表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
即興短編集  作者: 花ゆき
24/117

遅刻

書き出しのお題 「うー遅刻遅刻!」

遅刻しそうな彼女は何に焦っているのか。


こちらにも重複投稿しています。

書き出し.me https://kakidashi.me/novels/16

「うー遅刻遅刻!」


 大変だ。遅刻しそうである。朝食のトーストが焼きあがるまで3分。咀嚼するまで2分。制服を着替えるのに3分と仮定したとする。私はバス通学なので、バス停まで10分間走ったとする。それなら間に合うかもしれない。




 結果として、途中で走るのに力尽きた。朝の起き抜けに10分間ずっと走り続けられるはずがない。私は誰もいないバス停に並んだ。息を整え、汗を拭っていると後ろから「おはよう」と声をかけられた。振り返ると、友人の小夜子があくびをしながら手を振っていた。彼女は気だるそうにバス停に並ぶ。


「小夜子、遅刻よ」

「二人の待ち合わせ時間に、でしょう? バスの時間には遅刻してないもん」

「何を言ってるの!? 時間ぴったりに来た小夜子に、予習で分からなかったところを教えてもらうつもりだったのに! 一問に3分から5分かけたとするわ。教えてもらううちに、学校に着いてしまうじゃない!」

「朝のホームルームまでにやれば間に合うって」

「だめよ! その時間は昨日見たテレビ番組について話す時間だもの。お笑い番組を10分、クイズ番組を10分話せば、もう時間は足りないじゃない。だから遅刻なのよ!」


 小夜子は呆れた顔をした。


「もう少しルーズに生きたらどう?」

「無理ね。今の話題も2分の遅刻だわ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ