表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
庶民勇者は廃棄されました  作者: ぎあまん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

237/265

237 女王の戴冠 02


 目覚めるとラーナが俺を見下ろしていた。


「お疲れ様」

「ああ……ラーナか」

「気分はどう?」

「悪くない」


 どうやら俺はラーナに膝枕されているようだ。

 反射で尻を撫でようとしたら手を叩かれた。

 ここは……あの城の謁見の間か?

 あれだけボロボロになっていながら元に戻ったようだ。

 なんで? と思ったがすぐに理解した。


「ああ、ここの支配権は俺に移ったのか」

「そういうこと。死の聖霊を無事に取り込んだようね。神になった感想はどう?」

「神……神ね」


 ラーナにそう言われてもいまいちピンとこない。

 だが自分の称号に意識を集中してみると《天孫》の存在が感じられなかった。

 代わりにあるのは《雷精天荒人神らいしょうてんあらひとがみ》という称号だ。

 長いな。


「たしかに神になったみたいだな」


 実感は足りないが。


「そんなものはすぐに身に着くわ」

「……で、ラーナももう神なのか?」

「ええ、とっくに」

「なら、これで少しは距離を詰めたのかな?」

「ふふ、それはどうでしょう?」


 上機嫌なラーナを眺めながら俺は手に入れた迷宮の状態を確認した。

 いまだにゾンビ禍をまき散らしながら拡大中なら止めないといけないしな。

 ……む、拡大は止まっているな。

 現実世界での領域は初期の巨城に戻っているが、虚実空間の方は拡大したままだ。


「ていうか、試練場の仕組みって、あれズルくないか?」


 試練場なんて言っておいて、その実、挑戦者たちが迷宮の中で発散する魔力や生体エネルギーを集めているのだ。

 試練場で無限に現れる素材や財宝、武具などは集めたほんの一部を物質化させただけだ。


「そんなことはないわよ。先鋭化させた迷宮魔法陣の効能に比べれば試練場で得られるものなんておまけのようなものだもの」

「なるほどな」


 迷宮魔法陣か……迷宮型監視魔法【雷天眼】のことを考えればたしかに、そういうものなのかもしれない。


「それに、人間にとっての特があれば、それを壊そうという者は少なくなるし」

「たしかに」

「まっ、そう簡単には壊せないけど」


 そうやって好戦的な面を見せるラーナを見ていると、俺のやる気が満ち満ちてくるのがわかった。


「……ときにラーナ」

「なに?」

「神って……やれるんだよな?」

「試してみる?」

「もちろん!」


 そうと決まれば話は早い。俺はさっそく、巨城の中にある寝室へと転移で移動した。

 もうこの城は俺の物だからな。どこに何があるかは把握済みだし、管理者権限で好きなところに移動できる。


 そして頑張った。

 大丈夫ちゃんとできる!


「はふー。よかった」


 安堵と満足感でベッドに身を投げ出したときには、はたしてどれくらい時間が過ぎていたのだろうか?

 普通にした後でさらに房中術を駆使してセッ〇スバトルみたいなことになったり、飽和した魔力で空中浮遊状態になったりと……以前よりもはるかにわけのわからないことになったりしていた。

 ……途中で意識が肉体から放出して空の果てまで飛んでたような気がする。

 うーむ、肉体という枷にとらわれている辺り、天への階梯とやらはまだ途中なのかもしれない。

 しかし、俺が肉体を捨てられる時が来るのだろうか?

 だって、体を捨てたらできないんだぞ。


「……ああ、そういえば」


 満足げに天井を見つめていたラーナが口を開いた。


「うん?」

「あなたの様子を見ているときに竜を見かけたのよ。たしか、晶翼竜リュウサクとかいうの」

「ああ、リュウサクか。懐かしいな。なにしてたんだ?」

「なにかあなたに伝えることがあったようだけど、あなたが忙しかったからできなかったみたいね。なにか覚えは?」

「覚え……? ああ、そういえばなんか竜が邪魔しに来たな」


【無限鏡面】初使用だったし、同時に三つの状況をこなしていたし、残り一つはめちゃくちゃ大変だったからすっかり忘れてた。

 拳一発でどっか行ったしな。


「そういや、なんか言ってたな」


 確か……パ…………?


「パ?」

「パ?」


 嫌な予感を覚えて、俺はラーナを見た。

 ラーナはにっこりと笑み、その先を促している。


「パ?」

「パパ……ね」

「おおう……マジか」


 いまさら言葉の破壊力が俺に襲いかかってくる。

 いや、そりゃそうだよな。

 いろいろしてるもんな。そりゃ、一人ぐらいは妊娠してたっておかしくないよな。

 とはいえ……『竜』で『パパ』

 となると『ママ』はあいつか。

 そうだなぁ。歴代のタラリリカ王と楽しんでは子供を産んでたみたいだからな。そりゃ、できやすい体なんだろうな。

 いや、それもまた房中術の奥義なのか?

 妊娠を自由に操作できるか……男側でもその機微に手を入れることはできるのか。

 もしできるなら……。


「思考が横道に入ってるわよ」

「おおっと……」


 いや、ラーナの笑顔が怖くて思わず現実逃避してしまった。


「……ええと、ラーナさん」

「ふふふ……怒ってるように見える?」

「正直わからん」


 にっこりと笑んでいるものの、発散されているのはすさまじい圧力だ。俺じゃなかったら何人か気絶してるかもしれないな。


「ふふふ……あなたの女遊びを容認してるんだから子供ができたぐらいじゃ、別に、ね」

「それなら……」

「でもね。他の女にいるのにわたしにいないっていうのは、我慢できないかも」

「……なるほどぅ」

「そういうわけで、ほら、頑張りましょうね」

「お、おう……」


 これは、レクティラが持ってるだろう妊娠の奥義を自力で手に入れないといけないだろうな。

 できなければ乾き死ぬかもしれん。


「さあ、ルナーク」

「こうなりゃ、とことんまでやってやるぜ!」


特設サイトができました!

https://over-lap.co.jp/narou/865545098/


「庶民勇者は廃棄されました」第一巻 六月二十五日に発売されました。

特典SSのリストです。購入の参考にしていただければ幸いです。

■アニメイト

「冒険者的方向性の違い」


■ゲーマーズ

「初めての庶民勇者」


■とらのあな

「目覚めの吸血鬼」

+【有償特典】タペストリー


■メロンブックス

「ある朝の冒険者ギルド受付」


■特約店

「酒場で冒険者相手に語ること」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ