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即興短編集  作者: 花ゆき
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戦う魔術師

私の主様は魔術師です。主様はとても強いです。私はそんな彼が好きです。

脳筋な魔術師と脳筋な下僕の話。


19RTされたら『脳筋』な『魔術師』と『脳筋』な『下僕』の組み合わせで、ヤンデレ話を書きます! http://shindanmaker.com/482075

 私の主は魔術師です。強さこそ全てと考えている方です。そんな主様には部下がいません。めちゃくちゃな主様に誰もついていけないようです。


 私は主様の下僕ですから、部下ではありません。主様に拾っていただいた戦争孤児です。私は主様の強さに光を見ました。主様の元で、主様のために生きたいと言った私を彼は今も側においてくれています。


 今日は主様に新しい部下が来るそうです。魔術師は部下を育て一人前に育て、またその部下が部下を育て一人前にするのが一般的です。とうとう主様にも部下ができるのですね。


 早速、新しい部下に主様が教えています。今は戦闘についての話だそうです。


「魔力をガッと注いでぎゅっと凝縮。魔石をぽいっとして、目標にぶん投げる。あとは魔力を纏って戦う。分かったか?」

「分かりません」


 主様は教えるのに向いていません。ですから、代わりに私が教えましょう。


「魔力をガッと注いでぎゅっと詰めたら、あとはポイです。それで魔力を纏って殴ります」

「え?」


 新しい部下の方がびっくりしています。やっぱり分かりにくいですかね。


「主様。何事も実践かと」

「だな」


 実践をするために樹海に行ったのに、翌日には辞職票がありました。おかしいですね。一体どうしたんでしょう?




 私は主様の下僕ですから、生活のサポートもしています。食事を作るのも私の仕事です。


「主様、ご飯ですよ」

「おう。さんきゅ」


 こうやって、主様を私なしでは生きていけないようにするのです。私の作ったものが主様の体の一部になるなんて、最高です。主様、ですから私を好きになってくださいね。じゃないと私、主様に毒を盛って、ずっと寝たきりにしてしまいそうです。そうすれば二人きりですね。素敵です。


「おかわり」

「はい、大盛りです」


 主様はたくさん食べてくれて、嬉しいです。あれ、さっきまで何考えてましたっけ?


 そうだ。主様を私のものにするには主様より強くなるのが一番でしょうか。大好きです、主様。思いの丈を拳にのせてみました。主様を倒したら、私のものです。


「お? 何だ? 自主練か。偉いな」


 主様は嬉しそうにして、私の拳を受け止めます。普通の魔術師は接近戦に弱いですが、主様は規格外でした。むしろ、深く考えることが苦手で今の戦法になったそうです。あら、それを言うと私もそうでしたね。


「主様、いきますよ!」

「かかってこい!」


 私はいつの間にか本来の目的を忘れて、地面に倒れるほど戦っていました。主様は無尽蔵の体力があるからか、普通に立っています。主様を倒すにはまだまだ遠いですね。

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