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スキルトレーダー【技能交換】 ~辺境でわらしべ長者やってます~  作者: 伏(龍)
第2章  旅路編

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ダンジョン → 封鎖

お待たせしました。更新再開します。


前回までのあらすじ

修行のために辺境の山野に分け入ったリューマ達はゴブリンの巣と思われる場所を発見し、調査に入ったがそこは手つかずのダンジョンだった。

 ダンジョン。


 父さんの冒険譚の中によく出てきた変わり種の魔物だ。このダンジョンという魔物はある日突然、なんの脈絡もなくどこにでもできる。

 今回みたいな山中に洞窟としてできることもあれば、平原のど真ん中に階段としてできることもあるし大木の幹に入り口が現れることもあるらしい。

 詳しいことは未だに解明されていないみたいだけど、わかっているのは三つ。


ひとつめ、ダンジョンは魔物を生む。

 ダンジョン内は繁殖などとかと関係なく、壁や床から魔物が生み出されるので永遠に魔物が尽きることがないみたい。もちろん生む早さには限界があるみたいだし、基本的にはダンジョンから溢れかえるほどに生むことはしない。


ふたつめ、ダンジョンは財宝を生む。

 誰も入ったことがないのに、ダンジョンの中からは稀に財宝やアイテム、武器防具などが発見される。それらはダンジョン産のアイテムや武具と呼ばれ、変わった効果や優れた性能を持っていることが多い。なんのためにそんなことをするのかはわかっていない。

 一番有力なのは人間をおびき寄せて、ダンジョン内で殺すことでなにかしらダンジョンに利益があるということ。人が多く死ぬようなダンジョンは財宝やアイテムなどの質が良くなると同時に、内部空間も広がり、魔物も強くなるのは確認されている。


みっつめ、ダンジョンは倒せる。

 ダンジョンが魔物だと言われる理由。ダンジョンの一番奥にある魔石を壊したり、回収したりするとダンジョンはその活動を停止する。ダンジョン内はちょっとした異次元空間みたいになっていて中の広さが外観とは一致しなくて、時間の経過や死んだ生物の数だけダンジョン内は広くなっていくんだけど、活動を停止したあとは何か月かかけてちょっとずつもとの状態に戻っていって最後は消えるらしい。


 で、今回みつけたダンジョンだけど普通はわざわざこんな辺境まで冒険者がくることはないはずだから、おそらくこのダンジョンは僕たちが第一発見者だと思う。

 発生してどのくらい経つものなのかはわからないけど、人が入っていない以上はそんなに難易度は高くないと思うし、アイテムとかを見つけることができればその質にはある程度期待が持てる。なにより、魔物が無限湧きしているんだから僕たちの修行にはもってこいだ。


「ということで、このダンジョンを使って修行をしようと思うんだ」

「それはいいけど……私たち三人でダンジョンとか大丈夫なの? りゅーちゃん」


 ダンジョンの偵察から戻ってきた僕は、リミとシルフィが待っている場所まで戻ると、しばらくこのダンジョンを使って修行することを提案した。

 リミもダンジョンのことは父さんたちから聞いていたから、ちょっと不安そうだけど父さんが話してくれたダンジョンは辺境都市周辺に点在するダンジョンのことで、長い間管理されていて深層域がかなり難易度が上がっているダンジョンの話。今回のダンジョンとは条件が違う。


「私はダンジョンがどういうものかわかりませんので、リューマ様の判断に従います」

「あぁ! シルフィずるい! リミだってりゅーちゃんのこと信じてるんだから全然大丈夫なんだからね」

「いえ、なにもそういう意味ではないのですが……」


 僕からみたら可愛いだけにしか見えない頬を膨らませたリミに慌てて首を振るシルフィ。


「わかったからリミは落ち着いてね。それに一応僕がリーダーってことになってるけど、五感だったら猫人族のリミの方が鋭いし、自然の中ならハイ・エルフのシルフィの方がわかることが多いはずだから、わかったこととか気が付いたことはどんどん言ってね。三人で力を合わせていこう」

「うん!」

「はい」


 リミとシルフィが笑って頷いてくれる。勿論、いまは含めなかったがモフとタツマも一緒にね。


「ということで、拠点を作りたいんだけど……シルフィにちょっと聞きたいことがあるんだ」

「はい、なんなりと」

「シルフィの精霊魔法で何が出来るかを確認したいんだ」



◇ ◇ ◇



「驚きました。土の精霊たちにこんなことができるなんて」


 目の前にできたものを白く細い手で撫でながらシルフィが驚きの声をあげる。といっても自分でやったことなんだけどね。発案はタツマだけど。


「確かにこうしておけば、ダンジョンから魔物が出てくることはないね。解除もすぐできるんでしょ? シルフィ」


 ごんごんと強度を確かめるように剣の柄で叩きながら質問をするリミにシルフィは、はいと頷く。

 タツマの発案でシルフィに作ってもらったのはダンジョンの入口を塞ぐ鉄格子ならぬ、岩格子。二十センテくらいの間隔で直径三十センテくらいの円柱で入口の床から天井までを繋げたんだ。

 こうしておけば中から魔物が外に出ることはなくなるから、周辺の魔物を狩っておけばこの近くを拠点に動いても襲われにくい。それに、うまくすれば一番レベルの低いリミに安全に経験を積ませてあげられる可能性もある。ま、でもそれは実際にその時になってからでいいかな。


 それよりもダンジョンを攻略しながら修行するならゆっくり休める環境がないとね。


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