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第22話  頑張れ!空手部先生!!

頑張りました。下手な格闘、組手描写あります。温かい目で見守ってください。。


それではよろしくお願いします。

ついさっき開きかけた扉の向こうを覗いたり、引っ込んだりと、気が付けば練習場から抜け出してから三十分以上が経っていた。体も冷え、このまま外にいると風邪を引いてしまう。それに、貸し切りの小練習場もそろそろ自分の番だろう。戻って少しアップをしよう。


・・・・それにしても、あのスキンヘッド先輩、皮だけ世紀末で中身は子供なのか。癖がつよいなぁ。











          ◇











「次ぃ!!雨月凜さん!!」


「はぁーい!」


大練習場に戻って道着に着替え、アップもそこそこで小練習場の番が回ってきた。


大練習場は出入り自由だが、小練習場は予約制だ。組手の相手として空手部のコーチ二人が付きっ切りで練習に付き合ってくれる。一人は練習相手、もう一人は監督者。


「よろしく。雨月さん」


「よろしくね。雨月さん」


「はい。よろしくお願いします。先生」


自分より頭一つ分大きい男性の先生、春山先生と、私と同じくらいの女性の先生、樫原先生が今日の担当みたい。そして、春山先生は道着だが、樫原先生はジャージ。どうやら、春山先生が練習相手のようだ。


「今日は、何から?」


・・・・春山先生から予定を聞かれたが、メニューなど全く考えず、脳内で危ない想像してましたとは言えるはずもないので、無難にミットのアップしてからの組手を先生にお願いした。


「それじゃ、三十秒ワンセットを三回。レスト十秒。それを三週。休憩は一分。タイマーが鳴ったら始めます」


「はい。わかりました」


「それじゃ、樫原先生、タイマーのセット。お願いします」


「はい」


















ジリリリリリリリリリリ


タイマーがなり、それと同時にミットへ突きを出した。連続的に高速で軽快な破裂音が小練習場に響き渡った。


そして、それは・・・・


「っ!!」


女性の体から出たとは思えない重い連撃だった。先生も驚愕した表情を浮かべている。本当に女子高校生なのかこの生徒は?と。・・・・元男だけどね。


ジリリリリリリリリリリ


「ふぅっ」


三十秒。ものすごく短いものの、全力でミット打ちしてたら、簡単に息が上がる。疲れたわけではないけど、体力をごっそり持っていかれる。適当に手を抜こうかな。


ジリリリリリリリリリリ


瞬く間にレストタイムが過ぎ、次のセットがやってきた。また、破裂音が小練習場を満たす。


レスト、セット。無心にミッドの事だけを考え、三分の一を終えた。


「ふぅぅ〜」


あと、二周。やっぱり、手を抜かずに全力でやろう。楽しくなってきた。











          ◇










ジリリリリリリリリリリリリ


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁぁ」


終わったぁ!!!


「おし。お疲れ」


「はい、・・ありがとうございました」


楽しいなぁ、やっぱり。


「次は組手でいいか?」


「はい!お願いします!」


「おっし。じゃ、防具つけてきて」


「はい!」


本番だとギア以外はつけないけど、練習はフル装備でけが人が出ないよう着用を義務付けされている。しないと、出場停止処分を科される。


「終わりました」


「確認させてもらうぞ・・・・よし。一分間五回、レストは三十秒だ。」


「はい」


「全力でかかってきていいぞ」


どうやらフルコンタクトでいいらしい。ふふ。やるよぉ。


「はい!!お願いします!!」


「・・・・樫原先生、合図はいつでもどうぞ」


「わかりました。では・・・・」
























「はじめ!!!」


合図が出された瞬間、春山先生が私に急接近し、突き連撃を放ってきた。


「っ!」


中々に面白い仕掛けだが、そのすべてを払うか、防具でかばった。


お返しに少しバックステップを踏んでの中段の回し蹴りから、そのままに後ろ回し蹴りを放った。中断を避けられたが、狙いは後ろ回しだ。一連の動きそのものはありがちなものだが、私のは一味違う・・・・


「っ!!!」


成人男性の空手家並みの重さと、それを超える速度。しかし、それを春山先生は紙一重のところでよけてから、私から間を取った。


ちっ。先生だもんな。簡単には当たらないか。


そのまま、二人数秒間の様子見。先生が来ないのを見て、今度は私の方から仕掛けた。


そのまま数秒間、突き、膝蹴り、下段回しをランダムに先生へと放ったが、払われるか、固いところで防御された。有効打がなさそうのをみて、私は大きくバックし、先生からすばやく離れた。


お互いの間合いから大きく離れたところですこしだけ、道着を直し、息を整える。


それから残りの時間は小手調べ程度にお互いが攻勢を仕掛けたは離れるのを繰り返し・・・・


「そこまで!!!」


どちらも決定的な打撃を与えることなく、一セット目を終えた。


道着と息を整え、短い三十秒のレストが終わり、


「レスト終わり!はじめ!」


二セット目に入った。











          ◇











「はぁ、はぁ、はぁ」


四セット。その間お互いに重いのを何発かを喰らい、体力も精神力もごっそりと削られた。


「レスト終わり!!ラスト、はじめ!!」


最終セット。練習とはいえ、本気で勝ち行く。ここで決めよう。


再開を宣言された瞬間、私は先生に急接近し、スピードと体重を乗せた前蹴りを出した。


「くっ!」


それがどうやら春山先生の不意を突き、防御も間に合わず、真っすぐと入った。蹴りの力は春山先生を数歩下がらせ、私もその隙にスパートをかけようと接近し・・・・


「そこまで!!」


しようとしたころで、樫原先生によって止められた。


「これ以上やったら、次の生徒の練習ができなくなります。ここまでにしましょう」


・・・・それは考えてなかった。


「はい。わかりました」


「ありがとう。春山先生も、雨月さんも、お互い礼して」


礼に始まって、礼に終わる。うん。これはさすがに忘れない。


「「ありがとうございました」」


よし、あとはアドバイスを・・・・


「はい。雨月さんもお疲れ様です。もう大練習場の方に戻ってもいいわ」


・・・・え?


「え?」


あどばいすは??


「・・・・そんな顔されても、私たちができる指導なんてないよ?強いて言うなら攻めすぎなんだけど、かと言って守りをおろそかにもしてないから、貴女のスタイルに口出しすることはできないわ」


「そうなんですか?」


「えぇ。まったくウチに入ってほしいくらいだわ。全国なんて軽く狙えるし、アジアだって、なんなら世界だって狙えるかもよ?本当に、すごいわ。今からでもウチに入らない?」


「そんなに言っていただいてありがとうございます。入部はすみません。性に合わないので・・・・」


「そう。残念」


アジアが?世界が狙える????それじゃ、舞花も真那も奏も最低はアジアクラスってこと????ウチの道場ってまさかガチの魔窟だった????????


「勧誘も断られたわけだし、貴女、どうする?戻ってもいいし、私がミット持ちをしてもいいわよ?」


「じ、じゃ、お願いします」


「わかったわ。やりましょ」


その後、不完全燃焼だった私は全力でミットした・・・・・・・・。











          ◇










「あの子、すごかったわね」


「あぁ。本当に十七の女子高生なのか?」


「夏前までは男だったらしいわ。夏休み中にTSしたみたい」


「・・・・ああ!!思い出した!確かに職員会議で言ってたな」


「・・・・少しは空手以外の事にも意識向けたらどうですか?‘先輩'」


「ぐぅの音も出ません・・・・」


凜が小練習場を出た後、二人の先生は雨月凜という生徒の異常さについて語っていた。


「はぁ・・・・しかし、驚いたわ。先輩があそこまでやって事実上の負けを喫したの」


「ああ、正直最後のアレは予測できなった。まさか、最初のお返しを喰らうとは・・・・あれが公式戦なら最後は四ぜロの判定負けだろうな。」


「元全日本の先輩から見て、実際どうですか?あの子」


「君が言った通り、世界が狙える逸材だな。なんなら男子に交じっても全日本か、もしかするとアジアはとれるはずだ。力も速度も成人男性の空手家と遜色ない。まったく、恐ろしいものだ」


「やはりそうですか・・・・」


「ああ・・・・・・」


「とりあえず、次行きましょうか。次。」


「そうだな」


「回復されてないようでしたら、私が変わりましょうか?」


「いや、さすがにあそこまでの生徒はいないだろう。大丈夫だ。次は誰だ?」


「えーと・・・・二年の新垣真那さんですね。呼んできますね」


「おう。よろしく」


凜は知らない。学年のクラスが多すぎるがために新垣も無差別級を選んだことを。そして、春山先生もも知らなった。凜クラスが複数人この学校に在籍していることを。



その日、学校に救急車が一台、入ってきて、一時騒然となったとか。

読んでいただきありがとうございます。


次話は未定です。

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