表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/144

坑道の外では

「シルヴィア、遅れてすまなかった」

「いいえ、来てくれて助かった! ミスリルのローブのおかげで軽症だったわ」



「魔法で回復出来たとはいえ、怪我をさせてしまった‥‥‥」

「なぁに? 冒険者だし、怪我もするわ! このくらいなんでもないわよ! って、アウルム? 大丈夫? 顔が真っ青よ!?」


 目の前が暗くなって、震えが止まらない。

 涙も溢れてきた。

「助けられなかった‥‥‥、助けられなかった‥‥‥」

 村が襲われた時の光景がフラッシュバックする。

(父さん‥‥‥母さん‥‥‥今の俺なら助けられただろうに‥‥‥)


 ガタガタと震えていたら、急にふっと気持ちが軽くなった。シルヴィアがぎゅっと抱きしめてくれていた。

「アウルム、大丈夫よ。きっと辛いことがあったのよね? 私ね、少しだけどあなたの頭の中を覗けるの。やってみてもいい?」

「‥‥‥うん」


 両手を俺の頭につける。


 幸せだったあの日までは‥‥‥

 野盗達が村を襲って‥‥‥

 父さんが逃してくれて‥‥‥

 母さんが身を挺して守ってくれて‥‥‥


「うあぁあああああああああっ!!!!!!」


 涙が溢れて止まらなくなってしまった。

 もう泣かないって決めたのに‥‥‥。


「ごめんなさい、アウルム。辛い過去を見させてもらったわ。本当に辛かったわね。でももう大丈夫、私がいるわ、落ち着くまでたくさん泣きなさい」

 抱きしめながらシルヴィアにそう言われた。

 俺はその場で意識が遠くなった。


ーーーーーーーーーーーー

 

「ここは‥‥‥?」

 家から村に向かう途中の道だ。

 そして一番会いたかったふたりがいた。


「アウルム、強くなったな‥‥‥」

「こんなに背も伸びて、大きくなったわね‥‥‥」

「父さん母さん、ごめん。僕、助けられなかった‥‥‥」


「何を言ってる。お前が無事ならそれで良いんだ」

「私たちはあなたを守れただけで充分なのよ」


「でも‥‥‥」

「お前は優しいな。でも冒険者となったからには優しさだけじゃダメだ。時には冷静に非情な判断をする必要もある」

「そうならないように行動するのが一番大切だけどね。さぁ、アウルム。最期に抱きしめさせてちょうだい」


「最期って‥‥‥」

「そろそろ行かなくてはならない」

「あぁ、私たちのアウルム‥‥‥」


 力いっぱい二人に抱きついた。

 二人も抱きしめてくれた。

 

 二人は光って空に浮かんでいった。


ーーーーーーーーーーーー


 泣きながら目が覚めた。夢だったようだ。

 シルヴィアがずっと抱きしめてくれていた。


「シルヴィア‥‥‥、ずっとこうしてくれてたの?」

「起きた、アウルム? 今後は私がずっと一緒にいるわ。安心して‥‥‥」

「‥‥‥ありがとう、シルヴィア」


 シルヴィア‥‥‥、本当にありがとう。

 ずっと一緒に‥‥‥。


「さぁ、そろそろ行きましょう。鉱山の呪いの原因も解決したし、オーガも倒せたし。凱旋ね!」

面白い!!、続きが気になる!!と思った方はブックマーク、☆の評価をしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ