表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/59

真相…

若葉と家の前で別れ、

家の中に入った。


母親が待っていた。


「大輝…

今朝の事ちゃんと話したいから

聞いてくれる…?」


神妙な面持ちで尋ねてきた。


「わかった。

全部聞かせて欲しい。」


大輝は、応えた。



リビングに行き

テイブルの所で対面で座った。



「大輝にとっては、

突然こんな事になって

ごめんなさい…」


頭を下げて母親は、謝ってきた。

そのままゆっくりと顔を上げ

今までの事を話始めた。


「ここ何年かお父さんとは、

話し合ってきたの。

お母さんもお父さんも

夫婦として

親として

今のままではいけないと…

何度も話し合って離婚する事に決めたわ。」


少しの沈黙の後


「本当にごめんなさい。

大輝の気持ちも聞かずに

勝手に離婚する事を決めて…」



「お父さんとお母さんは、

本当は愛し合っていなかったの…

大輝が生まれる前に

お母さんには好きな人がいたの…

お母さんはその人と結婚したかった。

でも、その人に家族に反対されてしまったの

まだ若かったし

今ならその理由もわかるのだけど

お母さんもその当時は、

その事に耐えられなかった…

その人とは、隠れながらあっていたけど

それでも会える機会がどんどん減っていった。

その人は親が決めた相手と

結婚する事になったの…

その時のお母さんには

何もする事が出来なかった…

そんな時にお父さんと出会ったの。

お父さんもお母さんと

同じような事があって

その時に疲れ切っていた。

お互い傷を抱えていたから

丁度良かったのだと思う。

それから付き合うようになって

すぐに結婚したわ。

お母さんは、大輝を妊娠していたから。

それからあなたが産まれた。

それからは幸せだった。

でも大輝が大きくなるにつれて

お父さんに似ていない事が

段々とわかってきた…

不安になったわ…

その頃、お父さんも

何かに取り憑かれたように

仕事ばかりしていたから…

大輝が小学生の中頃に

お母さんは、偶然好きだった人と

再会したの。

そして大輝の事を話したわ…

DNA検査をする事にしたの…

大輝は、お母さんの

好きな人との子供だったの…

…」




「本当にごめんなさい…

でもお母さんは嬉しかった。

好きな人との子供を産めたのだから。

その分お父さんへの

罪悪感と

大輝への

申し訳なさがすごくあったわ…

大輝を妊娠したことがわかった時は

本当にお父さんの子供だと思っていたの。

でもお父さんとは付き合い始めて

すぐ妊娠したから…

お母さんの好きな人への当て付けもあった…

本当にごめんなさい。」


気付いたら

母親が土下座をしていた。


「お父さんも気付いていたみたい…

その事もちゃんと話し合って

離婚にする事にしたの。」


「お父さんも元々付き合っていた人を

忘れられなかったみたい…

お互い傷を舐め合って

偽物の夫婦を演じていたの…

でも大輝への愛は本当よ。

お父さんもお母さんも

大輝の事は大切で

掛け替えのない家族よ。

お父さんも本当の事を伝える事には

最後まで反対していたわ…

だから中学生になるまで待ったの…

本当に勝手な両親でごめんなさい。」



頭を床に擦り付けながら

謝り続けていた。



大輝は何と答えればいいかわからない。

何が正解で

何が間違いなのかもわからない。



でも、大輝自身が普通を演じれば

これ以上壊れない。

そう思った。



だから普通を演じ続けた。


許す許さないではなく。


いつも通り、

いつもより明るく、

普通を演じる事を選んだ。



「話してくれてありがとう!

愛されている事がわかって安心したよ!

だからもう謝らないで!

これから二人で頑張っていこう!

お父さんにもたまには

会えるのかな?

楽しみだなぁ!!

…」


心配を掛けないようにいつもより

たくさん話した。

何を話しているかも良くわからず

たくさん話し続けた。



母親が立ち上がり

ぎゅっと抱き締めてきた

強く抱き締めてきた


「ごめんね大輝…

ごめんね…」


母親の声が響いた。



大輝は

泣かない。


「我慢しなきゃ

心配を掛けちゃう」



大輝は感情を抑えて

必死に涙を堪えた。


そんな大輝を見て

母親は泣き続けた。



大輝が悪いわけでは決してない。


でも、大輝は自分に責任を感じた。



この日から、

大輝は、

泣かなくなった


心配を掛けないように


いつもより明るく


いつもより元気に


これ以上壊さないように


普通に、

執着するようになっていったのだ。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ