どうしたらいいのか
若葉は、蓮に告白された後
眠れなくなってしまった。
今までも告白はよくされていた。
でも、蓮の告白は、
今までまでのように
割り切れる物ではなかった。
決して、
蓮の事が嫌いなわけではない、
友達としては好きなのだ。
蓮は、
話もおもしろいし話しやすくもある。
顔も良いし性格も良い。
勉強も出来るし運動もできる。
友達からも慕われている。
完璧なのだ。
こんな人に好いてもらって
嬉しい気持ちもある。
だが、付き合うと言われると
今のところ考えられない。
友達で居たから
距離感も良かった。
付き合ったら
また違う距離感になる。
彼氏がいる友達の話を聞いていると
いつも惚気話をしている。
早い子だとキスだって、
その先の事だってしている。
蓮と、そんな事が出来るか
想像もつかなかった。
一晩中悩んでもわからなかった。
「大輝とならどうなるんだろ…?」
若葉は、
想像しようとしたが辞めた。
急に、恥ずかしくなってしまったのだ。
何故かは、わからない。
わからないように思い込んだ。
ようやく眠りに着いたのは、
辺りが明るくなる頃だった。
文化祭の代休だったので
昼頃まで寝てしまったが
目が覚めても考えてしまう。
とりあえず顔を洗い
携帯をチェックすると
みんなからメッセージが入っていた。
昨日の事が、気になっていたようだ。
何もなかったと言っておいたが
信じていなかった。
蓮からは、
「遅くなっても大丈夫だから
ゆっくり考えて欲しいです。」
と、メッセージが来ていた。
大輝からのメッセージは、
来ていなかった。
若葉は、落ち込んだ。
文化祭でヒロイン役をやるとは伝えていたので
メッセージくらいはもらえると思っていたのだ。
蓮の事も重なっていたので
何もする気になれずにそのまま一日、
考えるだけで終わってしまった。
次の日は学校だったのだが
若葉は、まだ悩んでいた。
大輝の事もそうだが
今は、蓮のことだ。
どうしたら良いかわからずにいた。
蓮はいつもと変わらずに話しかけてくれ
何も変わらないようにしていくれたが
なんと返事をすれば良いのかを一人で考えても
どんどんわからなくなる。
一人で悩んでいても
なんと伝えれば良いかわからず思
また、千花に相談する事にした。
千花に昨日の事で相談があると伝えると
放課後、部活が終わった後に
いつものカフェで待ち合わせということになり
部活が終わった後すぐに
若葉は、カフェに向かった。
千花は、もう来ていたので
すぐに千花の席に行き
軽く挨拶をして、席に座った。
「ごめんね。千花。
どうしたら良いかわからなくて。」
と、すぐに相談した。
「まずは、落ち着こう。」
と、言って注文してから
話をする事になった。
いつも通り、
ケーキとラテのセットを頼み
いと息ついてから千花が、
「白石君に告白されたんでしょ?」
と、聞いてきた。
「…告白された。…」
「返事はしたの?」
「…すぐにしようと思ったんだけど
考えて欲しいって言われて。」
若葉は、静かに答えた。
「他に気になる人でもいるの?
それとも、白石君の事を嫌なの?」
と、千花に質問された。
気になる人と言われ
大輝が思い浮かんだが
それは違うと自分に言い聞かせてから
「気になる人はいないと思う。
蓮君の事も嫌ではないけど
恋愛とかの感じじゃなくて
今のところ友達としてしか…」
と、答えた。
「そっかぁ、今の所は友達ね。
じゃあ、断るの?」
と、千花は聞いてきた。
「それを悩んでるの…
告白されてすぐに断るつもりだったんだけど
ゆっくり考えてから答えて欲しいって言われて…
だから考えたんだけど、
蓮君は、一番仲の良い男友達だから
断ったら今までみたいに
みんなと一緒にいられない気がして…」
若葉が下を向き答えた。
「じゃあ付き合っちゃえば?」
と、千花は言ってきた。
「友達としか思えないのに
付き合うのも失礼だと思って…」
と、若葉は答えたが、
「まずはお試しで
付き合うっていうのも有りじゃない?」
と、千花は付き合う事を勧めてきた。
それを聞いても
悩んでいる若葉を見ながら
「じゃあ来年まで、考える時間を貰って
今と同じ気持ちなら断って、
今より少しでも、
付き合っても良いかなって思えたら、
お試しでもいいから付き合うってのはどう?」
若葉は、悩んだが
はっきりさせないといけないとは思っていた。
だが、
気まずくなり
みんなとの関係も壊れてしまいそうで
すぐには決断出来ない。
なので考える時間が必要だとも思った。
その後も、
どうしていくかなどの相談をした。
最後に千花にお礼を伝え別れた。
若葉は、家から着き、
相談したことで
少し落ち着きを取り戻していた。
まずは、今思っている事を
若葉の中で整理してから
蓮に今の考えを伝える為、
連絡を入れた。
メッセージで若葉の考えている事を伝えると
蓮も納得してくれたようで
答えが出るまで待ってくれる事になった。
一安心ともいかないが、
若葉は、
しっかり考えてから
答えを出そうとは思っていたのだ。




