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エピソード5 繋ぎ止めた命

「全く最近の若者は軟弱だなぁ?一応刺客なんだろ?コイツら」


「いやいや。ペシュメル様が強いだけっす。戻って来たらどうです?騎士団に」


馬鹿言うな。

俺は今の生活結構気に入ってるんだ。

今更働きたくない!お前達若いんだからもっと働け!甘えるな!


「さーて。俺もギャド達追わないと・・・結局ゆっくり出来なかった・・・お騒がせしましたー」


「おう!ギャドを頼んだぞ?マッジン」


「えー?面倒くさい」


お前相変わらず、素直じゃないな?

こんな所まで全力疾走して来た癖に、今更照れるな。


「ペシュメル様は、ギャドがなんでこんな事になってるか、知ってるの?」


「そうだな?知りたいのか?」


「興味ない」


そうか。お前は本当に捻くれているな?

まぁ、そんな所がお前達の長所でもあるぞ?


「それでいい。そうやってアイツの側にいてやれ。それでギャドは救われる」


ギャド、お前はいい仲間と出会ったな。


だがな、それはお前自身がコイツらを引き寄せたんだと思うぞ?


決して俺ではなく。





ギャド。俺はあの日お前を見つけて無理矢理苦しみの中に繋ぎ止めた。


「離せ!!もう俺をここから解放してくれよ!!」


「ギャド!落ち着け!」


「どうして・・・どうして邪魔するんだよ!!ペシュメル団長!ふざけんなぁあ!!」


お前はあの時、既に限界を迎えていた。





ギャド。

お前はセラと出会った事で自分の運命を呪ったんだろう?


でも、俺はお前を生かした事を、後悔してないぞ?


「セラは思った以上に強い子だったなぁ・・・ギャド」


お前はあの後、堪えきれずセラの記憶を消してしまったが、私はセラが、お前を見ていた事を知っていた。


ずっとずっと、お前を真っ直ぐ見つめていた事を・・・。


そして、君が迎えに行ったのだな。

いつまでも迎えに来ない、ギャドを迎えに。


「お前は、一生あの子に頭が上がらないなぁ?」


ギャド、お前は結局、最初から最後までセラに救われたんだな?






「しかし。お前なんだかんだで、そこに収まったな?晴れて皇族の仲間入りとは・・・」


「嵌められたんだよエルハド様に。あの人絶対、ただ弟が欲しかっただけだぞ?毎日俺に"兄様と呼んでいいんだぞ?"って迫って来る。冗談じゃねぇよ。恥ずかしい」


エルハド様もなぁ?なんというか・・・大分変わってらっしゃるからな。まぁ、そんな方だからこそ、この国が傾かずに済んだんだがな。とにかく強靭的な肉体と精神の持ち主だからな。


お前あの人の武勇伝なんて聞いてみろ。とてもまともな話なんて無いぞ?どれもな。


「ペシュメル様?お久しぶりでございます!いつこちらへ?」


「昨日到着してな?妻も来ている。お前達の晴れ舞台だからな?式は明後日だろう?準備は済んだのか?」


「はい。あとは当日を迎えるだけです」


セラにとっては長い長い道のりだったな?


ギャドにも事情があったから、責める事は出来ないが。

よく、やり遂げたものだ。


「ペシュメル様。貴方には感謝しております」


「うん?貴女が俺に?何かしたかな?」


こうやって改めて君と対峙すると、見た目の幼さなど吹き飛んでしまうな。


とても穏やかに美しく笑う人だ。


「ギャド様をここに繋ぎ止めて下さって、ありがとうございます。お陰で私は今、ギャド様の隣に居ることが出来ます」


ギャド、本当に・・・・お前は女を見る目、あるぞ。


褒めてやろう。


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