表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/59

若葉の心配

大輝の母親が

話をしているはずの時間に

若葉は、

部屋でじっとしていられずにいた。


「ちゃんと話し合っているのかなぁ?」

「大輝は大丈夫かなぁ?」

「あの時みたいに泣いてないかなぁ?」


など、考えれば考えるほど

心配になっていた。


家に連絡をするわけにもいかず

でも、心配で

何をしてても落ち着かなかった。


落ち着きなかったが

風呂に入り

夕食を食べ

部屋に戻った。

一人になるとまた考えてしまう。


そんなこんなでいつのまにか

眠っていた。


若葉も、まだ中学生

眠気には勝てないのだ。



次の日の朝。

急いで支度をし

朝食を流し込むように食べ

走って大輝の家に向かった。


大輝の家の前で

息を整え

インターフォンを鳴らした。


いつも通り


「おはよう大輝!」


と、元気良く挨拶をした。


すると


「おはよう若葉!」


と、いつもより明るい返事が返ってきた。

少し戸惑ったが


「元気そうで良かった!」


とも思った。


大輝の母親も出てきて少し話しをした。


「昨日の夜、大輝に全て話したわ。

大輝は受け入れてくれたと言っているけど

すごく無理をしている感じがして…

わざと明るく振る舞っている気がするの。

私たち夫婦が全て悪いのに

そこも一切責めないの…

涙も流さずに無理に笑っているの。

どの口がとは思うのだけど…

学校では若ちゃんが見守ってくれないかしら?

お願いします。」


と、言ってきた。


若葉は、


「大丈夫です!

しっかり見守ります!

任せてください!」


と、応えた。


「本当にいつもごめんなさい。

よろしくお願いします。」




そのまま学校に向かった。


学校に向かい歩きながら


「大輝、今日は

いつもより元気だね!

なんかあったの?」


と、若葉は聞いてみた。

若葉は昨日話すことを

知っていたのが

知らないふりをしていた


だから大輝の変化が

心配になったのだ。


「昨日お母さんから

離婚の理由とか全部聞いたんだ!

本当のお父さんの事も言ってた!

全部聞けたから良かったと思ってさ!

あっでも本当のお父さんがどんな人で

名前は何とかは聞き忘れちゃった!」


と、いつもと違って

たくさん話していた。


その後もずっと話していた。


若葉は学校に着くまで

ずっと聞いていた。


学校に着き教室の前まで来てから

若葉は


「大輝、無理しないでね。

私はずっと変わらないよ!

だから絶対無理しないでね!」


と、言ってみた。


「ありがとう若葉!

でも大丈夫!

無理なんかしないよ!」


と、だけ言い

教室に入っていった。



若葉は大輝の事が

さらに心配になった。


大輝の背中を見つめながら


「大輝、無理してるよ…」


一人嘆いた。



その日から大輝が明るくなっていった。


「大丈夫、大輝?」


と、聞いても


「大丈夫だよ若葉!」


と、返されてしまう。


大輝は、どんどんクラスに馴染んで行き

いつの間にか

クラスの中心にいる事が

見られるようになった。


若葉も、その光景に慣れていき

大輝が大丈夫なら

いつも通りにしていようと思った。


「弟の成長を見守るのも

お姉ちゃんの役目だ!」


なんて思いながら


大輝の母親との約束もあるので


いつも通り

楽しく過ごす事にしたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ