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即興短編集  作者: 花ゆき
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玉子かけごはん

私は玉子かけごはんを食べることになった。


『玉子かけごはん』というタイトルで『バッドエンド』の話を書きます。 http://shindanmaker.com/485745

「今日は玉子かけごはんよ」


 味噌汁にかに玉、麻婆豆腐、サラダと美味しそうだ。父と母はすでに玉子かけごはんを作って食べている。


 我が家は好きな分量を自分で作って調理するのだ。私は醤油が少し多めが好きだ。そこに玉子のとろみと甘さが加わり、それをしめるのが味の素。唾液が口に滲む。


 私は玉子かけごはんが好きだ。食べるしかない。醤油、味の素は用意した。そして冷蔵庫を開けて固まる。玉子のスペースに玉子がない。空席だ。信じられない。胃は玉子かけごはんを求めている。今さら白米なんて許せるはずがない。


「母さん、玉子ないんだけど」

「あら、ごめんね。かに玉に使ったのが最後だったのかしら。でも二段目に次の玉子があるはずよ」


 私は気分が浮上した。

 やった! 玉子かけごはんにありつける。しかし、あったのは玉子豆腐だった。とんだ玉子違いだ。石化する私の後ろから母がのぞいた。


「ごめんね?」


 可愛く言われたが、全く可愛くない。私は泣く泣く白米で、ありのままの白米の甘みを楽しんだ。歯ごたえもいい。だが、父と母の玉子かけごはんを見て、私も食べたかったとため息をついた。

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