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第三百三十五話:公爵令嬢様はたいそう御立腹の様です。

おこだよ、おこ!

 馬車からラケシス様が降りてくる。周りの馬車からはメイドが大量に、降りてきてそれはもう大騒ぎだった。いや、なんでこんなにメイドさん居るの?


「護様、ごきげんよう」


 どう見てもゴキゲンじゃなさそうなんですけど。一見笑顔なのに目が笑ってないよ。どうしたものかな。


「何かありましたかな……これは、ユーフェミア公爵令嬢様?!」

「あなたは、ええと、男爵位の」

「はっ、エラリス男爵家当主のルドルマンでございます。覚えて下さり光栄です!」


 ルドルマンさんが跪いてる。いや、往来で貴族当主が跪くとかいいの? というか公爵令嬢と男爵なら、実際に爵位持ってる男爵の方が偉くない?


「まあ、頭をお上げくださいな。私はまだ授爵も経ていない若輩者ですもの」

「いいえ! 王太子殿下の婚約者として未来の王妃殿下になられるラケシス様に無礼を働く訳には」


 あー、そういえば王太子の婚約者なんだつけ。婚約者というよりは調教師という感じだった記憶があるけど。


「さて、護様?」

「は、はひ」

「説明、して、いただけますわよね?」

「な、何をでしょうか?」

「この「なぷきん」とかいう素晴らしい発明を庶民だけの品にしている件について」


 あー、いや、別に庶民だけにしている訳では。ほら、場所が場所だけに貴族に知られてないという感じで。というかこの商売についてはエラリス男爵家の商売なんだから、ぼくは関係ないよ!?


「こんな画期的な商品がいきなり出てきて、アヤがそれを自慢し、現場に来たらあなたがいる。それでもしらを切るおつもりかしら?」


 隠してた訳でも無いですよ。ほら、ぼくは男ですからそういうのに気が回らなくて。だって元々はアルテ君のオムツの為の発明なんですから。それに作ってるのはエラリス男爵が雇ってる錬金術師の皆さんだし。


「問答無用です。さあ、私にも寄越しなさい!」


 まあお買い上げはありがとうございます。でも販売するのはエラリス男爵家なんだからぼくに言わないでください。


「公爵令嬢様、献上が遅れまして大変申し訳ありません」


 ロマナさんが進み出て、綺麗な箱に入れたナプキンを差し出した。あの箱、いつの間に作ったの?


「あの箱は古物商の時に使っていた装飾箱ですよ。まだ残っていたのか」


 ああ、エラリス家の前の商売の時のものか。しかし、対応が早いな。さすがロマナさんだ。


「まあ、いいわね。いただいていくわ。まあ私は月のものはまだ先になるのだけれど」


 まあそうだよね。というかこの間終わったばかりでしょう? ほら、うちの甘味屋に月に一度、来ない時があるって聞いてたから、多分それであってるはず。


 気持ち悪いストーカーだって? いや、簡単な推理ですよ。というか調べなくても嫌でもわかるよ。毎月決まった辺りで来ないんだもの。


 最初は仕事なのかな?って思ってたけど、おしるこ食べながら仕事してることがあったから、多分違うと思う。というかうちの店のテーブルはラケシス様の執務机では無いんですけど?


「あ、もう一箱くださる? 王妃様にもお渡ししたいの」

「は、はい、ただいま!」


 どうやら王妃様もご所望の様だ。まあ閉経はまだしてないと思うし、重いようなら必要なのかも。ぼくは女性の月のものは個人によって重さが違うって知ってるからね。何しろぼくをいじめてた奴らは女も居たからね。


 ナプキンを買いに行かされたり、使用済みのそれを投げつけられたり、臭いを嗅がされたりしたんだよね。あ、嗅いだのはいじめっ子のじゃなくて、ぼくと同じくいじめられてたらしい女の子。ごめんなさいごめんなさいって言いながら、顔には嫌悪感が現れていた。


 いや、そんな事はもういいや。二度と会わないんだし。さっさと渡して……皇太后様のオムツとかも出来たら持っていった方がいいのかね? いや、さすがにそこまで長生きしないかな?


「では、使用感が分かりましたらまた伺います」

「そんな、公爵令嬢様にわざわざお越しいただくなんて」

「いいのです。今度はこんな大勢のメイドを連れて来ない様にしますわ」


 なんでもこのメイドさんたちは「お嬢様がそんな下町に行かれるなんて!」というていで着いてきたらしい。実際のところはアヤさんが自慢してたのを聞いて、我先にと手に入れようとしたらしい。ここに来るまでに壮絶なじゃんけんバトルが行われたんだって。


 その証拠にラケシス様がロマナさんと話してる間、メイドさんたちは店の方に買いに行って、足りない分は予約という形にしたそうな。ラケシス様のメイドだけじゃなくて王妃様や皇太后様のメイドも居るらしい。王様と王太子様のメイドは良いのかな?


 あ、メイドは二人には置いてないんですね。手を出されると困るから。その代わり男性の小姓が付いてるとか。いや、それって武田信玄と土屋昌続とか、上杉謙信と青沼新九郎とか、織田信長と森蘭丸とかになったりしない? 子どもが生まれる心配がないから少しぐらいなら構わない? そうですか。

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