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若葉に連絡

その日のうちに

若葉に、連絡をした。


「すごく良い人だったよ!

色んな話が聞けたよ!」


と、今日聞いた話を

嬉しそうに話した。


家に来てすぐの事や

母親との関係

どうして結婚出来なかったかなど。


若葉には、全て話した。


若葉は、頷きながら

その話を聞いていた。


そして父親の話も話した。



「お父さんは、

僕を嫌っていたんじゃなかったんだ!

事情を知ってから

僕に嫌われたらって思って

どう接して良いかわからなかったみたい!

だから今度のお盆に

お父さんに会いに行ける事になったんだ!」


と、嬉しそうに話していた。


「良かったね!大輝!」


と、若葉は言って

一緒に喜んだ。


そのあともたくさん話してくれた。


お母さんが再婚する予定と言う事や

本当の父親の名前が

東郷司さんと言うんだと。


いつものような見せかけの明るさではなく

本当に楽しそうに。


若葉は心の中で


「本当によかったね!大輝!」


と、思っていた。


そのまま色んな事を話して


「また明日連絡するね!

おやすみ!」


と、言って電話を切った。



電話を切った後も

若葉は、本当によかったと思っていた。


だが、少し寂しさも感じでいた。


「私が元気付けても

あそこまで楽しそうにはならなかったな…」


と、珍しく少し落ち込んだ。



夏祭り辺りから

大輝が姉離れをし始めていると

思ってならなかったのだ。


夏祭りの日も

大輝にあまり構ってあげられず

他の友達とばかり話してしまった。


大輝も他の友達と楽しそうに話していた。


若葉としては、嬉しいことではあるが

寂しさも合ったのは事実だ。


その後も花火に向かう途中

友達が転んで

大輝が駆け寄った時も


先に行って良いよなんて言われた。


若葉も一緒に残ろうと思ったのに

友達に腕を引かれて連れて行かれてしまった。


花火もいつも隣には大輝がいたのに

一緒にに見られなかった。


花火が終わるまで大輝は近くに

来なかった。


花火に集中出来ずに

大輝ばかり探してしまった。


帰り道だって

大輝と二人で帰れると思っていたけど

みんなで一緒に帰ることになって

最後まで大輝と話せなかった。



今回の事も

家族の話だから

若葉が入る余地はない。


だが、大輝は自分で解決してしまった。



若葉は、決して何もしていない訳ではない。

逆に大輝にとっては

掛け替えのない存在で

心の支えだった。



だからこそ若葉に嫌われないように

今の関係を壊さないように

普通で、いつも通りいられるように

好きと言う感情を抑えて接しているのだ。



若葉は、恋愛に疎い。

だから大輝に感じている気持ちを

姉目線で考えてしまう。

家族のような感覚で見てしまう。

異性ではなく弟を見守っているかのように。



この時のモヤモヤが

恋の始まりだとは気付かない。


弟の成長が早い事への

寂しさだと感じてしまっているのだ。



「もっと頼ってもらっていいのになぁ…」


なんて思いなら眠りについたのだ。


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