加純さん、ソーセージを料理する?
ソーセージとウィンナー、フランクフルトの違いって、知っています?
9月に入って、大忙しでした。
夏の間、お絵描きエッセイ等なにも更新していなかったものですから、ここで一気に春と夏の企画参加作品のまとめ(【別冊】と題したお絵描きエッセイ2編)を書き上げ、連載終了まで持ち込んだのです。特に夏の別冊の方は、日に2回という、とんでもないハイスピードで更新を続け、のんびり屋のわたしにとっては「死ぬかも……」な作業ペースでした。おかげさまでたくさんの方の目に止まったのか、「夏のワクワク増刊号」は連載中に日刊・週刊エッセイ[その他]部門で1位をいただきました。(現在はさすがに下位に落ちましたが)
お絵描きエッセイで1位は、まれなことらしいです。ちょっと自慢。加純さん至上的にもまれなことなので、今のうちに自慢させてください。
さらに本編の方も6・7・8月分の活動をまとめ、月の前半はこれらの作業に追われ続けていたのです。
それこそ老体に鞭打って――の日々でしたが、おかげさまでそれらはすべて終了したのです。脱力~~!
この後、加純さんは念願の「エムこん」の更新と加筆に入ったのですが、この頃コロン様へとお見舞いに送ったイラストが1枚。
甘いものを食べて、元気を出していただこうと思って。
大急ぎでお渡ししたかったので、全部素材を活用させていただきました。構成デザインはわたしですが、ほぼパッチワーク。
とはいえ素材を作成したのは別々の方ですから、持っている雰囲気は少しずつ違うの。それを読み取りつつ、ひとつの画面に配置して違和感なく仕上げるのには、相応に構成力と技術が必要です。気に入ったからといって、ただ素材を並べただけではちぐはぐな印象になってしまう。借りてきた素材を自分の絵の世界観に溶け込ませられなければ、そこだけ浮いて見えるので邪魔でしかなくなってしまう。さまざまの色・形・大きさの素材をはぎ合わせてひとつの作品を完成させるというのも、難しいものだと思います。
パッチワークというか、キルト作家様たちの偉大さを知りました。
それでも時短には、素材は大変ありがたい。これを全部自作していたら、とてもササッとはお渡しできない。体調によっては絵も描けない時がありますし、時間があればまだなんとか……と思いますが、こういったものはタイミングを逃してしまっては意味がなくなってしまいますからね。
日頃からいざというときに使えそうな素材を集めておき、使い方をあらかじめ思案しておくのも楽しいですよ。
コロン様、お受け取りありがとうございました。
秋分の日、Xにも「#秋分の日」という文字が見えたので、加純さんも1枚挑戦してみました。
この頃彼岸花が咲き出したのもあって、彼岸花と狐で。
このイラストに短歌を添えて投稿したのですが、現在その短歌と共に、エッセイ「秋は茜色」に掲載してあります。そちらを読んでいただけると、なぜに彼岸花と狐なのか理由が書いてあるのですが、狐に彼岸花って似合うと思いませんか?
そしてその頃、わたしの頭を悩ませていたのは「#新12ヶ月の小品集2025」9月のお題。
マジで、悩んでいた!
お題は「ソーセージ」。
もともとは「ウィンナー」だったそうで、それだったらすっとぼけて「ウィンナワルツを踊る男女」でも描けたのに……とか、本気で考えていたくらい。ただ「ウィンナワルツ」の「ウィンナ」はお肉とは関係なく、「ウィーン風」という意味ですよ。知っていますよ。だからすっとぼけて、と言ったじゃない。あと「ウィンナ珈琲」もいけたわよね。うん。
こうしてアイディアに詰まると、加純さんはネタ探しに、SNSで調べ物に走ることになります。
ところで。ウィンナーとソーセージの違いってなんなのでしょう。(←ここからいくのさ、先は長いぜ!)
実は、ウインナーはソーセージの一種。ソーセージの歴史は古く、すでに紀元前8世紀にはソーセージの元祖となる料理があったらしい、とか。その後燻製技術の発達や、東洋から香辛料が持ち込まれ、12~13世紀にドイツで保存食として定着しヨーロッパ各地に普及、日本へ入って来たのは明治時代初期らしい。牛や豚、鶏などのひき肉に、香辛料・調味料を加え、羊の腸に摘めたもの。
正式名称はウインナーソーセージで、オーストリアの首都ウィーンで誕生したことが名前の由来とされ……あれ、ウィーン関係があったのかぁぁぁ! 行けるかも、ウィーン風。
でも姑息な手段だから、それは最終手段に取っておこう。
ではソーセージとは。大雑把に言えば、豚や牛、鶏などのひき肉に香辛料・調味料を加えて、ケーシングと呼ばれる羊や豚・牛の腸に詰めたもの。フランクフルトやサラミ、カルパス、チョリソーなどもソーセージの一種。
世界には1,000種類以上のソーセージが存在するらしいですが、分類や名称に世界的な基準はないとか。(←え!?)
そういえばフランクフルトっていうのもあったわよね。
太さと大きさが違うので、見た目でも判断できますが、大きな違いは豚の腸に摘めるということらしいです。またウィンナーはオーストリアのウィーン発祥といわれていますが、こちらはドイツのフランクフルト発祥。
ああ、なんとなくビールが恋しくなってきたわ。フランクフルトの横には、ザワークラウト添えて。
違う、問題はそこじゃない。
ソーセージとウィンナの違いは分かったけれど、どうやって描けばいいのかはまだ浮かんでこないんですもの。
安定の迷走状態。
この辺で放置して、パフェとか描いていたのですが。
ある日、まったく別のものを調べている時に、ネタが降りて参りました。
それは似て非なるもの。
でも、なんとなく納得できちゃうもの。これとこれを組み合わせたら、洒落が効いていていいんじゃない?
――てなわけで。
犬のダックスフントの長い胴体を、ソーセージに見立てて描いてみることにしました。
形状が似ているからいいんじゃない? という、実に単純かつ安直な発想から始めたのですが、これが意外に大変だった。
「ソーセージ練習①」
ソーセージにダックスフントの頭を乗せて、尻尾つければいいと思っていたのよ。気持ちはわかるでしょ?
でもね。ただ首を乗っけただけでは、そう見えないの。(←単なる技術不足断だけど)なんか、違う。
「ソーセージ練習②」
(※「ソーセージの練習」は脳内で妄想していたものであって、今回エッセイ掲載用にと実際に描き起こしてみたものです)
今回はリアルより、かわいい路線で描きたいと考えました。だって、リアル寄りの顔にソーセージの胴体はどう見ても合わないよね。ちぐはぐというか、それをヴィジュアル化したらグロくなるわよね。食べ物関係で「グロい」はいただけません。
問題は、どこまでデフォルメするかだと思うの。
やり過ぎてぬいぐるみのようになってしまっても、ソーセージの胴体が似合わない……というか、ソーセージの胴体のリアリティがなくなってしまいそう。どうせ絵だから、そこまでリアルにはならないのはわかっているけれど。でも、一目見て「ソーセージだ!」とわからなければ洒落にならないでしょう。
あんばいが難しい。
さて、本題のソーセージ。今回はわかりやすく焼き色を付けたそれで行こうと思います。パリッとした皮目のこんがり焼き目に、透けて見える中身の肉汁と、輝く油。匂いは付けられないから色だけで表現しなければならない――のが食べ物関係の絵の最大の難点。
だって、美味しいものは美味しく描きたいじゃないですかぁぁぁ!
溢れる肉汁と油を描くために、ソーセージの表面に切れ目を入れようかとも考えましたが、それはわんちゃんたちの胴体に傷をつけることになるのだと思い直して止めました。流れ出るのが肉汁ではなく、血か体液みたく見えちゃったらグロいでしょ。(誰~~! そっちの方が面白いって思ったヒト!!)
あくまでも「これはジョーク」に見えなければいけないのよ。
よりソーセージらしさを出すために、わんちゃんたちをお皿の上に乗せて、ケチャップと粒マスタードも添えて。まわりにハーブも散らしてみたり。
悪戦苦闘と試行錯誤の結果が、こちらっ!
「ダックス(ソーセージ)フント」
お皿云々の前に、すでに発想自体がグロかったかも……。う~ん。
あら、お気づきになりました? 「なんとか喰らわば皿まで」でフレームもソーセージですのよ。
こうして昨年の焼きと……もとい「ポールダンス」以来の問題作が出来上がったのでした。
参考画像「ニワトリとふとねぎのポールダンス」
ま、主催のかえる様には大ウケしていたから、いいか!(←??)
ご来訪、ありがとうございます。
企画参加と腱鞘炎の再発で、また更新が遅れてしまいました。
次回は(おそらく)スイーツと彗星が飛びます。飛びます。
もしキツネと彼岸花の話が気になった方は、
「秋は茜色」ep.3 炉端には彼岸花
https://book1.adouzi.eu.org/n7409ld/3/
までお越しいただけたなら「大変うれしいな~♡」と思う次第でございます。m(_ _"m)。




