第二百六十二話:能力判明
ユーリ……
免許がある事と運転が出来ることは同一ではないと知りました。長い引きこもり生活で、運転の仕方を忘れていました。いや、オートマなのでアクセル踏めば進むんですけど、こう、判断力がね。舗装されてない道路というのは普通の車では移動しづらいのです。
ちなみに私が出したのはハ○エース。ロリコンとか言うな! 大量に人を運ぶのはこれが都合いいんだよ!
で、どうしたかって言うとアインに運転してもらった。本当に戦闘以外ならなんでも出来るメイドだよ。まあそのまま森まで走って歩美さんのところに乗り込んだ時はかなり警戒されましたが。
で、お風呂ですよ。男の子と女の子に分かれて面倒を見る事に。男の子は晶龍とぼくが、女の子は歩美さんとアインが面倒を見る流れ。アリス? ぼくのいる男湯に入ろうとしたのでステイさせました。
男の子はシュティンとディーとユーリ。あれ? ユーリ、そっちは男湯じゃないぞ。なんだよ、覗きか? ほら、こっちに来い。
「あの、いや、待って」
「ほらほら、あともつかえてるんだからさっさと脱げ。ほら、バンザー……」
「わっ!?」
ぼくの目の前には仄かな膨らみが見えました。ええ、小さいながらも「丘」と呼んでいい感じのやつです。ええと、ぼくは男の子三人、女の子二人と思ってたんですが、もしかして、女の子三人、男の子二人でした?
「いや、いや!」
「わっぷ、わっぷ」
上にバンザイされた服をバタンバタンとぼくに叩きつけながらユーリは真っ赤になっていた。なるほど。成長期ですね。もうちょい大きかったら性別を間違えられる事もなかったと思います。あと、ぼくって言ってたからね。
などと言い訳してもぼくが女の子を裸に剥いたのは真実なんで歩美さんに怒られました。本当に面目ない。で、改めてシュティンとディーをお風呂に。二人ともそんなに騒がなくて大人しかった。お風呂が珍しかったというか全く現実味がなかったんだろうと思う。
お風呂から上がっても女の子三人はぼくに穢らわしいものを見るような目を向けてきた。これが特殊性癖もちなら「ご褒美です!」って喜ぶところなんだろうな。
風呂から上がるとみんな割と綺麗にはなっていた。そりゃあまあ石鹸で念入りに洗ったもんな。お湯も何度か替えてもらった。お湯の入れ替えが一瞬なのはダンジョンマスター様々というところか。
「みんな綺麗になったね」
歩美さんもどうやら子どもにはそこまで緊張しないらしい。普通に喋っていた。まあ動物好きな人は子どもも好きな人が多いしね。
「ええと、お風呂ありがとうございました。あなたは?」
「私は歩美よ。ここのお風呂とかの持ち主。よろしくね」
「あ、はい」
キリエが頭を撫でられてほにゃった。やはり母性の違いなんだろうか。ぼくが撫でたら通報ものだよね。あ、警察は来ないか。それでも事案だ。まあ事案どころじゃない失敗はもうしちゃってんだけど。
「それで、この子たち、どうする、んですか?」
「とりあえずどこか住む家と働き口を見つけようかと思います」
「見つかるんですか?」
「まあ最悪うちの店で雇いますよ」
本当に最終手段だ。お店は今の人数で回ってるし、そこにわざわざ別の孤児院の子どもを連れて行くのはどうかと思う。かと言って特殊能力の事を考えると野放しにも出来ない。
「あー、そういえば他の二人は何が出来るんだ?」
キリエの熱光学迷彩、ユーリの心象風景、シュティンの貫通は説明を受けた。残りは二人だ。
「私は浄化。食べ物や飲み物なんかの不浄な物質を取り除くの」
レヴィアが口を開いた。あの下水で食べ物に困らなかったのはこのレヴィアの能力があったからだろう。でなければとっくの昔に病気になっている。
「その能力は人間にも?」
「使えるわ。拾い食いしてお腹痛めたディーに使ったもの」
「お、おい、レヴィア、それは黙っててくれるって言ったじゃないか!」
「あ、そうだった。今のなし」
「遅いよ!」
どうやら人間の体調不良にも使えるらしい。アンヌが居たら興味を示したかもしれない。
「もしかして排泄とかそういうのも?」
「ええ。お陰でアジトが糞尿まみれにならなくて済んだってところね」
「なんだって? そういや小便とかしてなかったのってレヴィアのお陰だったのか!」
「ちょっとは疑問持ちなさいよ。寝る前にお腹のチェックしてたでしょうが」
まああんな狭い空間で糞尿が傍にあったら発狂するかもだよなあ。下水だから流せばいいって話なんだけど。でもワニとかネズミとかいたからなあ。ん? ということは残るディーの能力が狩りに関係あるやつ?
「オレの能力? ううん、まあ膨張ってやつ」
攻撃系かと思ったら思わぬ答えが返ってきた。どんな能力か見当もつかない。




