69. 加純さん、飯テロを考える。
6月は「ぺこりんグルメ祭」企画と展覧会の企画に参加しました。
今回は、飯(スイーツ)テロと「ラベンダーピンク」「ジューンブライド」のお話。
6月のアイコンは、やまあじさい。昨年の6月も紫陽花だったので、今年は少し花の形状の違うやまあじさいで。まあるい手毬のような紫陽花も好きですが、装飾花が額縁のように真花を取り囲んだ山紫陽花の控えめな美しさも日本の花らしくて(アジサイは日本原産)愛らしいです。
やはりあじさいは、雨の季節に似合います。
「やまあじさい」
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知様主催の「ぺこりんグルメ祭」企画に参加しました。イラストだけじゃありません、文章の方も。(←そこ、珍しいとか突っ込まない! ホントに珍しいことなんだから!)
昨年の「ビタミンカラー祭」に引き続き、ゆるゆるな作品を上げております。
文章部門、イラスト部門、ともに今年の加純オンリーの裏テーマは『飯テロ』。(※あくまでも加純オンリーのテーマです!)
いえ、もう。企画の名称を拝見したときから、これはもう『飯テロ』するしかない! と思っていました。
おかげさまで好評をいただき、一応テロは成功したかな、とホクホクしています。
「なろう」に在籍するユーザ様なら「飯テロ」の説明はいらないと思いますが、第三者の食欲を刺激して「どうしてもその食べ物を食べたい!」「食べなくてはいられない!」と思わせちゃう行為ですね。ですから、掲げた食材が美味しそうに見えなければいけません。じゃないと、「飯テロ」にはならないでしょ?
でも言葉だけ、もしくは画だけで「美味しそう」を伝えるのは大変。どうすれば「絵に描いた食べ物」を、美味しそうって思ってもらえるのでしょう。
そんな時、加純さんが照らし合わせて参考にするのは、「自分だったらどう思うか、考えるか」ということ。かなり好みや主観が入ってきますから、そこだけって訳にはいきませんけどね。
でも同じ霊長類ヒト科ヒト属のサピエンス種ですから、大きく外すことはないでしょう。あとは、ネットで調べたっていいのですから。(←便利な世の中です)
話題が逸れましたね。えっと、美味しそうに見える方法でしたっけ? 美味しそうと思える要因はなにか、を抑えればいいという流れになっていましたよね。
まず。
お腹が空いているとき。そりゃ、そうですね。空腹は、一番のエッセンスです。でも、必ずしも空腹時に観てくださるとは限りませんよね。
視覚かしら。湯気が立っていたり、こんがりとした焼き目とか、ふんわりとしたカタチとか。溢れ出る肉汁。食材をつやつやと輝かせるテリ。
夏場でしたら、涼やかな見た目とか。彩りとか、盛り付け方が大きな要素になってくるかもしれませんね。
いい匂いがするとき。嗅覚が刺激されると、お腹がきゅぅっと来ますよね。これ、重要。
あと食感も。
ん? でも後ろのふたつは実感が伴わないと感じられないから、WEBで伝えるにはどうすればいいの?
なにかで連想させるしかないですよね……。
文字で「美味しい」を実感させるのは難儀ですが、絵で伝えるのも大ごとなのですよ。その絵を観た途端、「あ!」って思わせなくちゃなりませんもの。ご覧になった方の脳を瞬殺しないといけないのです。
これ、プロのマンガ家でも難しいそうですよ。どなただったか忘れてしまいましたが、そうおっしゃっているインタビュー記事を拝見したことがあります。
それ以来、「食べ物を美味しそうに描く」ことを、ひとつの目標としてきました。
でもね。
加純さんはこれまでもケーキやプリン、フルーツ等々描いてきましたが、そのたびに挫折の連続で。絵に描いた餅とか言いますけど、絵に描いた食べ物を美味しく見せるのって、ほんっとーに難しい。
コピックでも、デジタル作画でも。カラー画も、モノクロ画も、なぜにこうも難しいのでしょう……ってくらい上手く描けないのよっ!!
あまりにも上手く描けないので、意地になって挑戦してやるわ!
――ってな感じで、今回も挑戦。
主催の知様はチョコレートケーキがお好き、だという情報をさる筋から仕入れた加純さん。今回はチョコレートケーキに挑戦しようと決めました。
デジタル作画で挑戦します。
昨年の「ビタミンカラー企画」の「魅惑のプリン・ア・ラ・モード」がデジタル作画だったので、今年もその流れで行こうということもあります。が、文章部門も参加していた上に別企画の締め切りも抱えていたので、やり直しの負担の少ないデジタル作画の方がメンタルの負担も少なくて済みそうなので。
筆が遅い、作画が間に合わないと騒いでいる割にどうしていつも締め切りを掛け持っているのか、って思うでしょ? わたしもそう思っているのよ。なぜか、そうなるのよ。(←自業自得って言うんですよね)
それより、チョコレートケーキ。
円錐形のチョコレート味のスポンジをチョコレートでコーティングし、甘酸っぱいベリー類を飾り付け、チョコレートソースでデコレーションしてみました。チョコとベリーの相性は抜群ですものね。
「CHOCOLATE CAKE」
全体的に、シックな色合いにまとめてみました。上品に、オトナっぽくなったでしょうか。
これで終わるはずだったのですけれど。
なぜか企画開催期間終了日の前々日になって、突然、脳内にパンケーキが浮かんできたのです。
「ふわっふわ」という禁断のワードとともに。
勢いのまま、今度はパンケーキの詩を書いて、終了日前日に大急ぎで投稿。そしてその勢いのまま、今度はイラストを描き始めた。
スフレタイプの、ふわっふわパンケーキ。
カスタードクリームを添えて、粉砂糖を振りかけて。ミントの葉を飾って。
「PANCAKE」
お皿をギンガムチェック柄にして、カフェメニュー風。
こちらのイラストは急に思い立って描き始めたので、描きながらアイディアをまとめていったという作品。ギンガムチェック柄のお皿ってかわいいだろうなぁとか、思いつきで描いたのはよかったのですが、今度は背景のストライプと合わなくて悩まされました。
最終日になってからの制作でしたので、時間との競争。悩んでいる暇がないので、とにかく浮かんだアイディアは実行、気に入らなければ消去・やり直しの繰り返し。
デジタル作画だから出来た荒技です。アナログ描きだったら、ぜぇぇぇったい無理!
企画の参加は間に合わないと考えていましたが、描き始めた以上はなんとかカタチにしようと奮闘し、かろうじて締め切りに滑り込みました。
知様、その節はありがとうございました。企画運営もお疲れ様でした。
加純さんもがんばったよ、同志!
ちなみに企画終了後、気持ちを落ち着かせて作ったバージョン違い。
「pancake」
優雅な午後のティータイム風?
こうして6月の企画、ひとつ目は無事終わったのでした。
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頂き物のご紹介です。
ゆいたんこと楠木結衣様から、夏バージョンの割烹暖簾を頂きました。
「割烹 かずみ 暖簾2」
爽やかな色合いも美しいですが、今回は名前の下に扇を入れていただきました。
素敵でしょう。お気に入り。
ゆいたん、ありがとうございました。
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「ぺこりんグルメ祭」企画のお話のときに、チラリとでてきたもうひとつの企画とは。
このお絵描きエッセイでも度々出てくる、WEBでの展覧会の企画でした。
今回は企画の準備期間が重なるということもあり、前回の轍を踏んで(大騒ぎした年の初めの大スランプ)、作品は早めに4月上旬には仕上げてあったのです。
「ラベンダーピンク」
6月は雨の季節ですから、出展作品は水色青色が多くなりそうだと踏んで、あえてピンク。でも、どピンクではなく、今風に少しスモーキーカラーで。アクセントカラーはグリーン。
コスチュームはチャイナドレスではなく、チャイナロリータ。それに合わせてヘアスタイルもお団子に。髪飾りは牡丹の花。玩具ぽい傘と、デコラティブな靴でキッチュっぽさを。
憂鬱になる季節ですから、ラベンダーの爽やかな香りでリフレッシュ。(←ちょうどお花も咲き始める季節ですし)足元に、お供のパンダのお人形。
全体的に嘘っぽいというか、作り物まがい物っぽさが漂う不思議な作品になりました。
このイラストを提出したとき。主催様と「6月の展覧会だから、ジューンブライドを描けばよかったわ」というお話をしたら、ひと枠空きが出たので「ジューンブライド」を描かないかという展開になったのです。
なんとなく構図が浮かんできたので「はい、やります」と引き受けたのですが、その構図を描いていくうちに「え゛、なにか違う……」感に苛まれるようになりました。その理由がわからなくて、ドレスのデザインが違うのだろうか、背景の選択が違うのだろうかと頭を捻っていたのですが、どうも答えは「そこ」じゃないらしい。
困り果てた頃(締め切りがぁぁ)に、ポンと答えが出ました。
わたしが最初に思いついた構図は、クリスタの全身が入るようなロングアングルの構図だったのですね。
「ジューンブライド ボツ案」
でも「ラベンダーピンク」もロングアングルで、全身図が2作品続くことになるのですよ。いいえ、別にロングアングルの構図が悪いわけではなく、そうするなと指示があった訳でもありません。ですがこれでは芸がないというか、アングルを変えた方が良いのでは……というところに行き着いたのでした。
と云うか、バストアップの構図を描きたいのだと云うことに、ようやく気がつく。はぁ。早く気づけよ、わたし……。
「ジューンブライド ラフ」
ちなみに左側が採用案。右側がボツ案のラフスケッチです。あれこれ描き散らしています。右端の消してあるところは、別の作品のメモを書いてあったので消しました。あしからず。
そこからせっせとやり直し。
髪飾りやブーケ用に描き込みたいお花の練習。百合は使いませんでした。
下描きにミリペンでペン入れをしたところ。あとで入れる色を考慮して、ペン入れのミリペンの色を変えています。
実は今回珍しくカラーラフを作ったのです。他の絵師様方が作画の際に、カラーラフを作るというお話を聞いたので、わたしもやってみたくて(←憧れ)。
先にカラーを決めておけば、彩色の際に色の選定を迷わずにすむと伺ってもいますし、コピックで色を入れる予定ですので、塗りながらうんうん悩まなくて済むのでしたらラクでしょう――と。
で、デジタルで制作したのがこちら。
しかしカラーラフがラフすぎて、意味なしッ!!
結局いつものように、出たとこ勝負の直感で色を入れました。
案の定、背景のグラデーションは色見本表とコピック、原稿を順番に見つつの乱闘戦となるのでした。とほほ。
「我が盟友にして強敵、宝物のコピックコレクション」
最後にPCに取り込んで、色の調整と額縁を描き込んで。
完成品!
「christa ジューンブライド」
こうしてふたつ目の企画参加作品も、なんとか納品完了。
関係者の皆様、ご心配をおかけいたしました。
クリスタの凜とした花嫁姿、企画に華を添えられたでしょうか?
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天界音楽様主催「#12カ月間の小品集2023」。6月のお題は「虹」でした。
毎月25日にツイッター(旧)に投稿する企画なのですが、諸事情により6月は間に合いませんでした。ピンと来るアイディアも浮かんでこなかったので、欠席のつもりだったのですが、月末になって神が降りてきちゃったよ!
7月のアイコンを描いていたら、「虹」が映り込んだの。最初からそのつもりで描いていたのではなくて。あれこれ描き足している内に、虹が現れたのです。
空に掛かる虹の橋ではなく、ひまわりの花のところに薄く、光のいたずらで現れたように。
そこで、遅ればせながらの遅刻参加。
「映り込んだ虹」
こうして季節は夏へと移って行くのでした。
ご来訪ありがとうございます。
梅雨時期も好調とは云いがたい時期ですが、企画参加作品を制作しなければならないと思えば、そうも言っていられない。よい刺激になっています。
最近はデジタル作品も増えましたが、やはりアナログ作品の制作となると、気合いの入り方が違ってきますね。失敗が出来ないとか、手間が多いとか言いつつも、やっぱり楽しい!
アナログ描きは、楽しいですよ~♡
次回は7月~8月中旬まで。プレゼントにお贈りした作品、ツイッター(旧)の企画で描いた「#よその子の顔だけ描きたい」のお話で、ようやく現状に追いつくかしら。
そこで「ツイッターにイラスト上げてみようかと思います!?」の章を修了させて頂きます。
次回もどうぞお楽しみに!




