第五十八話:バストを選ぶとしたら君ならどれが好き?
女の人を胸で判断するのは良くないことですよ。
という訳でハイパーバトルサイボーグみたいなアリスが生まれた訳だが、なんというか黙ってれば普通の清楚美人になる様に仕上げたからなあ。物理的にも色香的にも破壊力抜群である。
「お姉様の復帰を祝ってパーティをしましょう」
アインがそんな事を言い出した。いやまあ確かにそれもいいんだけど。ただなあ、豊胸薬をどうするかってのが先なんじゃないかな。
「それでしたら料理の材料捕ってくるついでに魔獣素材も採取して来るね」
アスカがそういうと外に飛び出した。アリスが「私も行くわ」って追いかけようとしたけど、アスカから「お姉様はご主人様とイチャイチャしててください」って突っぱねられてた。
それを見たアインは「さぁーて、料理を作りますか」って引っ込むし、アミタは「豊胸薬の試作しますわ」って引っ込んで行った。いや、お前ら、今材料取りに行ったところなのに何を作るつもりなんだ?
アリスはぼくの横に座ると、「これでやっと二人きりですね、主様」なんて身を寄せてきた。肌の体温は人間と同じ感触になってるらしくとても柔らかい。いや、女の子に触れた事なんて数える程しかないから本物とどう違うのかなんて分からないんだけど。
それよりも、アリスはパペットだからか、ぼくの三次元女子に対する拒否反応が全く出ない。ぼくの事を裏切らないと思えるからだろうか。
「主様、その、豊胸薬の件なんですが」
「ん? アリスは何か腹案があるの?」
「いえ、そうではなくてですね、主様は大きいのと小さいの、どちらがお好みですか?」
なんか聞かれた。と言っても女性の胸なんて気にしたこと無いからなあ。あ、いや、造形的にはロリ巨乳とか好きだけど、スレンダー美人も同じくらい好きだし、おっぱいの大きさに貴賎はないと思うんだよ。
強いて言うならぼくの好みは太ももかなあ。すらっとしてて程よく肉がついてるのがとても良い。ホットパンツに太ももの肉がくい込んでるのとか、ハイソックスの上に脂肪が載ってるのとかとても大好きだ。
……まあそれを言ってしまうと変態性が暴露されるわけなんだけど。あ、ちなみに三次元はそんなの見る耐性ついてないから二次元限定だな。あ、でも二・五次元は有りだ。
「ぼくは大きいのも小さいのも大して変わらないよ」
「そうですか……なら良いか」
「ん? 何が?」
「な、なんでもありません!」
アリスは顔を真っ赤にして俯いた。こういうのも機能としてついてるのは何気に凄いよね。
「おーい、居るかい?」
そこに嵐の運び手のみんなが家の前に来ていた。こりゃいかん。
「アリス、出迎え頼むよ。ぼくは部屋に避難するから」
「かしこまりました」
そう言ってぼくは分身体を下に置いて二階の自室へ戻る。ご飯はまた後で届けてもらおう。分身体で栄養摂取出来たら楽なのに。
「いらっしゃいませ」
「えっ!? だ、誰だあんた!」
「リック様、私はアリスです」
「え? アリスさんってあの筋肉ダルマな? あり、有り得ない!」
「ダイエットに成功しましたので」
「いや、それにしたって……あの時ダークウォーリアーとの戦闘で」
「奇跡的に一命を取り留めたので」
まあ嵐の運び手のみんなは実際にアリスの手足が崩壊する様子は見てなかったもんな。そのまま逃げる様に家の中に駆け込んで来たし。
「ま、まあ、そういう事なら?」
どう考えてもおかしいんだけどそれに対する説明が思いつかないので思考を放棄したようだ。ともかく今からアリスの快気祝いやると言ったらちゃっかりテーブルに着きやがった。
「ただいま戻りました。お土産です」
アスカが大量の魔獣素材とアヤさんを放り出した。
「アヤさん?」
「あ、ああ、どうも。えーと、その、アスカさんには助けていただきまして」
「人喰い花にはむはむされてましたのでお連れしました」
「……元の場所に返しといて」
「かしこまりました」
「ちょっと、私の扱い酷すぎません?!」
いや、だって「身体で落としてこい」って言われてる相手だよ? ぼくとしてはあまり関わりあいにはなりたくない感じだ。女性は信用出来ない。まあアヤさんは色気より食い気っぽいからそこまでガンガン来られてないのでまだマシなのかもしれない。
「まあアヤさんも一緒にお祝いしてください。アリスの復帰祝いですので」
「え? アリスさんが? どこどこ、どこにいるんですか?」
「ここです」
おずおずとアリスが手を挙げる。アヤさんの口がこれでもかという感じでポカーンと開いた。
「アリスさん? え? でも、だって? うそ? どうなってんの?」
「治療の後遺症です」
「そ、そうですか」
どう見ても納得してないようだったのでアスカとアインに食事の用意に掛からせる。




