゃなくどう守るかを考えるのが正しい。いや攻めて全員ぶっ殺しても勝ちになるんだから、攻め方を考えてもいいんだが。

 まあ、最終的に楽しめればいいか。俺は深く考えるのをやめた。


「指揮はちゃんとしろよー。頼むぜー」

「オペレーターは初体験だから、失敗しても許してくれ。一層二層のデータは捨てて、三層で軽くジャブを入れて、そのままガチバトルか四層まで引くかはその時考える」


 ではメンバーの装備確認。

リーダー・中量二脚にスナキャとシールド

ナメクジ・重2にレザキャとレザブレ

ガンナー・タンク足に両手両肩ガトリング

ボンバーマン・重2にパイナップルメイスとグレランとロケラン。


 極端な編成だ……このメンバーをどう動かせば勝てるか、と考えるだけで頭が痛い。

 ……大雑把に指示を出すだけにしよう。素人が細かく口出しするよりもそのほうがいいだろう。皆ベテラン揃いだし、いいようにやってくれるはず。多分ネ。



少し待つと、敵は順調に上層のデータを回収し、中層である地下三層に侵入しようと入り口に差し掛かった。タンクを先頭に隊列を組んで進み、いよいよ接敵、開戦だ。


「もうすぐタンクが見えるはず。実弾耐性はかなり高そうだから、スナキャかレザキャでぶち抜くといいと思う」

「了解!」


 敵がどう動くかな。装甲と火力で押し込んでくるなら、その先鋒を崩せば上手くいくだろうけど。失敗したらその時だ。


「敵のスモーク!」

「グレネードと弾幕で足止め。見えたらキャノンで刺して。レーザーは」

「スモーク使われると威力がガタ落ちする。バッテリーが勿体ないからチャージカットするぞ」

「OK、格闘になるかもしれないから注意」


 監視カメラの角度を変えて、敵が見えないか試してみる。ダメだ。スモークが濃くて全然見えない。


「よっしゃ撃つぜ! オラオラオラオラ!」


 そこに加わるガンナーの30mmガトリング四門の硝煙。ボンバーマンのグレネードの爆炎。トンネル並の広さがある、決して狭くはない通路だが、あっという間に煙が充満して何も見えなくなる。


「タンクが見えた! ちっとも応えてないぞ!」

「あれだけ撃ち込んでか! 固いな!」

「リーダーよろしく」

「了解」


 後ろに控えていたリーダーが、マークされたタンクに向けて40mmキャノンを放つ。撃破マークなし、固い。


「二枚重ねは抜けないみたいだな」

「後退。ナメクジ君、レーザー撃てる?」

「間に合わない。撤退が遅れる」

「じゃあいい。ガンナーは射撃で頭を抑えながら殿」

「OK,ガトリングの洗礼を浴びせてやるぜ。おっ!?」


 撃墜1。ただしこちらの。やられたのはガンナーだ、相手の武器はロケットランチャー。的がでかいし火力も高いし、バカスカ撃ちまくって大いに目立ってたから、そりゃあ撃たれるか。盾を一枚くらい持っておけば生き残れたかもしれなかったな。


「すまんやられた!」

「後退は継続。ボンバーマンはスモークある?」

「ない! 地雷ならあるぜ!」

「じゃあそれで。リーダーは抜けてきた奴を撃って撤退支援」

「任せろ」


 シールドとキャノンを構える頼もしい姿よ。それでも相手の主力を倒すには力不足。なので、圧が減ってタンクの影から出てきた敵を。


-ENEMY DESTROYED-


「ナイスショット」


 互いに一機ずつ減って、損害はトントン。相手は追撃を思いとどまるか、それとも追ってくるか……


「追って、こないな」

「データ回収を優先するみたいだな」

「お、誰か地雷踏んだみたいだ。後が楽になるか?」

「確認する」


 監視カメラで確認。敵は全員動きを止めているけど、足を損傷してるのはどいつだ、と。タンクが履帯から煙を上げている。あれだな。


「踏んだのはタンクだ。足が止まった。応急修理するまで動けないぞ」

「チャンスだ。引き返して殴りに行こうぜ」

「本音は?」


 リーダーがナメクジ君に聞く。


「一発も撃ってないの俺だけだから撃ちたい」

「うーん。ここはオペレーターの判断に任せようか。どうしよう」

「好都合なことに、タンクを置き去りにして二機移動中。三人で囲んで叩けば勝てる」


 三機が方向転換。来た道を戻って、一人置いていかれたかわいそうなボッチを狩りに行く。その間に3つ目のデータを取られたけど、取られた分は仕方ない。全部取られなきゃ問題ないので放置。それよりタンクだタンク、合流される前にぶっ殺さないと面倒なことになる。


「接敵! こっちに銃口向いてるぞ!」


 通路の角から顔を出したナメクジ君に向けて、猛烈な射撃を加えるタンク。必死の抵抗だな。だが無意味だ。


「リーダー、頭を潰してくれ」

「やって……みよう」


 角から一瞬だけ頭を出して位置を確認、直後敵の砲弾が壁を削る。その中で盾を構えて飛び出して、砲弾を受けつつスナキャを発射。タンクの頭が消し飛んで、狙いが途端にでたらめになる。

 頭のカメラが消えて、ディスプレイは真っ暗、見えない敵を遠ざけようと悪あがきしているに過ぎない。


「近接攻撃でトドメ」


 ナメクジくんとボンバーマンが飛び出して、弾の雨を掻い潜り、タンクの足元にたどり着く。


「俺達の勝ちだ」

「チームワークの勝利だな」


 ボンバーマンのパイナップルメイスが、車体の上に乗った本体に叩きつけられて。装甲が爆風でめくりあげられパイロットが露出。ナメクジにレーザーブレードで生身の中身を焼き殺されてフィニッシュ。


「残り二人か。消化試合だな!」

「最後まで気を抜くなよ。舐めてかかると痛い目みるぞ」


 なおこの後。ナメクジのレザキャで二枚抜きされてフィニッシュ。無事勝利となった。




「ではこれより反省会を行います。戦犯ガンナー、起立!」


 帰還後、チーム共用リビングで吊し上げが行われている。実際仕方ない、スコアゼロだったし。


「反省の言葉を述べよ!」

「ロマンを求めすぎた。反省はしていない」

「ヨシッ!」


 ガチ勢でもないからこれでおしまい。楽しめればOK、ロマンを求めての結果なら誰も文句は言わないとも。今回はゼロスコアだったけど、次大活躍で来るかもしれないし。


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