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【アニメ化】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~【2026年1月放送】  作者: ハム男
第12章 魔王軍の進撃と古代の魔法

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第706話 神技炸裂!100連コンボ大作戦!!①

 霊獣ネスティラドの戦いが続いていく。


 ペロムスのスキル「達磨祈願」で両目を黒くしてからスキル「押貸請求」でネスティラドの幸運を削っていく。

 まだまだ金貨の投擲が荒いペロムスは、フォルマールのフォローもあり、既に3回目のスキル「押貸請求」を成功させている。

 その間も、前衛たちのフォローを貰いつつ、ルークがデバフをかけていく。


『うあああああああ!!』


 ルークは2度目のスキル「呪詛禁刃」がスルッと効いて、2体目の骸骨が背後からネスティラドの背後に覆いすがる。


『よし。ルークは神技を発動させ、ステータスを落とせ。ペロムスは引き続きネスティラドの幸運を最大限下げろ!!』


「よし! 精霊神の障壁! 太極図だ!!」


 ルークが2つのデバフの神技を発動させる。


『ぬぐ! 煩わしいぞ!!』


 前回戦ってきた時の半分以下の時間で同じ状況を作ることができた。


『まだまだステータスは高い! 皆、十分なデバフが効くまで現状を維持してくれ!!』


 アレンの指示が、巨木がへし折れ、大岩が粉砕された戦場に響く。

 ネスティラドの一撃は今なお、一撃で前衛でも即死できるほどの攻撃力を誇る。


 アレンはステータスの効果の検証を続けてきた。

 攻撃力や素早さ、知力の上昇の効果はすごく分かりやすいのだが幸運はとても分かりにくい。


 以前、アレン軍の兵たちに協力を依頼し、幸運の差によって、コインの裏表を当てる所謂コイントスでどっちが勝つか検証したことがある。


 幸運の差が広がるほど、たしかに幸運のステータスが高いほど勝率が上がる結果となった。


【幸運とコイントスの勝率について】

・10000戦中5000勝:幸運が相手より10高い

・10000戦中5050勝:幸運が相手より100高い

・10000戦中5100勝:幸運が相手より1000高い

・10000戦中5500勝:幸運が相手より10000高い


 ステータスの上昇値ほど勝率が飛躍的には上がらないのだが、幸運が1万以上の差が生まれると、効果が現れ始めた。。


【幸運のステータスが高くなる時に起きる効果】

・対象に対してデバフが効きやすくなる

・対象からのデバフが効きづらくなる

・対象に対してクリティカルが出やすくなる

・対象からの攻撃が避けやすくなる

・お出かけの日は雨を避けやすい

・畑を耕すと恵みの雨が降りやすい

・お茶を注ぐと茶柱が出来やすい


 生きていく上でのデバフを避け、バフが効きやすくなる。

 戦闘面以外でも幸運には効果があり、生活面などあらゆることに運が良くなったと言える状態にするステータスのようだ。


 だが、一般的な才能無しならステータスが3桁になることも、生涯に渡って魔獣狩りをするような仕事をしなければ難しい。

 人より少し運がいい程度のステータスしか幸運の効果が感じられないのが一般的だと分かる。


「おりゃ! 押貸請求!! あれ?」


 アレンが幸運を分析する中、戦況は進んでいた。


(お? どうやら完全に幸運を削り切ったようだな。あとは……。おお!!)


 ペロムスは8回目のスキル「押貸請求」を発動させたが、ネスティラドの表面から金貨が溢れるような演出がなく、幸運を吸収できない。


 どうやら70万弱が、ネスティラドが持っている幸運のステータス値のようだ。

 全ての幸運を失ったネスティラドに対して、さらなる追撃が行われる。


『うわああああああああ!!』


 ルークのスキル「呪詛禁刃」によって掛かれば掛かるほどデバフが効きやすくなる3体目の骸骨がネスティラドに覆いすがる。


『条件は整いつつある。ルークは、骸骨3体を保持し耐性、ステータスを減らす特技を多用してくれ』


「おう!」


『ペロムスは貰った幸運を40万ほどシアに、20万ほどルークに与えてくれ。フォルマールにも幸運を!!』


 ペロムスのスキル「幸運十一」によって、シアの幸運は50万弱、ルークの幸運は50万弱提供したことになる。

 提供した幸運にも仲間たちのバフが重なるため2人とも60万ほどの幸運の上昇だ。


 シアは100連のコンボを繋ぎ、ネスティラドを倒すための幸運を増加させた。

 ルークはネスティラドのステータスや耐性を下げ、攻撃を避けやすく、当てやすくするためだ。


 さらにペロムスは投擲で遠距離からネスティラドの攻撃を牽制しないといけないため、幸運ステータス999999のカンストは維持してもらう。


 さらに、コンボを繋げることができるフォルマールの矢の補充の役目もある。


「一攫千金! はい。金貨!!」


 金貨をいくつか魔導袋から取り出して握るだけで一気に光金貨の輝きを増す。


「うむ、ありがとう。余裕をもって金貨は10枚は、最低でも保持してくれ。無限の矢筒!!」


 光り輝く矢へと変えていき、そのうちの一本を弦につがえる。


「作戦どおり、銭投と矢は交互にってわけだね」


「そういうことだ」


 ちょうど激しい戦いによって巨大な丸太が倒れていた場所に、塹壕で戦う兵士のように、ペロムスとフォルマールは陣を取る。

 ビビりのペロムスは、丸太程度ではネスティラドの攻撃など防げないのだが、気休め程度の安心感を得て、丸太に隠れるように金貨をスキル「真銭投」で投げたり、フォルマールの矢の分を用意しているようだ。


(強力な矢の製造もできるとか、商人を極めるとはこういうこと言わんばかりの便利キャラだな。これなら背後からの援助も完ぺきと。さて、最後はもう一心同体も絶対防御もいらないな。なぜなら攻撃を受けることは敗北を意味するからな。そうだな、メルス)


 アレンのパーティーがここに来て中衛の位置が万全となる。


『ああ、分かっている。目録! 熱帯猛獣牙! 風のベスト!!』


 攻撃よりも防御優先だったメルスは手には天使B「熱帯猛獣牙」の爪、体は天使C「風のベスト」の素早さの上昇する軽装なものに変えていく。

 姿勢をかがめ、まるで獣のような姿勢でコンボに適した装備に替える。


 メルスが装備から防御を捨てたことに仲間たちがコンボまでの最終局面へと入ったことを理解する。


・成長レベル9と指揮化した剣と盾の天使Bの召喚獣

 【種 類】 天使

 【ランク】 B

 【成 長】 S

 【名 前】 天獣双爪

 【体 力】 10000+5000(指揮化分)

 【霊 力】 15000

 【攻撃力】 30000+5000

 【耐久力】 10000+5000

 【素早さ】 30000+5000

 【知 力】 10000+5000

 【幸 運】 10000+5000

 【加 護】 全ステータス4000

 【特 技】 雷獣連爪、爪術〈9〉

 【覚 醒】 ライガークロー


【武器名:天獣双爪(成長レベル9)】

①特技名:雷獣連爪

・両手から交互に2回攻撃の左右の左右の爪で4回攻撃

②覚醒スキル名:ライガークロー

・全身を5回転して左右の爪で10回攻撃

(コンボにつなげやすいようにしてと)


『よく聞け。絶対に攻撃させるな。もし攻撃させたら絶対に避けろ!!』


【コンボの達成条件12章版】

・スキル、通常攻撃を前回の攻撃から5秒以内に連続で対象に当てること

・一度に複数当てる攻撃は、当たった回数分、コンボの連続回数にカウントされる

・全ての攻撃が対象に防御された場合、コンボの連続回数が終了する

・防御は、手や足によるガードだけでなく耐久力や耐性よる攻撃無効も含まれる

・対象が攻撃した際、攻撃を受けるか防御した時は、コンボの連携は終了する

・対象が攻撃した際、躱した場合は、コンボの連携は終了しない

・対象がバフ、デバフ、回復のみをした場合、コンボの連続は終了しない

・対象が攻撃にバフ、デバフ、回復を含めた場合、コンボの連続は終了する


 100連コンボ後のシアの神技「獣神無限爆散拳」でネスティラドを倒すと決めてから、あらゆる状況を検証し、現在に至る。


 シアとペロムスが転職し強化している間も、仲間たちとの連携は十分に練習してきた。


『始めるぞ! 敵は学習する。コンボの内容を理解し対策されるだろう。今回の作戦を失敗した時、セシルの報酬を得るのは不可能になる。確実に決めるぞ!!』


「おう! 修羅双連撃!!」


「分かった! 焔烈火斬!!」


 ザン、キン、キン、ガン、ザン


『アレンのパーティーはコンボを3回成功させた』


 クレナとドゴラが前後から同時に攻めた。


(クレナは単発攻撃がほとんどだし、ドゴラもそんなに多くない。2人で5回分の攻撃をして3回だけの当たりか。まあ、コンボの回数を稼ぐよりも切らさないことを2人には求めてきたわけだから問題はないけどね。というか魔導書でコンボの回数出てくるの便利っと。……なんだか、こうなることが分かっているような感じがするな)


 スキル「修羅双連撃」は4連撃で、スキル「焔烈火斬」は1回攻撃だ。

 クレナ側を向いており、どちらの腕でもガードされずに攻撃できたのだがミスだった。


 ネスティラドは圧倒的な素早さと攻撃無効、攻撃回避の耐性があり、ルークのデバフスキルが効いていても、クレナのステータスを圧倒しており、簡単に攻撃が当たるわけではない。


 なお、普段はコンボの回数を魔導書に表示されることはないが、今回はこの作戦に合わせてコンボの回数を表示してくれる。

 しかし、四方八方からの攻撃を正確に分かる術はないアレンたちにとってかなり助かる。


 ただ、ここまでの一連の行動が何か誘導じみた感覚がするのは気のせいなのかアレンは分からない。


 全ての行動が1つの目的に向かう中、思考が遊び始めたと戦いに集中することにする。


「九段連撃!!」

 

 ガッ

 ガッ

 キン

 ガッ


 イグノマスは9回連続に突くスキルを発動し、ミスとヒットが織り交ざりながら9回中4回当てる。


『アレンのパーティーはコンボを合計7回成功させた』


(よしよし、連続攻撃が多いスキル持ちは助かるぜ。って続けねば!!)


 次の攻撃まで5秒以上開けてしまうと、コンボのカウントがゼロに戻ってしまう。

 圧倒的素早さ、攻撃無効、攻撃回避のネスティラドには数打たなくてはいけない。


 アレンがイグノマスに続いて攻撃を加えようとする。


「神風連撃爪!!」


『アレンのパーティーはコンボを合計8回成功させた』


 だが、シアも同様に考えてくれていたようだ。

 素早さ特化で攻撃成功率が上昇するクリティカル上昇のバフもりもりで仲間たちの中でも抜群のコンボ成功率を誇る。


『煩わしい。皆肉片に変われ! 駿円斬界!!』


 ネスティラドは攻撃を受けながらも霊力を右腕に貯めていた。

 このスキルは体力が高い状態でも多用してくる圧倒的威力を誇るネスティラドの最強スキルの1つだ。


「うわ!?」


 ドゴラが思わず声を上げた。


 危険な状況は前衛たち前衛がネスティラドの数メートル以内の場所にいる。

 アレンのパーティーは今回、ネスティラドの攻撃を受ける作戦はない。


 攻撃するため、両斧を振り上げ跳躍したドゴラの腹に向かって、凶悪な一撃が迫るのであった。

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ヘルモード12巻
発売日:2025年10月16日
ISBN:978-4803021981

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― 新着の感想 ―
気になったんですけど、アレンさんはコイントスなら勝てるんですかね?くじ引き系になると途端にポンコツ化しますが。
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